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東京五輪に向けた受動喫煙対策 加熱式たばこも規制対象に 喫煙者の割合や規制対象の施設とは?

 

27日、厚生労働省が検討している受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案の原案が判明した。加熱式たばこを規制対象とし、通常国会への法案提出、成立を目指す。

 

www.yomiuri.co.jp

 

 

 

 

政府が受動喫煙対策を強化 健康増進法の目的とは?

 

健康増進法とは? 

 

健康増進法(けんこうぞうしんほう、平成14年8月2日法律第103号)は、国民の健康維持と現代病予防を目的として制定された日本の法律。平成13年に政府が策定した医療制度改革大綱の法的基盤とし、国民が生涯にわたって自らの健康状態を自覚するとともに健康の増進に努めなければならないことを規定したものである。

健康増進法 - Wikipedia

 

中でも第25条の受動喫煙防止について自民党内で議論されている。

 

法案の目的は?

 

国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の健康の増進を図るための措置を講じ、国民保健の向上を図る。

(引用:健康増進法の概要

 

受動喫煙対策は、2020年の東京五輪で「たばこのない五輪」を実現するため推進されている。また、東京オリンピックを機に健康被害の減少や医療費の削減を目指す目的もある。

 

日本の喫煙者の割合や受動喫煙の害は?

 

日本の喫煙者の割合

 

2000年以降の日本の喫煙者の割合は、2015年以外はずっと減り続けている。男性の喫煙者は、2000年の53.5%に比べ、2017年は25.3%減った28.2%である。女性の喫煙者は、2000年代で1番高い2001年の14.7%から5.7%減った9%で、男性に比べると横ばいとなっている。

 

2000年以降の日本の喫煙者の割合

年度 性別 割合 男女合計
2000年 53.5 67.2
13.7
2001年 52 66.7
14.7
2002年 49.1 63.1
14
2003年 48.3 61.9
13.6
2004年 46.9 60.1
13.2
2005年 45.8 59.6
13.8
2006年 41.3 53.7
12.4
2007年 40.2 52.9
12.7
2008年 39.5 52.4
12.9
2009年 38.9 50.8
11.9
2010年 36.6 48.7
12.1
2011年 33.7 44.3
10.6
2012年 32.7 43.1
10.4
2013年 32.2 42.7
10.5
2014年 30.3 40.1
9.8
2015年 31 40.6
9.6
2016年 29.7 39.4
9.7
2017年 28.2 37.2
9

 

喫煙率減少には、公共の場での喫煙可能エリアが減り、禁煙エリアが拡大したことや、タバコの増税、健康に対する意識の高まりなどが考えられている。


受動喫煙とは?
 

 

受動喫煙(じゅどうきつえん、英: passive smoking)とは、喫煙により生じた副流煙(たばこの先から出る煙)、呼出煙(喫煙者が吐き出した煙)を発生源とする、有害物質を含む環境たばこ煙(ETS)に曝露され、それを吸入することである。間接喫煙(かんせつきつえん)、二次喫煙(にじきつえん)ともいう。

受動喫煙 - Wikipedia


副流煙は、主流煙に比べ、発がん性物質、ニコチン、一酸化炭素などの有害物質が、数倍多く含まれている。 日本では、受動喫煙が原因で年間1万5千人が死亡していると推測されている。主な症状は肺がん、虚血性心疾患人、脳卒中、乳幼児突然死症候群などである。

 

規制対象の施設とは?

 

厚労相が検討している規制対象の施設

 

厚労省は昨年、店舗面積30平方メートル以下のバーやスナック以外を原則禁煙とする案をまとめたが、自民党員の反発で提出が実現しなかった。現在は150平方メートル以下なら店の判断で喫煙を認める案で再度調整を行っている。

 

敷地内禁煙


医療施設、児童福祉施設、小学校、中学校、高等学校、その他の主として特に健康上の配慮を要する者が利用する施設として政令で定めるもの。

 

屋内禁煙

 

大学、老人福祉施設、体育館など主として健康の増進を図ろうとする者が利用する施設、官公庁施設その他の政令で定める公共的施設。

 

屋内禁煙(喫煙専用室設置可)

 

劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、飲食店。飲食店は小規模のバーやスナック等、主に酒類を提供する店を除く。

 

 

たばこのない東京五輪は実現するか 

 

国際オリンピック委員会は世界保健機関(WHO)と「たばこのない五輪」推進で合意。2010年、バンクーバー冬季オリンピック以降全ての開催国で飲食店を完全禁煙にしている。日本は禁煙政策において、世界最低レベルである。厚生労働省は、建物内は全面禁煙、飲食店は原則禁煙とすることが必要だと公表しているが、自民党は飲食店の売上への影響を理由に禁煙・喫煙・分煙を選び掲示する案を提案している。世界保健機関からは全国の公共の場を完全禁煙にするよう強い要請を受けている。しかし、厚生労働省と自民党の意見はまとまっていないため、このままでは、2020年の東京五輪で全面禁煙は実現できない可能性がある。