国民民主党のポジションを引き継ぐ新党へ
国民民主党は分党して、一方の議員は立憲民主党との合流新党に、他方の議員は国民民主党を引き継ぐ新党に参加する。
玉木代表は国民民主党を引き継ぐ新党に参加するとされ、こちらの新党に参加する議員を5人以上確保したと玉木代表は明かした。
この後、どの程度まで玉木代表側の新党に参加する議員の数が膨らむのかは未知数であるが、国会議員5人以上というのは政党要件にも関わり、これで新しい政党として船出できそうなことは確実となった。
野党の有力な支持団体である連合は立憲民主党と作る合流新党への支援を表明したが、国民民主党を支持してきた産業別労働組合はその表明に反発しているとも伝えられる。
連合総体としては合流新党を支持するということになるのだろうが、一部の産業別労働組合は独自に玉木代表側の新党への支持に回ることも予想される。
玉木代表側の新党も一定数の国会議員と支持団体を得て、当面活動していくことになるのではないだろうか。
野党の中で政策を主導する政党へ
玉木代表の下で、先の通常国会でも国民一人10万円の給付をいち早く提案するなど、国民民主党は政策提案型の政党としてのポジションを築きつつあった。
玉木代表の下で結成されることになる新党において引き続き玉木議員が代表を務めることになるのかどうかは不透明だが、国民民主党のポジションを引き継ぐ新党を結成すると玉木代表も表明しており、新たに出来る新党も政策提案型の政党として活動していくことになるのだろう。
早速、日本維新の会の馬場幹事長が玉木代表らとの連携に含みを持たせる発言を行っている。
先の通常国会の最中から、日本維新の会と国民民主党の接近の徴候が見られたところ。
玉木代表の下に政策の一致する議員が以前以上に集まることによって、むしろ他党との政策的な連携が図られる可能性が高まったと言えるだろう。
連携すべきときは野党で連携して
玉木代表の下に結成される新党は、いずれにしても野党であることに変りはない。
立憲民主党と作る合流新党とも敵対する必要はなく、連携すべきときには連携して事に当たる必要がある。ここで敵対していては、結局それで利するのは与党であり、野党は分断されたまま、何の影響力も行使できないことになる。
8月26日に、立憲民主党や国民民主党など野党4党は、選挙違反事件で起訴された河井夫妻、汚職事件をめぐって証人に偽証をさせようとしたとして逮捕された秋元司衆議院議員について、議員辞職勧告決議案を国会に提出する方針で一致した。
このような場面では、野党は連携すべきであって、一致して与党と対峙していく必要がある。
その連携は次の衆議院議員総選挙でも同様である。
野党同士でつぶし合いをしては、与党を助ける結果になる。玉木代表の下に今後集まることが予想される議員は比較的選挙に強いとされる人たちが多いものの、野党候補が乱立すると苦しくなることは先の総選挙で実証済である。
任期末も迫って来る中で、新たに生まれる二つの新党の間で不毛な意地の張り合いは不要だ。特に選挙では上手く連携をして、両党合わせた時に最大の議席が得られるような大人の調整が求められるだろう。