安倍首相「参院選は憲法改正が争点」
昨日、参院選(7月4日公示、同21日投開票)に向け、与野党6党首が30日、インターネット番組で討論した。「憲法のあるべき姿について議論をするのか、しないのかを問うのが、この参院選だ」と改めて訴えた。
朝日新聞デジタルでは上記のように語られているが、本当にそうなのだろうか。
参院選の争点になり得る「憲法改正」について、調べた。
- 安倍首相「参院選は憲法改正が争点」
- 憲法改正への各党の姿勢
- 何故憲法改正の議論が進まないのか
- 読売新聞の調査結果では憲法改正の関心は6%
- 世間の関心は「年金など社会保障」
- 国民は「家計」に注目すべきである
憲法改正への各党の姿勢
安倍晋三首相は「立憲民主党や共産党の一部の野党が議論に応じていない」と発言し、立憲民主党・枝野幸男代表は「審議拒否をしているのは与党側だ」と発言。両党に食い違いが発生していることもあり、平行線を辿っているのが現状である。
憲法改正について各党の代表は次のように発言しており、共産党を除き議論を進めるべきと発言している。
安倍首相
「議論をすることは私たちの責務だ。しっかり議論をするのか、しないのかを問うのが参院選だ」
立憲民主党・枝野代表
「改憲の手続きを定める国民投票法のテレビCMの規制の議論(国民民主党が提出している案)を優先すべき」
共産党・志位委員長
「憲法改正を国民の多数は望んでいない」
国民民主党・玉木代表
「与野党が合意して広範な議論をできる環境を整えていくことが重要だ」
公明党・山口代表
「落ち着いて議論できる環境をつくるべきだ」
日本維新の会・松井代表
「憲法審査会での議論を加速すべき」https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46781570Q9A630C1000000/
何故憲法改正の議論が進まないのか
自民党が自衛隊の明記を含む改憲案をまとめた去年の3月以降、国会では一度も議論されていない。理由は大きく2つ。①憲法改正に反対する野党が議論に応じないこと。②与党・公明党が憲法9条の改正には慎重の姿勢で参院選挙前に議論するのを嫌がっている。
上記のような理由もあり、与野党どちらも改憲を進めることができず、平行線を辿っているのである。このような状況の中で、安倍首相の「参院選は憲法改正が争点」という発言は誤っている可能性が高い。
読売新聞の調査結果では憲法改正の関心は6%
読売新聞の世論調査では、「年金など社会保障」で38%で最も多く、次いで「景気や雇用」が19%。「憲法改正」は6%。
https://www.yomiuri.co.jp/election/yoron-chosa/20190630-OYT1T50184/
世間の関心はより身近に感じやすい「年金などの社会保障」なのである。
世間の関心は「年金など社会保障」
また、各党首の発言は次のようになり、3党首が「家計」という言葉を用いている。他の党首においても個人消費を伸ばす必要があることを述べているため、実は争点は家計に関する消費を伸ばすことができるかどうか、どうすれば伸ばせるのかということにある。
立憲民主党・枝野代表
「家計から消費を伸ばし、日本経済を本格的な回復軌道に乗せていく」
国民民主党・玉木代表
「家計の負担を引き下げて、消費を活性化させる家計第一の経済政策を進めていきたい」
公明党・山口代表
「家計の可処分所得を増やす」
https://www.fnn.jp/posts/00420074CX/201907010626_CX_CX
国民は「家計」に注目すべきである
改憲が行われたところで国民の生活が今まで以上に向上することはないことを考えると国民にとっての参院選の争点は「家計」なのである。今回の参院選については「家計」という言葉に注目してみて欲しい。