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10月4日開会が予定される臨時国会の見どころ

 

 

 

10月4日に臨時国会召集

 

 臨時国会が10月4日に召集される見通しだ。12月10日前後まで約二か月間の会期が予定されている。

 

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 会期中には、10月22日に「即位礼正殿の儀」が執り行われる。この前後は、国会での審議も止まることになるであろう。
 ここまでが一区切りとなることから、まず、この22日までの2週間で、今回の改造内閣での新大臣の資質をめぐる議論がなされることになるはずだ。国民民主党と立憲民主党が統一会派を組み、野党として一定の規模を国会内でも有するところなり、臨時国会冒頭から野党による攻勢が見られるのではないだろうか。

 

 在庫一掃とまで言われる今回の改造内閣。

 

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 新大臣たちの資質を見定めるというのが今回の臨時国会の最初の見どころだ。

 

 

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焦点は日米貿易協定の承認案

 

 政府からは20本ほどの法案提出が予定されている。
 与党が大勢を占めているため、大抵の政府提案は数の力で押し切って成立させることが出来る。一方で、与党議員でも選挙区事情次第では、政府が進める政策に容易に賛成できないこともある。その一つとなりそうなのが日米貿易協定の承認案だ。
 この日米貿易協定については、日本側が米国側に随分な譲歩をした可能性もある。思うほど外交成果を上げることが出来ていない安倍総理としては悩ましいところだろう。

 

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 日米貿易協定の承認案が今回の臨時国会に提案される予定である。
 交渉の過程など、野党からは厳しく問い質されることになる。特に米国に貿易で譲歩した事項があれば、その影響を受ける業界なり、地域なりが生まれることになる。それが自らの選挙区に関わるようなら、与党議員と言えども安穏とはしていられない。
 TPPの交渉がなされて以来、東北地方で自民党候補が苦戦していることを見れば、貿易に関する国家間の交渉の行方が国内の選挙事情に影響を及ぼすということも理解出来るはずだ。

 

 米国と貿易協定を結ぶ結果、日本ではどのような影響を受けるのか。もちろん、日本として得るところもあるだろうが、失うこともあるわけで、国会での審議でその影響を明らかにして欲しいところ。これが今回の臨時国会でも最大の見どころになるように思う。

 

 

消費増税の影響も表れ始める

 

 10月には消費増税も予定されている。
 その影響は直ちには分からないかもしれないが、二か月の臨時国会の会期中にはその兆候くらいは見えてくるはずだ。特に会期の後半になれば、もし混乱などあれば、その情報がマスコミなどを通じて伝えられ、国会審議でも取り上げざるを得なくなる。とりわけ軽減税率をめぐる混乱が起きることが予想されるところ。
 これまでは、あくまでも机上の想定として、「問題ない」とすると政府側と「問題がある」とする野党側で対立していたわけだが、実際に増税がなされ、軽減税率に関する運用もなされることになると、本当のところが見えてくることになる。実際に起きたことを基にして、国会でも激しい論戦が交わされることになるだろう。これが臨時国会の中盤から後半にかけても見どころになると予想する。

 

 

来年の通常国会にも向けて

 

 今回の臨時国会は12月までの会期が予定されている。年末年始のことを考えると、おいそれと延長するわけにもいかないだろうが、場合によっては会期延長がなされるかもしれない。その場合は、来年1月には始まる通常国会との兼ね合いを考える必要も生じる。
 現在の衆議院議員の任期末もそろそろ迫って来る。オリンピック・パラリンピックなどの国家的イベントもあり、さらに来年の夏には東京都知事選挙などの政治日程も迫って来る。そういう中での国会運営を与党としては考える必要があり、この臨時国会も日程をめぐって与野党で神経戦が繰り広げられることになりそうだ。