新党、それぞれの歩みへ
9月10日、立憲民主党、国民民主党、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」「無所属フォーラム」などが結成する合流新党の代表に枝野幸男衆議院議員が選ばれた。合わせて、新党の党名も投票により「立憲民主党」に決定された。
翌日9月11日には、国民民主党が党大会において解散を議決した。
これにて、立憲民主党と玉木雄一郎衆議院議員を中心に結成される新党は、それぞれの歩みを始めることになった。
マスコミ報道には、これで野党共闘が難しくなったとの論調もないわけではないが、両派が完全に喧嘩別れしたわけではない。
例えば、枝野新代表の選出の記事は国民民主党のWebサイトにも掲載されている。
それぞれ別の道を歩むことになったと言っても、両派が野党であることには変わりなく、今後も共同歩調を取るべき場面では当然に共同して問題にあたっていくことだろう。
「国民民主党2年間の歩み」を発表
国民民主党は、解散に際して、2018年5月の結党以来の歩みをまとめて発表した。
まず、「政府提出法案への国民民主党の賛成率」が掲げられている。
「何でも反対ばかりしている野党」というレッテルが野党にはつきまとうが、国民民主党は約8割の政府提出法案に賛成していたことが示されている。
次に、「国民民主党が提出した主な議員立法、政策提案」として、議員立法や政策提案の一覧が掲示されている。
国民民主党が掲げる「つくろう、新しい答え。」のスローガンを体現するように、この2年間だけでも様々な提案を精力的に行ってきたことが分かる。
さらに、「新型コロナウイルス感染拡大に関する経済対策」が掲げられている。
新型コロナウイルス感染症対策については、特に国民民主党による積極的な提案が目立った。
結果的に国民民主党の提案が採用されたということもあり、野党としても大きな存在感を示したと言えるだろう。
最後に、「「大きな塊」に向けて」が掲げられている。
国民民主党所属の議員は新たな立憲民主党と玉木代表を中心とする新党に分かれることにはなったが、そこに大きな混乱はなかった。
野党の次へ向けた動きを後押した国民民主党の功績はきちんと記憶されるべきだろう。
活動を終える政党の功績を継承して
今後、玉木代表を中心に結成される新党は、党名の「国民民主党」を引き継ぐとされている。
もちろん、国民民主党にも至らぬ点は数々あっただろう。しかし、全てを忘れて消し去って次に進もうというのは感心しない。上に紹介した「国民民主党2年間の歩み」をはじめとして、これまでの国民民主党の功績も忘れずに引き継がれることを期待したい。
党名を引き継ぐということなので、国民民主党の2年間の功績も何らかのかたちで引き継いで、改革中道の未来先取り政党としての歩みを玉木代表が中心となって進めて欲しい。