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衆議院総選挙に向けて民進党の体制も整いつつある?!

 

 先週末、にわかに解散へ向けた動きが加速し、週明けには10月10日公示22日投開票という具体的な日程まで取沙汰されるようになった。

 

 

自民党にとって最適なタイミングでの選挙なのか

 

 安倍総理が解散に踏み切る理由についても様々なものが取沙汰されている。その一つに野党側の体制が整っていないということが言われている。

 
 確かに、民進党は代表が変わったばかりであり、細野・若狭両議員による新党結成の話もまだ十分には固まっているようには見えない。

その他の野党についても、いざ総選挙となったときに、どれだけ候補者を集めて戦うことになるのかというところからして不透明な状況にあると言えるだろう。
 そういう意味では、野党の体制が整っておらず、与党にとっては最適な時に選挙を行うということになるのかもしれない。

 

自民党は準備不足が懸念される

 

 ただ、体制が整っていないという意味では、自民党も同様であろう。現段階で、そもそも選挙の大義となる争点すら示せていない。現職議員を多く抱えるため、候補者には困らないかもしれないが、特に当選回数が少ない議員などは十分な選挙準備が出来ている状況にはないだろう。野党候補が決まっていない選挙区では、少々油断しているむきもなくはない。

 

民進党は数多くの選挙区で公認候補が決まっている

 

 では、本当に民進党は体制が整っていないのだろうか。
 先頃から離党者も出ており、その離党者の選挙区についてどのような対応を取るのか定まってはおらず、その点では体制は整っていないとも言えるが、一方で、公認候補が既に決まっている選挙区も少なくない。

 

 民進党の現職の衆議院議員は89名。さらに、既に次期衆議院議員選挙について公認を得ているのが、約130名。合計で約220名が候補者となることが想定される。


改正された公職選挙法により、次の衆議院議員選挙の小選挙区数は289。この中には、小泉進次郎議員の神奈川11区や安倍総理の山口4区のように、いわゆる保守の地盤が強固な選挙区もある。また、旧民主党と他の野党の間で候補者調整が行われて、旧民主党が候補者を立ててこなかった香川3区のような例もある。それら候補者を擁立しても当選が困難であったり、候補者調整を行うことによって候補者を擁立してこなかったりした選挙区の存在を考えると、かなりの数の選挙区につき、既に民進党の候補者が揃っていることになる。


 もちろん、いまだ候補者未定の選挙区や公認候補がいても準備が十分に出来ていない選挙区もあるだろう。一方で、先の総選挙での落選以来、捲土重来を期して、地道に地元での活動を続けている神奈川7区の中谷一馬氏のような候補者も少なからず存在している。

 

 全般的に見れば、野党は準備不足に見えるかもしれないが、最低限の体勢は整えているとも言え、与党も甘く見ていると足をすくわれかねない選挙区が多数あり、心してかかる必要があるだろう。