陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が隠蔽されていた問題で、小野寺防衛大臣は航空自衛隊にも日報が残っていたことを明らかにした。小野寺防衛大臣は「大変遺憾に思う。引き続き、海自、空自の日報についても探索を続けたい」と述べている。
防衛省で再び日報の隠蔽が行われていた
防衛省が国会で「残っていない」と説明していた陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が昨年3月に見つかっていた。防衛省幹部らは「またか」と愕然とした。
防衛省が国会で「不存在」と説明した陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が見つかった問題で、昨年3月に陸自研究本部教訓課(現在の教育訓練研究本部教訓評価室)で発見された日報の存在を、少なくとも教訓課長ら同本部の隊員数人が把握していた。教訓課長は陸自の調査に対し、報告しなかった理由を「国会で問題になっている文書とは思わなかった」と説明しているという。陸自トップの山崎幸二陸上幕僚長が5日の記者会見で明らかにした。
自衛隊イラク派遣とは
自衛隊イラク派遣(じえいたいイラクはけん)は、イラク戦争初期の2003年(平成15年)12月から2009年(平成21年)2月まで行なわれていた、日本の自衛隊のイラクへの派遣行為の総称である。その目的は、イラクの国家再建を支援するためとされている。「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法」(イラク特措法)に基づくもので、活動の柱は人道復興支援活動と安全確保支援活動である。活動は「非戦闘地域」に限定されていたが、自衛隊創設以来初めて、戦闘地域ではないかとの論議のある地区に陸上部隊を派遣した。
自衛隊イラク派遣 日報隠蔽問題とは?
稲田氏は昨年2月20日に国会でイラクの日報が「残っていないと確認した」と答弁したが、2日後に再探索を指示していた。山崎陸幕長によると、教訓課は陸上幕僚監部を通して調査の指示を受けたが、昨年3月10日に「保管していない」と回答した。同課長らは調査に「大臣の指示で探しているという認識がなく、国会で問題となっている文書という認識もなかった」と話しているという。
2016年 自衛隊南スーダン派遣の日報隠蔽問題とは?
2016年に、「すでに破棄された」として防衛相が不開示にした、自衛隊南スーダン派遣の日報がデータで保管されていたことが発覚した。このことが日報の隠蔽に当たるのではと問題になった。
南スーダンの新たな日報が発見される
9日の参議院決算委員会で、南スーダン国連平和維持活動に派遣された陸上自衛隊の日報が新たに発見された。日報は1年分以上あり、「存在しない」とされていた2016年7月8~12日分も含まれていた。
今回見つかった日報の中には、情報公開請求に対し「存在しない」として不開示を決定した2016年7月8~12日分が含まれている。不開示とされた同月7日分は未発見。小野寺氏は「不適切な対応があったと考えざるを得ず、改めておわび申し上げる」と陳謝した。