トランプ米大統領は20日、北朝鮮を9年ぶりに「テロ支援国家」に再指定することを決めたと発表した。
トランプ米大統領 北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定
「テロ支援国家」とは
アメリカ合衆国政府に判断された、国際的なテロリズム組織に対し資金や物資などを援助している国家。特にイラン・スーダン・シリア。北朝鮮は2008年に一度指定解除されている。
テロ支援国家(テロしえんこっか、英: State Sponsors of Terrorism)とは、テロ行為を行っているか、或いはテロリストに関連しているとアメリカ合衆国政府に判断された国家のこと。合衆国法典第50編2405条に基づき、国務省が指定を行っている。1979年12月29日に最初のブラックリストが作成され、以後、更新が続けられている。
現在指定されている国は?
現在指定されている国は4か国で、1979年の指定開始以降、指定され続けているのはシリアのみである。
国名 | 指定された日付 |
シリア | 1979年12月29日 |
イラン | 1984年1月19日 |
スーダン | 1993年8月12日 |
北朝鮮 | 1988年1月に指定。2008年10月11日解除。2017年11月20日に再指定。 |
過去に指定されていた国
国名 | 指定された日付 | 解除された日付 | 解除理由 |
南イエメン | 1979年に指定 | 1990年 | 北イエメンとの統合し国家が消滅した為。 |
イラク | 1979年 | 1982年 | 1990年クウェート侵攻を受け再指定。イラク戦争後のイラク暫定政権発足を受け2004年に再度指定解除。 |
リビア | 1979年 | 2006年 | その後国交正常化。 |
キューバ | 1982年3月1日 | 2015年5月29日 | 国交正常化交渉の加速に向けて指定解除。 |
指定されるとどうなるのか
指定されるとアメリカの輸出管理法により、次の措置がとられる。
・指定国への武器などの輸出、販売が禁止される
・指定国の軍事力、テロ支援能力を著しく増強する可能性のあるものや、サービスの輸出について30日前の議会への通知義務
・指定国への経済援助が禁止される
・指定国への国際金融機関の融資などが規制される
安倍総理 北朝鮮の「テロ支援国家」再指定を歓迎
安倍総理は北朝鮮の「テロ支援国家」再指定を「北朝鮮に対する圧力を強化するもの」として支持した。
アメリカのトランプ大統領は、核・ミサイル開発などをめぐって、国際的な批判が高まる北朝鮮を9年ぶりにテロ支援国家に再び指定したと発表しました。
これについて、安倍総理大臣は21日朝、総理大臣官邸に入る際に記者団に対し、「わが国は、米国による北朝鮮のテロ支援国家再指定を北朝鮮に対する圧力を強化するものとして歓迎し支持する」と述べ、アメリカ政府の決定を支持する考えを示しました。
日本への影響は?
北朝鮮が「テロ支援国家」に再指定されたことで拉致被害者の家族から、拉致問題解決を導く強力な「圧力」となることを期待する声が上がった。加藤勝信拉致問題担当相は米国の決断を評価し、「一つの契機として、拉致被害者の帰国に向け、全力で取り組んでいきたい」と述べた。
米国が北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定したことを受け、拉致被害者の家族からは21日、拉致問題解決を導く強力な「圧力」となることを期待する一方、日本自身のさらなる取り組みの強化を求める声が相次いだ。
【北朝鮮情勢】拉致被害者家族はテロ支援国家再指定を「確かな前進」と評価も、日本の主体的な取り組みを注視(2/2ページ) - 産経ニュース