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【2017年総選挙】小池百合子は現代版2大政党制を創れるか?

 

 

2017年10月6日(金)の中日新聞の県内版「考える選ぶ10.22衆院選あいち」のコーナーで民主党のブレーンとして知られた後房雄氏がコメントを寄せた。

 

 

周知の通り、我が国における2項対立は戦後「保守」対「革新」の構図が連綿と継続しており、ちょうど冷戦期における「自由主義」対「社会主義」の構図とマッチしたことから「自由民主党」対「共産党(を中心とした複数の左派の集まり)」が出来上がった。

 

 

一方で、1990年代以降、旧共産圏の崩壊に伴い共産主義的や社会主義的な思想は否定され、そもそもポストモダンにおいて「保守」対「革新」の2項対立は成り立ち得ない状況に陥ったのである。

それにもかかわらず、その後今回の解散総選挙まで、自由民主党を主とする保守政党とその他の革新(左派)政党との対立構図を維持してきた。

 

 

2009年の政権交代を果たした民主党(現:ギリギリ民進党)は政権交代のために、保守派(右派)と革新派(左派)と合流することで議席数を獲得し、自民党を野党に追いやったが、その当時も保守(自由民主党)対革新(民主党)の構図は変わらなかった。

 

 

後房雄氏は記事の中で、

 

冷戦時代の保守対革新の対立は終わっている。日本ではいまだ二大政党制の対立軸が自由や民主主義(西側)と社会主義(東側)と見られがちだが、イタリアを除く欧米各国は西側のなかに二大政党が属する。つまり、保守対保守だ。安全保障や会見などで両党に差が無いとの批判は的外れだ。(記事引用

 

 

とコメントしている。

 

つまり、現代政治の二大政党制の在り方は「保守」対「革新」なのではなく、「保守」対「保守」なのである。

 

その意味で、民進党の代表である前原誠司が小池百合子率いる希望の党にそそのかされたかどうかは別として、ようやくグローバルスタンダードの二大政党制政治への第一歩を踏み出したのである。

 

 

現在、「民進党を離党して希望の党の公認を貰えなかった候補者たちを小池百合子が排除した」と自由民主党の広報誌である読売・産経新聞や、左派寄りの朝日新聞といったマスメディアが中心となって批判するが、そもそも未だに保守政党と革新政党が共存する政党を存続させ、「保守」対「革新+保守」といった選択肢を国民に提示することこそ、国民に対して非合理的な提案を行っているのである。

 

www.sankei.com

 

www.yomiuri.co.jp

 

dot.asahi.com

 

 

民進党を離党し、希望の党に合流できなかった(或いは合流しなかった)議員が徒党を組み枝野幸男が代表となり立憲民主党(枝野幸男オフィシャルサイト 立憲民主党衆議院議員)を設立した。

 

 

こうした一連の動きを受け、政権選択から3極になったとの報道も相次いだ。

 

www.jiji.com

 

 

これは、我が国にとって、素晴らしい動きである。

というのも、これで革新を名乗る少数政党が合流して、わかりやすくなるからだ。立憲民主党も社会党も共産党も野党共闘の中で一緒に合流した方が有権者からしたどこに投票すべきかがわかりやすい。

 

 

「保守」対「保守」の対立構図は安全保障や改憲の政策の方針において両党において差があまり見られないことは上述の後房雄氏の指摘の通りであり、その中で「保守」対「保守」の争点を問われると、

 

 

争点は挑戦する側がつくらなければならない。自公政権を代え、自分たちに政権を託すべきだと、説得力をもって有権者に説明しなければならない。英国で保守党から労働党に後退した時、ブレア首相が「教育」を口にしたように、野党が対立軸に何を選ぶかで、政治的なセンスが問われる。勘良く見つけられたら政権交代が起きる。(記事引用

 

ともコメントしている。

 

 

今回、小池百合子率いる希望の党は【9つの公約】と【12のゼロ】を打ち出した。

 

www.ksmgsksfngtc.com

 

 

今回の自由民主党の公約と比較してどのような2項対立をつくりだし、争うのか。

現状のところ両党の違いは、

 

 

① 原子力発電の必要性の有無

自民党:存続

希望の党:2030年までに全て廃止

 

② 憲法改正

自民党:憲法9条を改正して自衛隊を軍隊として明記する。

希望の党:憲法9条を含めて憲法改正の論議を行うが、主たる論点は国民の知る権利と地方分権を明記する。

 

上記の2点であろう。

 

具体的な方法論や、政策の中身が判然としない状況でどちらが優れているかは、判断できないが、国民からの支持を多く得るために保守政党同士が争点を明確に絞り、わかりやすい選挙が行われることを期待したい。