大幅な内閣改造か?
安倍総理は9月にも内閣改造を行うと伝えられている。
自民党総裁としての任期や衆議院の任期もにらみつつ、総仕上げの布陣を敷くのではないかとの観測がある。
どうやら大幅な改造が行われるようだが、果たして、今回こそ適材適所となるのか。あるいは、党内の各派閥の意向も汲んで、かならずしても適任ではない人物が大臣の座を射止めるのか。その行く末が気になるところだ。
適材適所か判断する基準
適材適所の人選なのか。外側から人選の当否を判断することはそれほど容易ではないが、ひとつ分かりやすいポイントがある。
それは、初入閣組の当選回数を見ることである。
かつては、当選5~6回あたりが初入閣の適齢期と言われていた。それくらいの当選回数を重ねると派閥から推薦され、そう遠くないうちに初入閣を果たすことが出来た。
最近は、総選挙のサイクルも早く、また連続当選を重ねる議員も少なくないため、当選5~6回程度の議員も多い。そのため、簡単には入閣できず、当選7~8回あたりでようやく初入閣という議員も少なくない。
それでも、一定の回数の当選を重ねると、「そろそろ入閣」ということで、周囲からも期待され、さらに総理もその期待にある程度は応えて、初入閣させてきた。
そこで生じるのが適材適所ではないことによる弊害である。失言をはじめ様々な問題を起こして大臣の座を追われた議員の中でも少なくない人物が入閣適齢期だから止むを得ずに起用された人物であった。
記憶に新しいところでは、五輪担当大臣を辞任した桜田義孝議員がそうだ。
議員本人も「ようやく入閣で来た」と舞い上がってしまうのかもしれない。もちろん、いわゆるヒラ議員なら注目されず、少々のスキャンダルであれば見逃されてきたということもあるだろう。
しかし、大臣ともなれば、マスコミだけではなく、多くの国民からも注目される。一挙手一投足が多くの目に晒されることになるのだ。
当選7回以上に注目
さて、適材適所の人選なのか、その当否の基準として初入閣組の当選回数を見るべしとした。
以前、この件については触れたことがある。
そこに掲載した一覧表に当選回数をプラス1したのが各議員の現在の当選回数であると思って頂いて構わない(引退・落選した議員や参議院議員についてはその通りではないが、概ねそう思って頂いて問題ない)。
当選回数が7回以上で、入閣経験がないのは以下の議員たちである。
当選11回
逢沢一郎
当選8回
田中和徳、三原朝彦、竹本直一、平沢勝栄、山本拓
当選7回
山口泰明、北村誠吾、金子恭之、後藤田正純、土屋品子、河井克行
なかには年齢的に見て、議員として今任期が最後となることが予想される面子も見受けられる。
さらに、逢沢一郎議員のように、「大臣にならない」理由に関するスキャンダルが伝えられた人物もいる。
適材適所を貫くであれば当選回数はあまり関係ないはずで、裏を返せば当選回数を重ねながら、いまだに声がかからないということは、そういう評価しかされていないということである。今回予定されている内閣改造の正否を握るのは、上記のような当選回数は重ねながら未だに入閣を経験していない議員をどれだけ初入閣させるのかということである。
上記から初入閣組が出ないとすると、それだけ適材適所に配慮された人選であると言える。もちろん、小泉進次郎議員のように初入閣となれば話題になるような人物を抜擢する可能性もあり、その場合には適材適所ではないということにもなりかねないので注意が必要だ。
当選回数を重ねただけの議員がどれだけ初入閣することに「なってしまう」のか。あらためて、当選回数7回以上の議員の初入閣の可否を注視したい。