臨時国会、低調な議論に終わってしまうのか
10月4日に臨時国会が召集される。 新聞報道によると、今回の臨時国会では、政府提出法案が絞り込まれるそうだ。
特に重要なものの成立を優先すると言えば聞こえが良いが、実際には与野党対立を避けて、つつがなく国会を閉じたいという与党の姿勢が透けて見える。国会審議で野党から厳しく追及されると支持率が低下することから、出来るだけ国会審議を低調なものとせんとすると安倍政権の面目躍如といったところだろうか。
政府提出の法案数が少ないのであれば、この際、野党提出の法案について審議時間を設けるべきとも思うが、実際には野党がいくら法案を提出しても、まず審議されずに店晒しとされることだろう。
闇雲に法案を成立させれば良いというわけではないことから、政府提出法案を中心に、その成立数をもって国会活動を評価すべきではない。しかし、提出法案数の少なさに合わせて、審議時間も少なく抑えられ、議論が十分に深まらずに終わるとすると、それは大変残念なことである。
国会運営も与党の数の力で押し切ることが可能であり、野党の主張が受け入られる場面も少なくなるだろうが、野党は諦めずに法案提出や審議要求を行って欲しいところだ。
最近では、国民民主党が熱心に野党としての法案提出を行っている。
立憲民主党との共同会派結成となり、あるいは会派内での調整が必要となって、法案提出が難しくなった可能性もないわけではない。しかし、これまでも国民民主党と立憲民主党で共同して提出した法案も少なくない。両党にはそれぞれ与党議員にも勝るとも劣らない専門性を備えた議員も多く、今回の臨時国会から、一致協力しての積極的な議員提案を期待したい。
第200回の節目の国会
今回の臨時国会の見どころは既に述べたところだ。
今回の臨時国会は、先の参議院議員選挙で当選してきた議員たちが実質的に国会活動を始める最初の回ともなる。注目は、何と言ってもN国党の立花代表だろう。
つい先日は、国民民主党の玉木代表のYoutubeチャンネルにも出演した立花代表。その中で、来る国会では森友学園問題を取り上げることを表明している。しかも、予算委員会で取り上げるというのだから、大注目だ。
玉木代表とのやりとりで、立花代表はこれまで森友学園問題について情報収集を行ってきたことを明らかにしている。それこそ、安倍明恵夫人とメールのやりとりをしていたことまで明かしている。
このことからもうかがえるように、新たな議員の登場により、促進される議論もあることだろう。新たな視点からの提案もあるかもしれない。
今回の臨時国会。記念行事などが行われるのか不明だが、第200回の節目の回となる。
1947年5月20日に始まった第1回の特別会から、年に2回程度、つまり、常会と臨時会を毎年積み重ねながら、解散に伴う特別会も加えて、ここまでの回次に到達したのである。いずれの回も重要であることにかわりはないが、これまでに積み重ねてきた先人たちの議論に劣らない議論を今国会でも期待したい。