安倍政権は不祥事や疑惑が相次いでいる。今年1月からの安倍政権の不祥事や疑惑をまとめた。
2018年に起きた自民党の疑惑・不祥事
1月
スパコン助成金不正受給問題
・スーパーコンピューター開発をめぐる国の助成金搾取事件について問題となった。しかし、世耕経済産業は政治家の関与を否定した。
一方、安倍晋三首相は「補助金の交付などについてはそれぞれの所管省庁、実施機関で法令や予算の趣旨にのっとって、適正に実施されるべきだ」と繰り返し強調した。
前内閣府副大臣の不適切発言問題
・松本文明前内閣府副大臣が沖縄県の米軍ヘリコプター付着時に関し「それで何人死んだんだ」と野次を飛ばし、事実上更迭された。
松本文明・内閣府副大臣(自民党)は26日夕、安倍晋三首相と首相官邸で面会し、沖縄県で続発する米軍ヘリコプターの不時着などのトラブルをめぐって国会で「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばした責任を取り、辞表を提出、受理された。
茂木経済経済産業大臣 公職選挙法違反問題
・茂木敏光経済産業大臣の秘書が有権者へ線香配布し公職選挙法に違法しているのではないかと話題になった。総務省は、違法かどうかを発表しなかった。
2月
厚生労働省の不適切な調査データ問題
・裁量労働制に関する労働時間のデータについて不適切な内容であることが発覚し、安倍総理大臣が謝罪を行った。
裁量労働制に関する厚生労働省の調査データに異常値が含まれていた問題を巡り、加藤勝信厚労相は26日の衆院予算委員会で、新たに233件の異常値が見つかったと明らかにした。これまでの分を加えると300件を超えた。安倍晋三首相は調査データそのものは撤回しない考えを示したが、調査の信用性は失われつつあり、野党側は、この調査に基づいて作成された働き方改革関連法案を撤回するよう要求した。
3月
森友学園 決裁文書改ざん問題
・森友学園への国有地売却に関する決裁文書を財務省が改ざんしていたことが発覚した。
財務省が「森友文書」を“改ざん”した疑いが2日、浮上した。森友学園への国有地売却問題に関し、財務省による決裁文書の原本が、昨年2月の問題発覚後に書き換えられた疑いがあると、同日の朝日新聞が報じた。財務省は、原本の存否について否定も肯定もせず、「調査したい」の一点張り。
文部科学省 教育への介入問題
・文部科学省が前川喜平前次官が行った名古屋市内の公立中学校での授業の内容を、学校側に確認していたことが発覚した。
文科省は今月1日、市教委に対し、前川氏が同省の組織的天下り斡旋(あっせん)問題で辞任したことや出会い系バーを利用していたことを指摘した上で、授業の内容や前川氏を講師として招いた経緯などについてメールで尋ねた。その際、授業内容の録音データがあれば提供するよう要請した。
4月
厚労省東京労働局長 「是正勧告」発言問題
・厚労省東京労働局長が記者会見で「皆さんの会社に行って、是正勧告してもいいんだけど」と発言し問題になった。厚労省東京労働局長は、12日後に更迭された。
勝田氏は3月30日の会見で、社員が過労自殺した野村不動産への特別指導の経緯の説明を求める記者に対し、「何なら皆さんのところ(に)行って是正勧告してあげてもいいんだけど」などと発言。昨年12月26日の会見で野村不動産への特別指導を公表した際は、前置きとして「プレゼントもう行く?」などと発言していた。これらの発言などを受けて国会に参考人として招致され、謝罪していた。
イラク派遣部隊 日報隠蔽問題
・「ない」とされていた陸上自衛隊のイラク派遣部隊の活動に関する日報が隠蔽されていたことが発覚した。
政府が「存在しない」としていた陸上自衛隊の日報がまた見つかった。防衛省が2日、陸自内での保管を明らかにしたイラク派遣時の日報。事実上の「戦地派遣」と言われたイラクでの活動を記した日報が公表されてこなかったことに、野党は反発を強めている。
加計学園 「首相案件」問題
・加計学園問題で柳瀬唯夫前首相秘書官が「本件は首相案件」などと発言したことが愛媛県や学園関係者と面会した際の文書から発覚した。
学校法人「加計(かけ)学園」が愛媛県今治市に獣医学部を新設する計画について、2015年4月、愛媛県や今治市の職員、学園幹部が柳瀬唯夫首相秘書官(当時)らと面会した際に愛媛県が作成したとされる記録文書が存在することがわかった。柳瀬氏が面会で「本件は、首相案件」と述べたと記されている。政府関係者に渡っていた文書を朝日新聞が確認した。
首相秘書官 野党議員へのヤジ問題
・佐伯耕三首相秘書官が国会にて、希望の党・玉木雄一郎代表にヤジを行ったとして問題となった。
玉木氏が首相に加計学園の計画を知った時期などをただしていると、佐伯氏は繰り返し発言。玉木氏によると「違う」「間違っている」などと繰り返したという。抗議を受けた佐伯氏は首相への助言だと説明し、首相も同調したが、玉木氏は「私じゃなくて総理に向かって言うべきだ」と指摘。佐伯氏は何度もうなずき、その後は首相に近寄って助言するように改めた。
厚労省局長 セクハラメール問題
・厚生労働省局長が女性社員に対し、セクハラを疑われるようなメールを送付していた。
厚労省によると、福田局長は女性職員に対し、勉強会に関連して食事に誘うなどセクハラが疑われるメールを複数送っていた。厚労省は2月末に、この職員宛てのメールを一切送らないよう口頭で注意した。
財務省事務次官 女性記者へのセクハラ発言問題
・福田淳一財務次官が取材をしていた女性記者に対しセクハラ発言をしたと報道され、音声も公表された。福田淳一財務次官はセクハラを認めず辞任を表明した。
政府が4月24日の閣議で、週刊新潮がセクハラ疑惑を報じた福田淳一・財務省事務次官の辞任を了承したと、毎日新聞などが報じた。
12日発売の同誌が、福田氏が複数の女性記者にセクハラ発言を繰り返していたと、発言を録音した音声データなどもあわせて報道。福田氏は報道の内容を否定したが、「次官としての職責を果たすことが困難になった」と、18日に麻生太郎財務相に辞任を申し出ていた。
自衛官 野党議員への暴言問題
・幹部自衛官が、民進党の小西ひろゆき議員に対し、「お前は国民の敵だ」と罵声を浴びせた。
防衛省は、今月16日に現役の自衛官が民進党の小西洋之参院議員をののしった問題で調査の結果を明らかにしました。この自衛官は安保法制の採決を巡る小西議員の行動などに違和感を持っていて、ランニング中に偶然出会った際、「国のために働け」「気持ち悪い」「馬鹿」とののしったと説明しています。ただ、小西議員が主張する「国民の敵」という発言は否定しています。この結果を受けて小西議員は「国民の敵」という暴言を「組織ぐるみで隠蔽する動きではないか」と批判を強めています。
野党の審議拒否で「解散発言」も話題に
野党が審議拒否を行う中、自民党の森山裕国対委員長が「内閣不信任決議案が提出されれば解散も一つの選択肢だ」と述べたことが話題となっている。
野党の審議拒否で国会の混乱が長引く中、自民党は25日、衆院解散・総選挙の可能性をちらつかせて手詰まり状態の打開を図った。折しも野党陣営は、民進、希望両党による新党結成などで離合集散の途上。自民党側は、野党の選挙準備や共闘構築は進んでいないとみて、揺さぶりをかけた格好だ。これに対し、立憲民主党など6野党は安倍政権の退陣を求めて抗戦する構えだ。