会期末へ向けて積み残しの議案の取り扱い
国会も会期末が迫り、会期が延長される見通しだ。
今国会で審議されている議案の一覧は衆議院や参議院のWebサイトに掲載れている。
衆議院
参議院
いずれの議案も、多数を握る与党が賛成であれば最終的には成立することになるが、全ての議案を一度に審議することが出来ず、実際にはこの段階に至っても成立していない議案も少なくない。特に重要かつ成立させたい議案については、会期を延長してでも成立させたいというのが与党の思惑だろう。
もちろん、次の国会へ継続審議とすることも出来るが、継続審議にすることで成立へ向けた熱量も落ちていくわけで、出来ることなら今国会で成立させたいというのが各議案の関係者たちの思いでもあるだろう。
成立議案の賛否は公開されている
先に紹介した衆参両院のWebサイトにアクセスすれば、成立した議案については会派別の賛否の情報が確認することが出来る。議案が成立したということは過半数の賛成を得ていたということで、基本的には与党が賛成したということになる。その他、全会一致でなければ、賛成した会派もあれば、反対した会派もあることになる。あらためて確認すると、多くの議案で野党の大半が賛成していたことが分かるだろう。
問題は、審議中の議案の行方である。与野党が対立していることが明らかである議案であれば、場合によっては成立に至らずに継続審議や廃案になる可能性もある。対して、与野党で対立していない議案については、審議されれば成立に至りそうな議案もある。
審議中の議案については特に野党の賛否が明らかではなく、ともすると、「野党は何でも反対している」から、審議が滞っている勘違いされないとも限らない。
反対ばかりではなく、審議すべきは審議し、賛成すべき時には賛成しているということを野党としては日常から示したいところだ。
賛否の方針を公開する国民民主党
そんな中で、国民民主党は、13日に実施された総務会の資料を公開している。
注目したいのは、国会で審議されている議案への賛否の態度を明らかにしていることだ。資料を確認すると、賛成と反対の両方があるが、各議案への国民民主党として態度が明記されているのだ。
これまでも野党が議案への賛否を予め表明することはあったが、立ち上がったばかりの政党として、このように態度を明確にしているという点はもっと注目されるべきだろう。
いわゆる野党の国会戦略として考えると、議案への賛否は直前まで明かさない方が良いのかもしれない。直前まで手札を明かさないことで与党との交渉を有利に展開出来るという考え方もあるからだ。ただ、これは一歩間違えると、「審議すべきことを審議せず、反対ばかりしている野党」というイメージを国民に植えつけかねない。
反対一辺倒から脱却するというのが国民民主党の結党にあたっての方針でもあり、その具体的な行動のひとつがこの議案への賛否の事前公表であると言える。
ちなみに、今回公表された議案への国民民主党の態度を見ると、賛成8件、反対2件である。反対はIR法案と決算に関する件である。
特にIR法案については、国民民主党として全面的に与党と対峙していくことになるが、それ以外の議案は賛成し、成立させることを目指すということである。
IR法案に関わる与野党対決が報道では強調されたところだが、それは国会での一場面に焦点を当てて、反対する野党の姿が映し出されているに過ぎないことは忘れてはならない。