25日、民進党の大塚耕平代表が参議院本会議で代表質問を行った。安倍総理が施政方針演説の冒頭で白虎隊・山川健次郎の名言を引用したことに触れ、同じ会津藩の子供たちによる組織「什」のルールである「什の掟」を引用し述べた。
民進党 大塚耕平代表の代表質問に登場した「什の掟」とは?
民進党 大塚耕平代表の代表質問動画
大塚耕平 民進党 国務大臣の演説に関する件 2018年1月25日
大塚耕平代表が代表質問で述べた内容は?
大塚代表は、安倍総理の施政方針演説の冒頭に対し以下のように述べた。
総理は施政方針の冒頭で会津藩の山川健次郎翁の名言を引用しました。会津藩と言えば、子供たちを教育する集まりであった「什(じゅう)」という組織が良く知られており、「什の掟」も今に伝えられています。その第三は「嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ」であり、「ならぬことはならぬものです」と締め括られています。
山川翁も反芻したであろう「什の掟」も踏まえ、総理には全ての問題に真摯に向き合っていただきたいと思います。
山川健次郎とは
山川 健次郎(やまかわ けんじろう、1854年9月9日(安政元年閏7月17日) - 1931年(昭和6年)6月26日)は明治時代から昭和初期にかけての日本の物理学者、教育者。男爵、理学博士。会津藩出身で白虎隊の兵士として明治政府と戦ったが、後に国費で米国留学をして東京帝国大学(東京大学の前身)に登用された。理科大学長・総長、九州帝国大学(九州大学の前身)初代総長、私立明治専門学校(九州工業大学の前身)総裁、京都帝国大学(京都大学の前身)総長、旧制武蔵高等学校(武蔵中学校・高等学校の前身)校長、貴族院議員、枢密顧問官を歴任した。
白虎隊の「什の掟」とは?
「什」とは、同じ町に住む6歳から9歳までの藩士の子供たちによって作られた10人程の集まりである。年長者1人が什長となる。毎日、什の仲間の家に集まり什長が「什の掟」に関するお話を聞かせていた。その後、そのお話に背いたものがいなかったかどうか反省会を行っていた。
「什の掟」の内容
一、年長者(としうえのひと)の言ふことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人(おんな)と言葉を交へてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです
安倍総理が施政方針演説の冒頭で述べた内容は?
百五十年前、明治という時代が始まったその瞬間を、山川健次郎は、政府軍と戦う白虎隊の一員として、迎えました。
しかし、明治政府は、国の未来のために、彼の能力を活かし、活躍のチャンスを開きました。
「国の力は、人に在り。」
東京帝国大学の総長に登用された山川は、学生寮をつくるなど、貧しい家庭の若者たちに学問の道を開くことに力を入れました。女性の教育も重視し、日本人初の女性博士の誕生を後押ししました。
身分、生まれ、貧富の差にかかわらず、チャンスが与えられる。明治という新しい時代が育てた数多の人材が、技術優位の欧米諸国が迫る「国難」とも呼ぶべき危機の中で、我が国が急速に近代化を遂げる原動力となりました。
安倍総理 施政方針演説の動画
安倍晋三総理大臣 自民党 参議院 本会議 2018年1月22日
大塚代表が安倍総理に伝えたかったこととは?
大塚代表は「什の掟」の中から第三の「嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ」を取り上げ、「ならぬことはならぬものです」と締め括られていると語った。「ならぬことはならぬものです」とは、条文は堅く守るべきものであるという意味である。安倍総理にも全ての問題に嘘を言うことなく真摯に向き合うよう述べた。