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注目選挙区、東京選挙区の行方は!?

 

 

 

令和の未来を占う参院選
いよいよ参議院選挙の火蓋が切って落とされた。

 

3年に一度半数が改選される参議院。今回もやはり注目選挙区は首都・東京選挙区だろう。3年前から定数が1増え6議席となったことから、前回に引き続き多くの候補者が立候補届を提出した。今回は6つの議席を20人が争うことになる。

 

丸川珠代候補と武見敬三候補の現職二名の再選を狙う自民党。4選を狙う山口代表を擁立する公明党。対する野党は、3年前の改選時に民進党(当時)が2つの議席を獲得したことから、元都議の塩村文夏候補と山岸一生候補二名の新人を擁立した立憲民主党、共産党は1名の現職、このほか、国民民主、社民、れいわなどが1名の新人を擁立した。

 

 

 熾烈な6番手争いも注目


3年前の参院選東京選挙区の結果から考えれば、自民党の現職2名、公明党の山口代表、共産党の吉良候補の当選は固い。さらには民進党から分裂したなかで最も支持率の高い立憲民主党から1名の当選が見込めるだろう。ここに残る1議席を、立憲の二人目、国民、維新、れいわの各党公認候補が争うということになるだろう。

れいわといえば、6年前、選挙前の予想を覆し議場への切符を手にした山本太郎の姿を覚えている人も多いはず。

 

今回の選挙前までは、山本候補の東京選挙区での立候補が予想されていたため、6議席の枠組みはほぼ固まっていたと見られていた。実際、JX通信車の米重代表は報道で、公示前情勢分析でこうした見方を示していた。ところが公示直前になって、東京選挙区ではなく比例区からの出馬を表明したため、6議席目の争いはかなり激しいものになると予想される。

 

6番目に手が届くかどうかとされていた立憲民主党の山岸生候補、日本維新の会の音喜多駿候補、国民民主党の水野素子候補にも、当選の芽が出てきたというのだから、各党力の入れようも変わってくるだろう。

 

東京都議を辞職して北区長選に落選して今回参院選に名乗りを上げた音喜多候補は、参院選に落ちれば次は都知事選に出ると発言していて少しネットを賑わした。まさかとは思うが、仮に音喜多候補が当選しても2020年夏の都知事選に立候補するなんてことを言いだすかもしれないとしたら、実は7位の座を獲得することも決して悪い話ではないかもしれない。

 

 

各党に選挙区議席獲得のチャンスがある


当選ラインは50万票ほど。6議席に増えた3年前、6位に滑り込んだ民進党の小川議員は50万8000票でバッジを手にしており、それ以前も次点は50万から60万票台だった。

都市部に強いとされてきた旧民主党(前回の民進党含む)の流れをくむ立憲としては、前回トップ当選を果たした二重国籍でおなじみの蓮舫議員が獲得した100万票と小川議員が獲得した50万票を合わせた150万票を二人の新人候補が分け合えるかが注目点になる。

 

維新も、3年前に田中康夫氏が獲得した46万票、6年前も元アナウンサーの小倉淳氏が獲得した41万票といった基礎票の数字から、当選ラインに手が届く可能性を秘めている。

国民民主党は、6番手争いで厳しい戦いを強いられているものの、共産党との共闘を前提とする立憲民主党とは異なる健全な野党としての姿勢がどこまで有権者に支持されるかが注目だ。人材的にもJAXA出身とあって、能力の高さは期待が持て、単なるから騒ぎには終わらないだろう。

 

 

「現政権」か「健全な野党」か「野党共闘」か


最多6議席を奪い合う熱戦が繰り広げられる東京選挙区。投票行動の肝は、大きく3つあるといえる。一つは「現政権の支持」。自民党あるいは公明党支持者としては大きな異論はないはず。これで6議席のうち3議席は確定する。ここに無党派層の票がどのように動くのか。現政権を補完する意味での消極的支持の意味を込めて維新を選ぶ、あるいは健全な対立野党を育てるという意味で家計第一の国民民主党を選ぶ。

 

一方で、単なる左派勢力の結集を望む支持層が、立憲民主党、社民党、れいわ新選組を支持していくことになるだろう。共産党は改選1議席の確保は間違いない。

6議席あるだけに、今回の参院選全体の縮図とも言える選挙区だけに残りの選挙戦、東京選挙区からは目が離せない。