25日に安倍総理の解散の宣言があるということで、にわかに23日以降、いわゆる小池新党への参加をめぐり、様々な動きが見られた。
総選挙前 新党参加の候補者たち
一番のインパクトは小池都知事自身の代表就任であろうが、もう一つ、自民党の現職副大臣である福田峰之氏の参加表明も大きなインパクトがあったと言えるだろう。
安倍総理は自民党が総選挙で勝利出来ると踏んで解散を打とうとしているにもかかわらず、その自民党の現職副大臣が自民党の看板で立候補しないというのであるから、なかなかのインパクトである。
小池新党参加で当選の可能性を高める
ただし、福田氏の選挙区事情や自民党内部の規定を考えると、あながち不思議なことでもない。福田氏の小選挙区での対抗馬は民進党の江田憲司氏である。全国的な知名度を誇る江田氏に対して、これまで福田氏は一度も小選挙区で勝利したことがない。聞くところによれば、自民党では、連続して比例復活の議員については、次の総選挙では比例区の重複立候補を認めないというきまりがあるようだ。このまま総選挙に突入となれば、福田氏は江田氏と比例復活の可能性がない中で厳しい戦いを強いられ、そうであるならば小池新党での選挙の方が当選の可能性があると判断したのかもしれない。
この他、日本のこころの中山恭子参議院議員も新党への参画を表明した。さらに、民進党からも松原仁衆議院議員が新党への参画を表明して、民進党への離党届を提出した。
新党参画でも勝ち抜くのは困難?
断続的に新党への参画者が現れる状況にあるが、新党に参画を表明している現職議員の顔ぶれを見ると、選挙に強いのは細野豪志衆議院議員のみと言って良く、他は直近の選挙で小選挙区において勝利していたとしても僅差の勝利であったり、福田峰之衆議院議員のように比例復活であったりする。小池都知事にあやかり、票を伸ばすことが出来ると踏んでの新党参画かもしれないが、例えば自民党・民進党・新党と候補者が出た場合、この中で新党の候補が勝ち抜くのは困難を極めるだろう。
それぞれ、自らの選挙についての情勢判断に基づいた行動であると考えられるが、郵政解散の際に自民党から公認を得られなかった議員、さらに民主党が政権から転落する際に民主党から他の党に移った議員のその後を見ると、結局、目の前の選挙のことだけを考えて政党から出ていった者の先には茨の道が待っている。