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民進党代表大塚耕平氏が、「中道的な新しい政党」「新しい民主党」を目指し新党をつくることを発表

 

2018年3月29日、民進党代表の大塚耕平氏が、党本部で常任幹事会終了後に定例記者会見を開き「新しい民主党」をつくることを提案し、了承されたことを報告した。

 

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民進党発表資料全文

 民進党が定例会見後に公表した、「新しい民主党」に関する資料の全文は以下の通り。

 

民主主義と国民生活を守るために
―「新しい民主党」をつくる ―

 

平成 30 年 3 月 29 日
民進党代表 大塚耕平

 

1.民主主義と国民生活を守る

 昨年10月31日の代表就任以来、党運営に関する中央及び地方の党所属議員、事務局及び関係者各位のご協力とご尽力に感謝と敬意を表します。

現下の政治情勢を鑑みると、今後の政治の対立軸は民主主義を重んじるか否かという点であることが一段と明らかになってきました。

何が「正しい」か、何が「正義」か。価値判断は人によって区々であるからこそ、議論の前提となる事実を公開・共有し、熟議を尽くし、決まったことを遵守し、権力を抑制的に運用する。それが民主主義の基本です。しかし、森友学園の公文書改ざん事件に象徴されるように、安倍政権の隠蔽体質、熟議を避け、権力を濫用する姿勢は目に余るものがあり、日本の民主主義は危機に直面しています。次期総選挙はまさしく、民主主義を重んじる勢力と、民主主義を軽んじる勢力の戦いであり、民主主義を守るか否かが重要な対立軸です。

 森友事件のみならず、南スーダンPKO日報問題、加計学園疑惑、スパコン事件等の不祥事に加え、ここに来て、文科省前事務次官講演への圧力、日本年金機構のずさんな業務運営等、次々と新たな問題が発覚しており、安倍政権の強権、迷走ぶりは極まりました。

日本は多くの課題を抱えています。深刻化する少子高齢社会、懸念される社会保障制度や財政の持続可能性、拡大する格差、激化する経済・産業の国際競争、緊張を増す国際情勢等、枚挙に暇がありません。

 国民生活に直結する諸課題に対し、民主主義的な議論と手続を経て、政治と行政が的確かつ迅速に対応することが求められます。また、政治と行政が民間の自助努力や発展を阻害することがあってはなりません。

 そうした観点からも、安倍政権の実情は憂慮に堪えません。森友事件に象徴されるように、不公正、不透明な姿勢を看過できないうえ、官僚組織の劣化も著しく、民主主義的な先進国としての適格性が問われる事態です。

 

2.総選挙を受けて立つ

 森友事件に関する昨年初来の首相、財務大臣、財務省幹部の国会答弁や説明が虚偽であったことから、森友事件も争点に含まれていた昨年の総選挙の正当性は失われました。安倍政権の正当性を否定する以上、総選挙を受けて立つ態勢を整えることが急務です。

昨年の総選挙の結果を受けた現在の国会や党の実情、来年の統一地方選挙まで残り1年となるタイミング等々を鑑み、今こそ、民主主義を重んじる勢力の結集を働きかける時期に至ったと判断します。

できる限り早期に「中道的な新しい党」を目指す。去る2月4日の党大会での承認事項であるこの方針に則り、新党設立準備に入ることが必要と考えます。

来年の統一地方選挙、参議院選挙、次期総選挙に向けた態勢を整えるために、志を共有する同志の結集が不可欠です。民主主義を重んじる政権を樹立するために、まずは元民進党議員を中心に結集を呼びかけ、「中道的な新しい党」「新しい民主党」に同志を糾合し、政権交代実現のための中核的な新党を構築します。

 党内に様々な意見があることは、中央及び地方の党所属議員各位も十分に理解しているものと思います。また、都道府県ごと、総支部ごとに事情が違うことも、十分に認識を共有できているものと思います。そうしたことを踏まえつつ、今こそ、民主主義を重んじる同志に結集を働きかけるために、総合的判断に基づき、「中道的な新しい党」「新しい民主党」の結党に取り組みます。

 

 1.「中道的な新しい党」「新しい民主党」である新党を結党する(存続政党は民進党)。

 2.志を共有する同志に結集を呼びかける。

綱領、党名等の所要事項については、参画意志のある同志との新党協議会の場で決定していきます。なお、中央及び地方の党所属議員、候補者の個別事情に配意しつつ、新党結党後も多くの仲間と連携できる枠組みを目指します。

 新党移行の準備が整った後に、速やかに来年の統一地方選挙、参議院選挙、次期総選挙の準備を本格化させます。

 来年の統一地方選挙については、現在の青年委員会、女性議員ネットワーク、自治体議員フォーラムの枠組みを新党に引き継ぎ、これらの横断的組織を中心に候補者公募を行います。その際、とくに都道府県議会議員選挙、政令指定都市の市議会議員選挙に関しては、野党間での候補者調整、選挙区調整に取り組みます。

 参議院選挙については、空白区における候補者発掘、現職を含む公認手続を加速させます。その際、1人区においては野党間での候補者1本化に努めるとともに、複数区においても野党間の候補者調整に注力します。

次期総選挙については、落選中の元民進党議員及び候補者との調整を進めるとともに、空白区等における新人発掘、公募等を行います。野党間の調整にも努めます。

 

3.政権を担う

 中央及び地方の所属議員各位のご理解、ご協力をいただき、来年の統一地方選挙、参議院選挙での躍進、次期総選挙での政権交代に向けて、一致結束し、ともに行動していただくことを心からお願い申し上げます。

 

  民主主義と国民生活を守る「中道的な新しい党」「新しい民主党」が、政権を担う政党として国民の皆様に認められるよう、ともに新たな歩みを始め、全力を尽くしていただけることを祈念します。

 

出典:20180329民主主義と国民生活を守るために――「新しい民主党」をつくる 

 

新党結成を目指す理由とは?

2018年3月の国会では、決裁文書が改竄されていたという前代未聞の事態が発生し、森友学園問題に関する内容に多く費やされた。野党は森友学園の問題について1年以上の追及を続けており、ここにきて決裁文書が改竄されていた事実が発覚した。民進党の大塚耕平代表は、「安倍政権の昨年の衆議院総選挙の正統性は失われた」と説明しており、総選挙をやりなおす事を求めている。支持率も急落している自民党に対し、しっかりと対峙できるための体制を早期に準備したい考えだ。

 

今までと何が変わるのか? 

大塚耕平代表は、新党に対し「中道的な新しい政党」という言葉を使用している。「中道」とは、異なる意見に対しても耳を傾け、熟議を尽くし結論にいたるという、議論や思考の作法を守るということである。昨年の衆議院総選挙では保守やリベラルという言葉が話題にあがることが多かったが、「中道」はこの二極対立に対し、熟議を尽くし最善の選択をおこなっていくことになるのだろう。母体の民進党に加えて希望の党や立憲民主党などから元民進党議員を中心に結集を募るということだが、「中道的な新しい政党」というのは、今までとは全く違う政党となるのではないだろうか。

 

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