アメリカのニューヨークを訪れている安倍総理大臣は、今月28日に召集される臨時国会の冒頭に衆議院を解散する方向で、帰国後、最終調整を進める意向。
安倍総理大臣は、これに先立って今月25日に記者会見し、解散に踏み切る理由を説明する方針である。
衆議院解散とは
衆議院解散(しゅうぎいんかいさん)とは、大日本帝国憲法下の帝国議会と日本国憲法下の国会において、総選挙を行うために衆議院を解散すること。解散によりすべての衆議院議員は、任期満了前に議員としての地位を失う。
衆議院解散一覧
日本国憲法下の衆議院解散一覧
解散の年月日 | 解散時の内閣 | 主な通称 | 選挙 |
1948年12月23日 | 第2次吉田内閣 | 馴れ合い解散 | 第24回 |
1952年8月28日 | 第3次吉田内閣 | 抜き打ち解散 | 第25回 |
1953年3月14日 | 第4次吉田内閣 | バカヤロー解散 | 第26回 |
1955年1月24日 | 第1次鳩山内閣 | 天の声解散 | 第27回 |
1958年4月25日 | 第1次岸内閣 | 話し合い解散 | 第28回 |
1960年10月24日 | 第1次池田内閣 | 安保解散 | 第29回 |
1963年10月23日 | 第2次池田内閣 | 所得倍増解散 | 第30回 |
ムード解散 | |||
予告解散 | |||
1966年12月27日 | 第1次佐藤内閣 | 黒い霧解散 | 第31回 |
1969年12月2日 | 第2次佐藤内閣 | 沖縄解散 | 第32回 |
1972年11月13日 | 第1次田中内閣 | 日中解散 | 第33回 |
1979年9月7日 | 第1次大平内閣 | 増税解散 | 第35回 |
一般消費税解散 | |||
1980年5月19日 | 第2次大平内閣 | ハプニング解散 | 第36回 |
1983年11月28日 | 第1次中曽根内閣 | 田中判決解散 | 第37回 |
1986年6月2日 | 第2次中曽根内閣 | 死んだふり解散 | 第38回 |
寝たふり解散 | |||
1990年1月24日 | 第1次海部内閣 | 消費税解散 | 第39回 |
1993年6月18日 | 宮澤内閣 | 嘘つき解散、 | 第40回 |
政治改革解散 | |||
1996年9月27日 | 第1次橋本内閣 | 小選挙区解散 | 第41回 |
新選挙制度解散 | |||
名前なし解散 | |||
2000年6月2日 | 第1次森内閣 | 神の国解散 | 第42回 |
ミレニアム解散 | |||
2003年10月10日 | 第1次小泉内閣 | マニフェスト解散 | 第43回 |
構造改革解散 | |||
2005年8月8日 | 第2次小泉内閣 | 郵政解散 | 第44回 |
2009年7月21日 | 麻生内閣 | 政権選択解散 | 第45回 |
2012年11月16日 | 野田内閣 | 近いうち解散 | 第46回 |
2014年11月21日 | 第2次安倍内閣 | アベノミクス解散 | 第47回 |
小泉内閣以降の解散の動き
第1次小泉内閣 マニフェスト解散
2003年10月10日に行われた衆議院の解散で、国政選挙で初めて各党が政権公約(マニフェスト)を掲げて争うきっかけになった。
第2次小泉内閣 郵政解散
2003年8月8日に行われた参議院本会議で郵政民営化関連法案が否決された。
郵政法案が否決された際は、衆議院を解散すると明言していた小泉純一郎内閣総理大臣は、当日午後2時から、緊急の自由民主党役員会を開催した。
会議上小泉首相が衆議院解散の意思を表明し、また同時に衆議院で反対票を投じた全議員に自由民主党の公認を与えず、郵政民営化賛成派候補を擁立することを命じた。
麻生内閣 政権選択解散
第45回衆議院議員総選挙にて自由民主党中心の政権か、民主党中心の政権かを選択する選挙となったことから、選挙後におおむね定着したと考えられる。
麻生首相は21日朝、衆院解散を決めた閣議で、「未来に向かい、安心で活力ある社会を責任を持って実現しなければならない。国民のさらなる理解が必要で、国民の信を問うため解散を決断した」と述べた。
野田内閣 近いうち解散
2012年11月16日に行われた衆議院解散の事。野田佳彦・第95代内閣総理大臣が、2012年8月に「近いうちに解散する」と表明したことから「近いうち解散」と呼ばれている。
野田首相(民主党代表)は解散後、首相官邸で記者会見し、「解散の理由は、『近いうちに国民に信を問う』との約束を果たすためだ」と語った。「近いうち」の約束をした8月8日の自公両党との党首会談から、ちょうど100日後の解散となった。
衆院解散、首相「近いうち」約束から100日後 : ニュース : 衆院選2012 : 衆院選 : 選挙 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
第2次安倍内閣 アベノミクス解散
2014年11月21日、安倍晋三首相は2014年4月の消費税増税による予想以上の景気の落ち込みで、アベノミクスの継続を問うとして衆議院を解散。
「アベノミクスを前に進めるのか、止めてしまうのか、それを問う選挙だ。私たちの経済政策が間違っているのか、正しいのか、ほかに選択肢があるのか国民にうかがいたい」と語り、アベノミクスの是非が衆院選の最大の争点になるとの見通しを示した。
2017年 衆議院解散の通称は?
ないない尽くし解散
臨時国会の召集日は通例、天皇陛下が出席する開会式と、首相の衆参両院本会議での所信表明演説が行われる。翌日以降にこれに対する各党の代表質問を両院で実施した後、予算委員会の審議に移る。今回は、所信表明、内閣との質疑はおろか、開会式さえも行わない。“ないない尽くし解散”に野党は猛烈に反発している。
いきなり解散
私はこうした「いきなり解散」には反対だ。首相が自分の所属政党に有利な時に解散総選挙を行なえる現在の制度に賛成できない。
沈黙の解散
野党は8月の内閣改造後も森友、加計学園問題などを究明するため臨時国会の開催を要求してきたが、政権は応じてこなかった。このままでは戦後初めて、国会の本格論戦を経ない新内閣による「沈黙の解散」となる。
https://mainichi.jp/senkyo/articles/20170921/k00/00m/010/148000c
出直し解散・モリカケ隠し解散
北朝鮮危機に直面する政府与党が体制固めの「出直し解散」をアピールする一方、野党や一部マスコミは首相と自民党の個利個略・党利党略優先による「モリカケ隠し解散」と厳しく批判する構えだ。
25日 記者会見で解散方針を正式発表
安倍首相は9月28日衆議院解散の方向をほぼ固めたといわれ、テレビや新聞などのマスコミで様々な解散の通称が使用されている。
また、本来なら政権交代を狙うべき野党側が「大義がない」という言葉で安倍晋三政権を批判する声が目立つ。なぜ、大義という抽象的な概念を振りかざし、解散に後ろ向きの姿勢をにじませるのか。
安倍首相は25日に記者会見を開き、解散方針を正式に発表する見通しだが、何を語るのか注目が集まる。