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2019年参議院議員選挙 応援演説から見る激戦区

 

 

 

政党幹部の応援演説


 いずれの党も変わるところはないが、選挙戦となると知名度の高い政治家が各地に応援に赴く。
 今では、自民党や国民民主党は幹部による応援の日程を公開している。

 

special.jimin.jp

 

www.dpfp.or.jp

 

 

 とはいえ。参議院議員選挙の選挙期間中、一人の政治家が回れる場所には限界がある。おのずと、その行先は選別されることになる。
 では、どのように選別されるのか。一概には言えないかもしれないが、基本的には応援演説を投入して意味のあるところにというのが大きな判断基準となる。どうやっても自党の候補が勝てないような選挙よりは、あとひと頑張りで勝てそうな選挙に。そういう判断が優先されるのだ。


 
 裏を返せば、幹部連中が応援に入る選挙区は接戦や激戦と言われるような状況にあると言える。

 

 さりとて、政党の幹部が応援演説に赴くとしても、事前にその日程を公開するというのは、自らの手の内を明かすことにもなるので何かと慎重になる。
 それでも、著名な政治家が応援演説に行くとなれば、応援を受ける方の候補者も宣伝を行いたくなるので、直ぐに情報は拡散していく。

 そういう中で、自民党の安倍総裁は応援の日程を積極的には公開していない。

 

www.jiji.com


 
事前に日程を公開すると、反対勢力による批判に曝されるかもしれないからだとの憶測もあるようだが、その他にも警備上の都合や選挙戦略上そうしているということもあるだろう。

 

 

安倍総裁の応援演説から激戦区を予測する


ただ、安倍総裁の動向は事後であれば、確認可能だ。マスコミ各社の首相動静を見れば、それは明らかだからだ。

 

digital.asahi.com

 

 

以下、4日以降の安倍総裁が応援演説を行った場所の都道府県である。

 

4日:福島県、宮城県
5日:新潟県
6日:滋賀県、大阪府
7日:千葉県、東京都
8日:岩手県
9日:香川県、愛媛県
10日:山形県
11日:大分県、福岡県

 

全国的には自民党候補の優勢が伝えられる選挙区も少なくない。そういう優勢の選挙区にわざわざ時間を割くよりは、当然に自民党候補が苦戦している選挙区や複数の候補が立候補している選挙区へ応援に入るというもの。裏を返せば、安倍総裁が応援演説に訪れたということは、野党候補が善戦していることだ。それらの選挙区では、野党候補に勝利のチャンスがあるとも言える。

 

特に、安倍総裁が真っ先に応援に訪れた福島県や宮城県、新潟県や滋賀県は1議席をめぐって与野党が接戦を繰り広げている選挙区だ。同じく岩手県や愛媛県、山形県も接戦が伝えられている。
その他、安倍総裁が応援に訪れた千葉県や東京都などは自民党候補が複数立候補しているところ、大阪府や福岡県は接戦の選挙区を訪れた際の帰路に組み込まれたと見るのが正解だろう。

 

この後は、自民党候補の完全な劣勢が伝えられている秋田県や長野県に応援に入るのか否かが注目されるところとなる。
もちろん、当道府県の各選挙区他に、比例区もあるから、土日は人口が集中する場所での演説を設定するはずだ。

 

 

政党幹部の集中投入を見たら


 安倍総裁は自民党にとっては大きな切り札。当然に、優先的に応援が必要とされるところに投入されることになるが、その他の党の役員や大臣も苦戦する選挙区に集中的に投入される。


 たくさんの自民党幹部や大臣が応援に訪れる選挙区は与野党の候補者が接戦を繰り広げている選挙区であるということだ。もちろん、それは自民党に限らない。他の政党も接戦を繰り広げている選挙区に優先的に幹部や著名な議員を投入する。
もし、そのような選挙区の有権者であるとしたら、「接戦を繰り広げている選挙区だからこそ、一票を大切に、欠かさずに投票に行こう」と再確認して、有効な投票を行うことが肝心だ。接戦の選挙区であれば、その一票は特に大きな意味を持つ。