昨日、自民党の後藤田正純議員が都議選の歴史的大敗を受けて自身のfacebookで投稿した内容が話題となっている。
以下、後藤田正純議員の投稿文全文である。
東京都議選について
勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし。
江戸時代の松浦静山の言葉。民心から離れた自由民主党に対して、都民は見事に反応しました。
将棋や囲碁でもあるように、負けました!と認めるべき。私も都議選の応援には、何日も何ヶ所も行きました。
その際、私は必ず最初に安倍政権、自由民主党についての、現在の問題点と反省を包み隠さず述べて、その後には、外交や安全保障、経済や金融などの、安倍政権の成果に理解を求める演説をしてきました。私自身が、自由民主党執行部はおかしくなってると感じたのは、私の安倍政権の反省についての街頭演説が、安倍批判をしたと、党幹部に伝わり私にクレームがきたこと。
石破さんは私に対して、私の挨拶は当然だと擁護して頂いたが、このような密告、引き締め、礼賛、おかしな管理をしている、今の自民党執行部をみると、結果は仕方ないと思わざるをえません。順風で己を見失い
逆風で己を知るこの言葉をかみしめて、安倍政権が、順風すなわち、せっかく積み上げた多数議席や外交や安全保障、経済成長、地方創生などの政策や成果に酔いしれ、己を見失ったことを反省し、都議選の結果を真摯に受け止め、今一度、己を知ることが大事であります。
また、自民党が都議選で大敗した理由についてジャーナリストの江川紹子氏は小泉内閣の総理秘書官だった小野次郎・元参議院議員の言葉を用いて次のように語っている。
「この方(安倍総理)は、自分に反対の考えを持つ人々は国民ではないと思ってる。総理になって何年も経つのに、この方は全国民のために選ばれた職にある自覚は持ち合わせない」
後藤田正純議員のように自民党執行部への疑念を持つ自民党議員は学校法人「加計学園」を巡る問題や稲田朋美防衛相の失言など次々と安倍内閣で起きる問題の数に比例して増加しつつある。
以前から上がっている声としては石破茂議員の声が目立っている。
元々、憲法改正に対する意見の相違から安倍政権に批判的であった。
現時点では小池百合子派となり、無所属となっているが元自民党の若狭勝議員は後藤田正純議員同様、自民党執行部に対して「何かおかしい」と発言している。
現在、客観的に見て、政権担当能力を有するのは、自民党以外に考えられないと思う。それだけに、安倍政権を支える菅官房長官をはじめとする政治家らのここ数ヶ月の言動は特に何か変、何かおかしい。
— 若狭(わかさ)勝 (@wakasaminagiru) 2017年6月16日
また、最近では自民党の有志議員が集まり、反アベノミクス勉強会とも呼ばれる「財政・金融・社会保障制度に関する勉強会*1」が開催されている。
- 2017年6月15日 第2回 勉強会 自民議員60人参加
- 2017年5月16日 第1回 勉強会 自民議員60人参加
勉強会に参加している野田聖子議員は”忖度政治”の度が過ぎていると指摘
自民党執行部への疑念が自民党内で大きく膨れ上がる中、安倍政権の動きが見ものであるのはもちろんであるが、野党第一党である民進党の動きも注目して見ていくのがよいだろう。
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*1:会長を務める野田毅前党税制調査会長のほか、村上誠一郎元行革担当相が務めるなど安倍晋三政権と距離を置くメンバーを中心に発足。