大臣や副大臣の参加を見送る
2月22日には竹島の日だ。
竹島の日については、昨年もここで取り上げたが、その根拠は島根県が制定した条例による。
22日には、竹島のある島根県で竹島の日の記念式典が行われる。
この式典を政府主催で実施するという公約を自民党は以前掲げていたが、それはひっそりと取り下げられてしまったようで、安倍政権下では式典に政務官が派遣されるだけに留まっている。
今年は、少しは事態が進展するのか、注目したいところだが、18日の会見で領土問題担当の衛藤晟一大臣は今年も政務官の派遣にとどめる考えを明らかにしている。
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衛藤大臣曰く、衛藤大臣自身か副大臣の出席を検討していたようだ。しかし、官邸との調整の結果、例年通りに政務官の派遣にとどめるという判断に至ったという。
どこまで本気で検討したのか分からないが、記事によれば、以下のようにも答えているところを見ると、そこまで真剣に検討したようには思いづらい。
「竹島の問題は領土問題として何とかしないといけないが、新たな戦略も方向も定まっていない以上、例年通りやることが望ましい」
新たな戦略も何も、竹島はわが国の固有の領土であるという大前提には変わりはないはず。竹島の日の式典に大臣が出席することに何の問題があるだろうか。
よもや不法占拠を続けている韓国側に配慮したということなのかもしれないが、主張すべきことを主張しないから余計に問題解決が遠のいているように思えてならない。こちらが主張をしなければ、たとえ相手方の主張が間違っていても、その主張を認めたことになってしまう。そうやって、どんどん日本の立場を悪くしていることに、なぜ気付かないのだろうか。
領土問題に毅然とした対応を
本年1月に、虎の門三井ビル一階に「領土・主権展示館」が本格オープンした。これは超党派の議連である領土議連の活動の成果のひとつである。
議連の事務局長を務める国民民主党の渡辺周衆議院議員など、その成果をアピールしている。
もともと、展示館は日比谷公園内の市政会館に置かれていたが、施設の耐震工事の関係で退去を迫られ、移転先を探していた。そういう中で、今回本格オープンすることになった虎の門三井ビルへの移転が決まったわけだが、この移転で展示規模が7倍になる。
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この「領土・主権展示館」に対して、韓国からは抗議声明が出された。
その際には、衛藤大臣は毅然と、韓国関係者も見学をするように要請し、具体的な議論をしようとも呼び掛けている。
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この時のように、竹島の日の式典についても、毅然とした対応を取れば良いと思うが、なぜそれが出来ないのだろうか。
国会審議では、安倍総理が一向に挙証責任を果たさないため、「桜を見る会」に関わる疑惑の追及がなされ、国会外では新型コロナウイルス感染症の感染者増加が止まらない。
このような状況にあって、領土問題への関心は確実に低下している。疑惑を追及する野党に対して、「他にやることがある」と冷や水を浴びせかける人がいるが、そういう人の中でも領土問題への関心は低いと言わざるを得ない。
このままでは、今年も竹島の日の式典は例年通りに、政府からは政務官の派遣があるのみで、あとは与野党の議員が来賓として出席するだけに終わってします。
どんな時でも日本国政府として毅然とした態度を。
コロナウイルス感染症の一報が中国から入ってきて以降の入国者の管理も他国と比べると日本は緩やかなものであったようだが、領土・領空・領海に対して今一度その管理のあり方、そして日本としての立場を明確にすべきである。