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2017年政党交付金を試算 自民党は5年連続トップ 共産党は受け取り拒否

 

今年、国から政党に交付される政党交付金の総額について、今回の衆院選の結果を踏まえて、報道各社が試算した。 

 

 

 

 

 

衆院選結果を受けて2017年の政党交付金を試算

 

政党交付金とは

 

政党交付金(せいとうこうふきん)とは、政党の活動を助成する目的で国庫から交付される資金。日本においては政党助成法に基づいて一定の要件を満たした政党に交付される。なお、政党が政党要件を満たさなくなっても政治団体として存続する場合には、政党であった期間に応じて特定交付金が交付される。政党助成金(せいとうじょせいきん)とも呼ばれる。

政党交付金 - Wikipedia

 

 

交付の対象となる政党の条件


政党交付金の交付の対象となる政党

 

・国会議員を5名以上有する政治団体である

・国会議員を有し、かつ、前回の衆議院議員総選挙の小選挙区選挙若しくは比例代表選挙又は前回若しくは前々回の参議院議員通常選挙の選挙区選挙若しくは比例代表選挙で得票率が2%以上の政治団体である。

※ただし、法人格を取得していない政党には交付されない。

 

 

各政党への交付額の算出方法

 

政党交付金の総額は、国勢調査の人口×250円で出た額を基準に、国の予算で決まる。各政党に交付される政党交付金の額は、政党に所属する国会議員の数と、前回の衆院選、前回と前々回の参院選の得票数によって決まる。毎回1月1日を基準日として算出し、年4回に分けて交付される。衆院選、佐人選が行われた場合は、選挙後に選挙基準日が設けられ、交付額を算定し直す。

 

 

各党の政党交付金 今年1年の総額は?

 

各政党の今年1年の総額

政党名 金額
自民党 176億200万円
民進党  78億8,500万円
立憲民主党 4億3,700万円
希望の党 5億300万円
公明党 31億400万円
日本維新の会 10億5,900万円
自由党 3億7,700万円
社民党 3億9,200万円

 

自民党は5年連続で最も金額が多く選挙前の金額とほとんど変わらなかった。民進党は当初より8億円3,300万円減少した。希望の党は、立憲民主党より議員数は少ないが、小選挙区の得票数が多かったため、立憲民主党の金額を上回った。

 

 

共産党は政党交付金を受け取っていない

 

日本共産党は以下の理由から政党交付金の受け取りを拒否し、助成金の廃止を提案している。

 

日本共産党が政党助成金を受け取らず、制度の廃止を強く主張しているのは、次の理由からです。

1、国民には政党を支持する自由も、支持しない自由もあります。政党助成金とは、国民の税金の「山分け」ですから、支持していない政党にも献金することを事実上強制する、「思想及び信条の自由」をふみにじる憲法違反の制度だからです。

2、政党の政治資金は、国民とのむすびつきを通じて、自主的につくるべきものです。税金からの分けどりは、この本来のあり方に根本的に反し、政党の堕落と国民無視の政治を助長する制度だからです。

 「政党助成金も企業・団体献金も受け取らない党だから信頼できる」という声は、国民の中に広くあり、有権者の個人献金を基本とする日本共産党の財政活動は、国民の日本共産党への信頼の大きな源泉となっています。

 一部に「うけとって有効に使えば?」との意見もありますが、憲法違反のお金を受けとること自体が、国民への背信行為になります。また、制度の廃止をめざす世論の結集にも逆行することになると、私たちは考えています。

 有権者一人一人が個人献金によって政治活動を支えるという、あたりまえの姿を実現してこそ、政治が本当に国民のものになるのではないでしょうか。

日本共産党が助成金を受け取らないのはなぜ?

 

 

残った交付金はどうするのか

 

政党交付金を使いきらなかった場合や、政党が解散などをした場合、残金の返還を義務付けている。しかし、全ての党で残金が繰り越され、残高が年々増加している。また、政党交付金の使途は決まっておらず制限がないため、人件費の名目で、議員の家族の食事代などに使用されていることも問題となっている。

 

国から各政党に支払われた政党交付金が使われないまま貯蓄され続け、2016年末時点で前年比13%増の総額212億円超に上ることが分かった。総務省が22日公表した16年分の政党交付金使途等報告書で判明した。国の補助金は原則、余剰金を国へ返還するよう義務づけるが、政党交付金は繰り越しが認められ、残高は年々増加傾向にある。使途に制限がないことへの問題も指摘され、専門家は「制度改革を次期衆院選の争点に」と訴える。

https://mainichi.jp/articles/20170923/k00/00m/010/041000c

 

 

民進党の政党交付金は返納すべき?

 

菅官房長官は衆院選で民進党が分裂した際、民進党の繰越金を国庫に返納するべきだと述べた。

 

民進党は2017年度に148億円の繰越金が出る見通しで、同党関係者によると、資金の一部を希望の党や立憲民主党への参加予定者を含め「各選挙区支部長に2日付で1500万円を振り込んだ」という。
菅氏は「みんなの党は解党したときに国庫に返したのではないか」と指摘した。政党交付金の使い道に関し「使途報告の公開を通じて国民が監視する制度に委ねるべきだ」と述べた。

民進の政党交付金「国庫に返納すべき」 官房長官 :日本経済新聞