7期以上は12名中4名の高率
安倍総理が内閣改造を行い、第4次安倍第2次改造内閣が発足した。
先月から内閣改造の予定が報道され、誰が入閣するのかといった憶測が数々飛び交っていた。「誰々の入閣が有力」といった情報が飛び交い、一部は憶測のまま、当該議員の入閣には至らなかった例もある。
さて、13人もの初入閣が今回の内閣改造。適材適所の人選なのか、その判断基準を既に示しておいた。
当選7回以上の議員に注目というのがその判断基準であった。
その結果を見てみよう。
当選11回
逢沢一郎
当選8回
田中和徳、三原朝彦、竹本直一、平沢勝栄、山本拓
当選7回
山口泰明、北村誠吾、金子恭之、後藤田正純、土屋品子、河井克行
色を付けたのが今回初入閣を果たした議員である。12名中4名の初入閣となった。これを多いと見るか少ないと見るか。
大臣の椅子は20に満たない。それをほぼ400名いる自民党国会議員で争っていると見ると、12名中4名の「採用」というのは高率と言えるだろう。適材適所というのは少し怪しくなる。
順番待ちは順調に解消?
ちなみに、上記は当選7回以上で完全に順番待ちと目される議員たちと言えるが、その手前の当選6回の議員も大臣適齢期と言われている。
今回初入閣した中で、当選6回だったのは、以下の4名だ。
江藤拓(農林水産大臣)
菅原一秀(経済産業大臣)
西村康稔(経済再生担当大臣、全世代型社会保障改革担当大臣)
武田良太(国家公安委員長)
この他、参議院議員であるために、単純に当選回数では判断できないということもある以下の2名も初入閣となった。
衛藤晟一(参議院3回、衆議院4回)
橋本聖子(参議院5回)
さらに、自民党と連立を組む公明党からは、当選8回の赤羽一嘉議員が初入閣を果たした。
小泉進次郎議員の環境大臣への抜擢で、少々霞んでしまった感があるが、多くの議員は大臣の順番待ちをしていたような面々であったというのが偽らざるところ。在庫一掃内閣なんてネーミングもあるようだが、それもあながち間違いではないだろう。
次は当選6回組が待ち受ける
当選7回以上の議員、さらに当選6回の議員の登用が目立った今回の内閣改造。当選7回以上の議員で大臣未経験は残すところ8名となった。さらに、当選6回組からの登用も進み、当選6回組で入閣経験がない議員も少しずつ減ってきた。参考までに、以下が当選6回で入閣経験のない議員たちである。
谷川弥一、伊藤信太郎、井上信治、秋葉賢也、三ツ矢憲生、小泉龍司、谷公一、山口壮、古川禎久、坂本哲志、後藤茂之、長島昭久
その数は12名。長島議員と山口議員は民主党政権下で副大臣を務めた経験を持ち、その後に自民党に入党したという経緯があるため、順番待ちということでは不利な位置にいるはずだ。つまり、10名がいわゆる大臣待機組の最有力ということになる。
今回初入閣を果たした議員が何らかの理由で内閣から去る事態に陥ることもあるだろう。その大臣ポストにもよると思うが、大きな懸案事項を抱えているようなポストでなければ、再入閣組ではなく、新入閣組から補充がなされることになる。ここまでに紹介した当選6回以上で入閣未経験議員から補充されるようなことがあると、ますます適材適所が怪しくなるというもの。
始動したばかりゆえ、適材適所を貫けなかった内閣改造と断定するのは控えたいが、その面子を見る限り、安倍総理が意気込むような新たな挑戦を行うような布陣とは思いにくい。
この布陣で来る総選挙を迎える可能性も大いにあり、一歩間違えば、大臣の失脚の連鎖から総選挙での敗北にまでつながる可能性もないとは言えない。適材適所であったのか、新大臣たちの一挙手一投足に注目したい。