連日、情勢の変化は激しく、2日には、民進党の枝野幸男代表代行が新党「立憲民主党」を結成することを発表した。希望の党へ合流しない民進党の候補者の受け皿となることが想定され、直ぐに菅直人元首相が参画を表明したと伝えられている。
今後、どの程度の数がこちらの立憲民主党へ参画することになるのかは不透明であるが、希望の党への合流しない候補者も一定数いると見られる。枝野氏が新党結成を表明したということは、枝野氏が中心となるということであり、先の民進党代表選で枝野氏を応援した議員らが主に集まることになりそうだ。
目指すは政権交代 自公が有利な擁立は避ける
対して、希望の党は公認を何段階かに分けて発表する予定のようである。誰をどの選挙区で公認候補とするのかで、選挙戦の構図も大きく変わる。希望の党へ合流せず、枝野氏の立憲民主党に参加した候補者につき、その選挙区に必ず希望の党が対立候補を擁立するのかというと、そういうわけでもないだろう。自民(公明)・立憲民主・希望の三つの党から候補者が出た場合、自民(公明)の候補が有利になるからだ。希望の党は政権交代を目指すと伝えられており、そうであるならば、現在の政権与党である自民党と公明党を利するような候補者擁立は避けたいところである。
枝野氏の下に集う候補者については、希望の党側にとって元々受け入れがたい人物であったのかもしれない。それでも、立憲民主党の候補者を落とすために、その候補者の選挙区で希望の党の候補者を擁立すれば、結局、与党側の候補者を利することになる。候補者擁立において、現実的な判断が出来るのかどうか。自民党と公明党の強力な選挙協力体制に対抗するのは簡単ではない。それは、先の総選挙で、民主・維新・みんな・共産の各候補が票を奪い合い、結果として自公の候補が勝利したことを思い出せば明らかである。
既に、大阪の小選挙区では希望の党は小選挙区で候補者を擁立せず、対して、日本維新の会は東京の小選挙区で候補者を擁立しないという棲み分けを行うことで合意している。
選挙戦の構図を決め戦うための準備を!
公示日まで残された時間は少なく、候補者を集め、選挙戦を戦うための最低限の準備をするだけでも精一杯というのが現状だろう。政権与党に対応する選挙戦の構図をいかに作り上げるのか。希望の党と立憲民主党という二つの「野党」勢力が登場するなかで、いずれの党にあっても、現実的な対応が求められている。
早期に選挙戦の構図を決め、自民党と公明党の強力な選挙協力体制に対峙していく必要がある。