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国民民主党と自民党、それぞれ激しい代表選を望む国民民主党と自民のトップを決める選挙

 

 

 

国民民主党と自民のトップを決める選挙

 

 22日、国民民主党の初の代表選が告示される。玉木雄一郎共同代表と津村啓介元内閣府政務官の一騎打ちとなることが予想されている。


 さらに、9月には自民党総裁選挙も実施される。こちらは、1956年に鳩山一郎が選出された第一回以来、幾度となく実施されてきた選挙だ。前回の2015年の選挙は安倍総裁のみの立候補で、無投票となったが、今回は石破茂元幹事長が立候補を予定しており、選挙は行われることは確実だが、野田聖子総務大臣も立候補を模索しているとされており、どのような構図での争いになるのかは現状では不透明だ。


 いずれにしても、両党はトップの座を決めるための選挙を実施することになる。その過程では、激しい論戦も交わされることだろう。特に、初の代表選となる国民民主党としては、候補者同士が熱い論戦を交わすことで、党としての活力を内外に見せたいところだろう。

 

 

立憲民主党など他党の代表選は?

 

 ところで、立憲民主党の代表選はいつあるのだろうか。そう疑問を抱き、立憲民主党規約を確認すると、第12条に「代表の任期は、就任の年から3年後の9月までとし、当該月に行われる新たな代表の選出をもって任期は終了する。」とあった。枝野代表は就任してから、まだ3年経過していないので、代表選挙は当面なさそうだ。

 

 日本維新の会の代表については、党の規約が少々分かりづらい。同会の規約では、第7条で「代表の任期は、就任から衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙、統一地方選挙の公職選挙のうち、最も早いものの投票日後90日に当たる日までとし、重ねて就任できるものとする。」とされている。現在の松井一郎代表は昨年の衆議院議員総選挙前から代表であったため、任期は昨年の衆議院議員総選挙の投票日後90日に当たる日までが任期であった。

 

 規約第7条の前記の項に続いて、「代表は前項の公職選挙の投票日から45日以内に、代表選挙を実施するかどうかを議決するための臨時の党大会を開催するものとする。」とされているため、昨年、臨時の党大会が開かれて、代表選を実施しないことが出席者の賛成多数で決定されて現在に至っている。


 日本維新の会の規約に基づけば、次は2019年4月に統一地方選挙があるため、その投票日後に松井代表の任期が切れることになる。その時に、また臨時の党大会で代表選の実施の可否を決定することになるのだろう。

 

 

代表選定が「不透明」な党も

 

 代表選挙が実施されれば、候補者同士の論戦や党内の所属議員の動向といったことも少なからず報道されるところとなり、国民の目にも触れることになるのだが、代表を決める選挙を実施したことがない党も存在する。それが公明党だ。


 公明党は、結党以来、複数の対立候補者による党首選挙が実施されたことはない。


 もちろん、公明党にも規約はあって、その中には代表選挙に関する規定もあり、代表の党代表選の告示もなされるが、候補者が一人しか出ないということが続いている。現在の山口代表は現在5期目。任期は2018年9月まで。通例であれば、山口代表が再選されるか、別の誰かが一人だけ立候補して、その人物が代表に就くのかということになる。

 

 共産党の場合、他党の党首や代表に当たるのが日本共産党委員長である。正式には、日本共産党中央委員会幹部会委員長という役職である。現在の志位和夫委員長は日本共産党委員長としては5代目である。2000年の就任以来、その任にあり、その期間は歴代で最長である。


 日本共産党中央委員会幹部会委員長は、数年に一度実施される党大会で選出される。現在の志位委員長は2017年に実施された第27回党大会で選出されたことになっている。


 この選出過程が外から見た時に少々分かり難い。簡単にまとめれば、幹部がまとめた人事案につき、党員の中から選ばれた代議員が党大会で信任投票を行う形式である。それゆえ、内部では激しい争いもあるようだが、これまでに他党で行われているような激しい代表選が行われたという例はない。

 

 

今年になって党首選があった社民党では立候補者が現れず

 

 社民党は、今年1月に党首選を実施している。当時は、前参議院議員の吉田忠智氏が党首を務めていたが、非議員であることを理由に立候補を辞退したため、誰も立候補しない事態となった。そこで、党所属現職国会議員4人により協議を行い、又市征治幹事長に党首就任を要請した。この要請を又市氏が応じ、再度告示された党首選に立候補し、又市氏のみの立候補で、無投票により又市氏が選出された。

 

 かつては、複数候補者による党首選挙が繰り広げられたこともあるが、党勢の衰退により、立候補者すら覚束なくなっているというのが現状である。

 

 

トップを決める選挙はその組織の活力のバロメーター

 

 自民党の総裁選挙を見ると、それは組織内部の抗争の体を成しているが、一方で、社民党の事例を見ても分かるように、その組織に活力がなくなると、トップを決める選挙であっても候補者が現れないという事態にまで至ってしまう。組織のトップを決める選挙はその組織の活力のバロメーターであるとも言えるのだ。


 そのトップはそのまま内閣総理大臣に就くことを意味する現在の自民党の総裁選。その激しさは言うに及ばず、野党として結成間もない国民民主党も組織としての活力を涵養すべく、激しい代表選を繰り広げて欲しいものだ。