北朝鮮が8月29日早朝に今年13回目、9月15日に今年14回目となるミサイル発射を断行。
全国瞬時警報システム(Jアラート)による情報伝達が行われ、北海道から長野まで東北地方を中心に注意が呼び掛けられた。
大規模なJアラート発動は初めてで列島は騒然となった。
北朝鮮ミサイル発射は「日本に対する挑戦」 : 深読みチャンネル : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
Jアラートとは
全国瞬時警報システム(ぜんこくしゅんじけいほうシステム、通称:J-ALERT(Jアラート:ジェイアラート))は、通信衛星と市町村の同報系防災行政無線や有線放送電話を利用し、緊急情報を住民へ瞬時に伝達する日本のシステムである。2004年度から総務省消防庁が開発および整備を進めており、実証実験を経て2007年2月9日から一部の地方公共団体で運用が開始されている。
Jアラートの仕組み
弾道ミサイル情報、津波警報、緊急地震速報など、対処に時間的余裕のない事態に関する情報を内閣官房、気象庁から消防庁経由で送信し、市町村防災行政無線(同報系)等を自動起動することにより、国から住民まで緊急情報を瞬時に伝達するシステム。
(参考:https://www.fdma.go.jp/html/intro/form/pdf/kokuminhogo_unyou/kokuminhogo_unyou_main/leaf_j-alert.pdf)
Jアラートで配信される情報
情報の種別 | 区分 |
1.弾道ミサイル情報 | ◎ |
2.航空攻撃情報 | ◎ |
3.ゲリラ・特殊部隊攻撃情報 | ◎ |
4.大規模テロ情報 | ◎ |
5.その他の国民保護情報 | ◎ |
6.緊急地震速報 | ◎ |
7.大津波警報 | ◎ |
8.津波警報 | ◎ |
9.噴火警報(居住地域) | ◎ |
10.噴火速報 | ◎ |
11.気象等の特別警報 | ◎ |
12.東海地震予知情報 | ○ |
13.東海地震注意情報 | ○ |
14.震度速報 | ○ |
15.津波注意報 | ○ |
16.噴火警報(火口周辺) | ○ |
17.気象等の警報 | ○ |
18.土砂災害警戒情報 | ○ |
19.竜巻注意情報 | ○ |
20.記録的短時間大雨情報 | △ |
21.指定河川洪水予報 | △ |
22.東海地震に関連する調査情報 | △ |
23.震源・震度に関する情報 | △ |
24.噴火予報 | △ |
25.気象等の注意報 | △ |
区分の凡例 |
◎:同報無線等を自動起動するもの |
○:市町村の設定により同報無線等を自動起動 |
△:同報無線等を自動起動させないもの |
北朝鮮ミサイル発射において Jアラートのトラブル
情報伝達のトラブル
人為的ミスによるトラブル
政府は29日、北朝鮮のミサイル発射を受け、全国瞬時警報システム(Jアラート)を通じて、北海道や青森県など12道県の617市町村に情報を伝えたが、総務省消防庁は少なくとも7道県16市町村で情報伝達にトラブルがあったことを明らかにした。
NTTドコモではソフトウェアのトラブル
NTTドコモは9月12日、8月29日に北朝鮮がミサイルを発射した際、北海道の一部エリアに住むドコモユーザーが、Jアラートなどの緊急速報「エリアメール」を受信できていなかったことを発表した。原因は、無線設備のソフトウェアの不具合で、9月13日早朝に修正したソフトウェアに更新する予定。
受信できないスマートフォンの可能性も
弾道ミサイルの発射などを携帯電話などに知らせる「Jアラート」について、政府は11日、受信可能な端末や、受信できない場合の対策を説明する資料(PDF)を公開した。SIMロックフリーのAndroid端末では受信できない可能性があるとし、「Yahoo!防災アプリ」など代替手段の利用を呼び掛けている。
スマートフォンの受信設定方法や非対応の場合の対処方法
緊急速報メールに対応しているスマートフォンは、Jアラートによる情報を受信できる。受信するには設定をオンにしておく必要がある。
その他トラブル
避難場所がわからない
北朝鮮による弾道ミサイル発射を全国瞬時警報システム(Jアラート)で29日早朝に知らされた12道県では、住民から「どこに逃げればいいのか」といった問い合わせが自治体などに相次いだ。学校が閉鎖していたため警察署に身を寄せた家族連れや、避難場所を求めてきた住民に急きょ役場のロビーを開放した自治体も。
避難に使える時間が短い
最初の「発射情報」が発表されたのは6時2分。発射時刻は5時57分と見られていることから、発射後5分ほどで情報を発表したことにはなる。ただし、多くの国民にその情報が行き渡るかどうかというと、話は別だ。スマホで“速報”が実際に受信できたのは1~2分遅れだった。
アラートが作動したら
国が求めている避難行動は、屋外にいる場合はできる限り頑丈な建物や地下に避難▽建物が近くにない場合は物陰に身を隠すか地面に伏せて頭を守る▽屋内にいる場合は窓から離れるか窓のない部屋に移動する--の三つ。
文言改善で問い合せゼロに
9月15日早朝、今年14回目となるミサイルが発射された。
前回「どこに避難したらいいかわからない」などと改善を求める意見が出されたため、Jアラートの文言を見直した。
「どこに避難すれば良いのか」。前回、青森県防災危機管理課には住民からの問い合わせが寄せられたが、今回はゼロ。担当者は「文言が分かりやすくなった効果だ」と歓迎する。