東京都、大阪府、愛知県は14日「税収を収奪することを意図した不合理なものだ」として、野田聖子総務相に、地方消費税配分基準の見直しの再考を求める要請書を提出した。
地方消費税とは?
地方消費税(ちほうしょうひぜい)は、地方税法(昭和25年7月31日法律第226号)に基づき課される税金であり、普通税の一つの間接税の一種に分類される。
なお、税法上、消費税と地方消費税の総称は消費税等と呼ばれる。 この消費税等の税率は、2014年4月1日以降は「消費税6.3% + 地方税1.7%相当 = 8%」である。
消費税率の内訳
平成元年、消費税の税率は3%で導入された。平成9年4月1日、消費税率は5%に引き上げられ、5%のうち、国税部分が4%、地方税部分が1%と決められた。平成26年4月1日、消費税率が8%に引き上げられ、8%のうち、国税部分が6.3%、地方税部分は1.7%と定められた。
消費税率 | 国税部分 | 地方税部分 |
5% | 4% | 1% |
8% | 6.3% | 1.7% |
地方消費税の問題点
割り当て分の配分比率は、販売額75%、人口17.5%、従業者数7.5%で算出する。地方の住民が都市部で買い物をすると、販売額は都市部に計上される為、大都市に消費税収が偏ってしまう。
都道府県ごとの地方消費税
1番低い沖縄県と1番高い東京都では1.6倍の差がある。
都道府県 | 地方消費税 |
沖縄県 | 81.9 |
埼玉県 | 82.7 |
奈良県 | 83.1 |
千葉県 | 83.5 |
滋賀県 | 87.9 |
三重県 | 88.2 |
茨城県 | 88.3 |
兵庫県 | 89.2 |
神奈川県 | 89.5 |
和歌山県 | 90.2 |
山口県 | 93.6 |
岡山県 | 95.7 |
愛媛県 | 95.8 |
徳島県 | 95.9 |
岩手県 | 96.4 |
岐阜県 | 96.4 |
青森県 | 96.7 |
大分県 | 96.7 |
山形県 | 96.9 |
島根県 | 97.2 |
鹿児島県 | 97.5 |
長崎県 | 97.7 |
佐賀県 | 98 |
福島県 | 98.3 |
新潟県 | 98.3 |
宮城県 | 98.6 |
熊本県 | 99.5 |
高知県 | 99.7 |
鳥取県 | 99.8 |
群馬県 | 99.9 |
宮崎県 | 100.3 |
福岡県 | 100.5 |
栃木県 | 101.7 |
広島県 | 101.8 |
秋田県 | 102.1 |
富山県 | 102.1 |
山梨県 | 102.6 |
福井県 | 103.8 |
長野県 | 104.3 |
静岡県 | 104.5 |
愛知県 | 104.5 |
香川県 | 104.6 |
京都府 | 105.2 |
北海道 | 105.3 |
大阪府 | 105.7 |
石川県 | 106.4 |
東京都 | 130.4 |
全国 | 100 |
人口一人当たりの地方消費税(平成27年)
奈良県は消費税収が低いが他県での購入割合が高いため、県内で買い物をするように呼びかけている。
県税務課によると、消費税8%のうち、1・7%が県と市町村の収入となる地方消費税だが、県の1人あたりの地方消費税収額は平成24年度は全国ワースト2位。また、21年の全国消費実態調査によると、県民の県外での購入割合は全国1位という。
総務省 地方消費税の配分方法見直しで報告書を公表
大都市からは地方消費税の配分を都道府県の人口重視で見直すことについて「地域の消費性向や購買力などを無視したもの」と批判する声が上がっている。
地方消費税に関する総務省の有識者検討会は21日、2018年度税制改正で焦点になっている地方消費税の配分方法見直しの報告書を公表した。税収を配分する三つの基準のうち、従業員数基準を廃止。消費額基準の割合を下げ、人口基準の割合を上げる。