霞が関から見た永田町

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橋下徹氏が国民民主党に合流したら?

 

 

 

「2万パーセント出馬の可能性はありませんよ」。かつて、そう言い切っていた男が急転直下、大阪府知事選に立候補して、世間をあっと言わせた。それが橋下徹氏の政治のスタートである。大阪維新の会の代表として、そして大阪都構想実現の大目標のために大阪市長として、リアリズムを追求する橋下徹氏は、安倍政権とは徹底した協調路線を貫いた。大阪政界においては自民党を否定しつつも、大阪自民党と安倍政権はあたかも異なる自民党であるかのように。こうした変幻自在な部分を備えているのが橋下徹という政治家だ。
未来のことは誰にも分からない。分からないが、筆者は橋下徹氏の国民民主党合流の未来が訪れるような気がしてならないのである。国民民主党と小沢自由党の合流の先に見えてくる未来だ。今、メディアを見ていると、やれ「小沢氏は国民民主党のお金を狙っている」とか、「小沢氏に党が壊される」とか、ネガティブなことしか出てこない。

 

 

メディアや永田町の反応は織り込み済み


果たして、こういう反応は玉木氏も小沢氏も当然、織り込み済みだろう。こうした永田町の反応と、それを煽るメディアの構図が理解できない二人ではあるまい。それでもなお、今回、二人が急接近した以上、その先にもっと大きな絵を描いていると見るのが自然だ。
もとより橋下氏と小沢氏の関係は悪くない。これまでにもたびたび、会食の報道があったほどである。橋下氏と玉木氏は同世代で、あい通じるところも多いだろう。これまでにもtwitterで橋下氏が玉木氏に噛み付いたり、あるいは対応を褒めたり、様々な形で反応している。
世間はまさか、と思うかもしれない。しかし、よく考えれば、玉木-小沢-橋下ラインは驚くほど、すっきりするのだ。今の政界を見渡したときに、自民党に変わり得る保守系政党はなくなってしまった。だからこその安倍一強なのである。

 

 

経済政策を打ち出したから躍進したみんなの党


かつて、みんなの党が無党派層だけを基盤に、あれだけ短期間で成長を遂げたかといえば、中道保守の立ち位置を取りながら、規制緩和などによる経済成長戦略をしっかりと打ち出した、経済政党、都市型政党だったからだ。
今、このポジションがぽっかりと空いている。立憲民主党は旧社会党よろしく、このポジションは取れないだろう。とにかく政権に噛み付くことだけが存在意義のようになってしまっている。「増税の前にやるべきことがある」、非常にキャッチーなフレーズで、選挙のたびに勢力を拡大していった、みんなの党。
橋下氏は常々、「安倍政権のいいところはちゃんと評価したほうがいい。なんでも否定はダメだ」と言っている。これは永田町ではなかなか支持を得られない言葉だが、有権者の心を代弁している。今の野党は「なんでも反対」に見えるから、胡散臭く見えてしまうのである。

 

 

橋下氏に求められる役割


それよりも、認めるところは認めた上で、安倍政権が結局手付かずだった、「第三の矢」をどうするか、日本の生産性をどう高めていくか、知識集約型社会へ移行しつつある世界的な状況にあって、日本をどうしていくのか、というグランド・デザインを提示してきたら、それは一気に国民の期待へとつながるだろう。
残念ながら玉木氏はまだ発信力が弱いが、小沢氏も橋下氏もその発信力は抜群である。そして永田町では半ば常識ではあるが、立憲民主党なんかよりも、国民民主党の方がずっと優秀な国会議員が多いのもまた、事実。
お金もある。人材もいる。政策もある。今の国民民主党に唯一足りないのは発信力と爆発力だ。まさに鶏が先か、卵が先か、の議論と同じで、回り始めれば、その燃料となる材料(人材、お金、政策)はすでに備えているのが国民民主党だ。問題は回り始めていないこと。今回の小沢氏の合流の先に、橋下氏合流という絵があったとしたなら・・・・。

 

 

玉木氏は腰を据えて臨む覚悟なのではないか?


玉木氏は様々な場面で、組織、地方議員、党内ガバナンスをしっかりと整えないと長続きしないといっている。彼の若さは大きな武器だ。5年計画、10年計画で事に臨めば、いよいよ本当に意味で、自民党と国民民主党という二大保守政党による適度な緊張関係を生み出すことができるだろう。橋下氏の動向はとにかく、見逃せなくなってきった。