22日に本会議で行われた安倍晋三総理大臣の施政方針演説に対する、与野党の代表質問が24日から始まる。与党は代表質問後に、国政全般について議論する衆院予算委員会を開きたい考えで、その際の野党の質問時間の削減を目論んでいる。
与党が野党側に交渉した内容とは?
自民党は今国会で開催される衆院予算委員会審議でも質問時間配分について、「5対5」にすることを野党側に提案する。
質疑の際の制限や1人の質問時間の計算方法
議員の質疑の回数や発言時間には制限があり、各議員の議長、委員会では委員長が決定する。また、国会の質問時間の制定自体に、法や規定はなく与野党の協議により決定している。
委員会質疑での質問者の持ち時間の計算方法は衆議院と参議院で大きく異なる。衆議院の場合には答弁者の答弁中も質問者の持ち時間が費消される計算方式となっており、質問者の質問時間と答弁者の答弁時間の合計時間で残りの持ち時間が計算される(往復方式)。参議院の場合には答弁者の答弁中は質問者の持ち時間は費消されず、質問者の質問時間のみによって残りの持ち時間が計算される計算方式がとられている(片道方式)。
5対5は実質野党に手厚い!? 与党側の主張とは?
与党は、2017年秋の選挙以降質問時間の時間配分を「与党2対野党8」から「与党36%対野党64%」とすることとした。この時間配分には、前例がないことも確認した。しかし、今国会でも与党の質問時間の拡大を望んでいる。与党は「与党5対野党5」の質問時間を要望している。委員長を含めた50人のうち、与党は34人で野党は16人である。自民党の主張では、質問時間を「5対5」の比率にしても、与野党の質問時間は平等であるが1人当たりで計算すれば野党に手厚いという。
質問時間を増やしたい理由は?
2009年までは、与党4対野党6が標準であった。しかし、自民党が野党になった際、野党の質問時間を増やし、「与党2対野党8」にするよう要求した。自民党が、野党の質問時間を増やしたにも関わらず、平等にしようとしているのは野党の質問から逃げようとしているからである。
海外の国会での質問時間は?
与野党の質問時間配分 | |
日本 | 2対8 |
イギリス | 3対4 |
ドイツ | 6対4 |
イタリア | 6対4 |
フランス | 4対6 |
ドイツの質問はほとんど野党が行う。イギリスは月曜から木曜まで毎日1時間、野党第1党の党首のみ6問まで質問することができる。毎週水曜日には30分間、首相が答えることが決まっている。アメリカでは、質問自体を行っていない。