トランプ米大統領は、就任後初めてのアジア歴訪を終え、15日ホワイトハウスで演説をした。トランプ米大統領は11月5日から14日にかけて日本、韓国、中国、ベトナム、フィリピンを訪れた。
トランプ米大統領初のアジア歴訪
日本 11月5日~7日
トランプ米大統領は、5日に日本に到着し安倍総理とゴルフや会食、会談を行った。
首相の安倍晋三と米大統領、トランプがゴルフ、会食、会談など一連の行事で見せた親密さは、同時に日米同盟の強固さを世界に印象付けた。安倍は周囲に「日米関係に付け入る隙はないことを、世界に示すという目的は達成した」とその意義を語る。
【トランプ来日の舞台裏】「シンゾーだから日米関係はいいんだ」 ゴルフ、会食…安倍首相との関係深化「北に対話請うてはならない」「同盟に悪影響与えることせず」(3/3ページ) - 産経ニュース
韓国 7日~8日
トランプ米大統領は7日に韓国に到着し、韓国の国会で演説などを行った。韓国では首脳会談が成功するかについて不安も強かったが、ようやく会談が実現し安堵の声が上がった。また、歓迎夕食会で「独島エビ」を使ったメニューが出されたことに対し菅官房長官は「コメントは差し控えるが、どうかとは思う。」と不快感を示した。
トランプ氏はこの日の共同記者会見で「韓国は私にとって非常に重要だ」と強調。ワシントンの米韓関係筋によれば、今回のアジア歴訪では当初、韓国訪問を見合わせる案も出ていたが、同氏は「(韓国を)スキップしたりはしない」と述べ、米国の「コリア・パッシング(無視)」を心配する韓国世論に配慮する姿勢を見せた。
菅義偉官房長官は7日の記者会見で、韓国政府がトランプ米大統領を招いた夕食会に「独島エビ」を使ったメニューがあることに関し、「外国が他国の要人をどう接遇するかについてコメントは控えるが、どうかとは思う」と不快感を示した。
中国 8日~10日
トランプ米大統領は8日、韓国を出発し中国を訪問した。中国側から手厚い歓迎を受け、北京の天安門広場での歓迎式典は「記憶に残る印象的なものだった」述べた。
アジア歴訪中のトランプ米大統領は8日、ソウルから北京に移り、就任後初めて中国を訪問した。習近平国家主席の案内で故宮を参観するなど友好ムードを演出した。9日に習氏と正式に首脳会談し、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応や貿易不均衡の問題を中心に意見を交わす。
ベトナム 10日~12日
トランプ大統領は、APEC首脳会議や、ベトナムのクアン国家主席と会談を行った。ロシアのプーチン大統領とも会談予定であったが、直前にキャンセルした。
米大統領のベトナム訪問は昨年5月のオバマ前大統領以来。最高指導者のグエン・フー・チョン共産党書記長らとも面会した。
トランプ氏は共同記者会見で、自身が打ち出した「自由で開かれたインド太平洋」構想に触れ、「公正で互恵的な貿易を原則に、二国間の貿易協定を結ぶ」と強調。その上で「ベトナムに売る米国の製品とサービスについて議論した。米国はエネルギー、農業、金融サービス、航空、防衛などの産業で、ベトナムの需要を満たすことができる」と述べ、ベトナムへの輸出を拡大させる意向を示した。
安倍総理のベトナムでの動静
安倍総理は9日の夜、ベトナムに到着した。クアン国家主席と会談やロシアのプーチン大統領、中国の習近平国家主席などと会談した。習近平国家主席は日中の関係に対し「関係改善にはまだまだやるべきことがたくさんある」と述べ、安倍総理は「来年の日中平和友好条約締結40周年を見据えて、両国の関係改善を力強く進めていきたい」と語った。
この中で、安倍総理大臣はベトナムを含むTPP協定の参加11か国が閣僚会合で、アメリカを除く形で協定を発効させることで大筋合意に達したことを歓迎する考えを示したうえで、「自由で公正な通商ルール形成への積極的な姿勢を発信したい。早期発効に向けて緊密に連携したい」と述べました。
これに対し、クアン国家主席は「首脳間で大筋合意を確認し、大きな成果を発表できることを期待したい」と応じ、協定の早期発効を目指して緊密に連携していくことで一致しました。
「日中関係の新たなスタートとなる会談」――。安倍晋三首相と中国の習近平(シーチンピン)国家主席との日中首脳会談で、習氏が両国の関係改善に向け踏み込んだ。日中韓首脳会談の早期実現でも合意。両首脳にとって仕切り直しを宣言する友好的な会談となった。
フィリピン 12日~14日
アジア関連首脳会議に出席するため、フィリピンを訪れた。トランプ米大統領は13日午後、フィリピンのドゥテルテ大統領と会談を行った。
ASEAN=東南アジア諸国連合の一連の首脳会議に出席するため、フィリピンを訪れているトランプ大統領は13日午後、マニラでドゥテルテ大統領と会談しました。
冒頭、トランプ大統領は、「われわれは、すばらしい関係を築いている。ASEANの一連の会議は、ドゥテルテ大統領をはじめ、フィリピンの人たちによって、すばらしく運営されている。感謝したい」と述べました。
これに対して、ドゥテルテ大統領は、「両国が関心を寄せる問題について意見を交わしたい」と応じました。
安倍総理のフィリピンでの動静
12日、ベトナムのダナンを出発し、フィリピンのマニラに到着した。
夜、マニラのSMXコンベンションセンターで東南アジア諸国連合(ASEAN)50周年記念式典に出席し、14日まで各国と首脳会談を行った。
安倍総理大臣は、ベトナムでのAPEC=アジア太平洋経済協力会議に続き、ASEAN=東南アジア諸国連合関連の首脳会議に出席するため、12日にフィリピンに到着し、12日夜はASEANの設立50周年を記念する式典などに出席しました。
「米リーダーシップ示した」と自賛
トランプ米大統領はホワイトハウスでの声明で、北朝鮮の非核化に向けて圧力を最大化する取り組みへの支援をすべての国に求めたと語った。また、訪問の目的であった、北朝鮮の核の脅威に対抗する国際社会の結束や貿易不均衡などに対し、どの分野でも満足のいく結果であったことを示した。