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キャッシュレス推進の中で新紙幣を刷新を発表 目的やデザインは?韓国メディアからは批判の声も

 

9日、麻生太郎財務相は20年ぶりに新紙幣を刷新すると発表した。偽造防止が大きな理由で、最新の偽造防止策が施される。肖像画には、渋沢栄一、津田梅子、北里柴三郎が用いられる。

 

www.bloomberg.co.jp

 

 

 

 

新紙幣刷新の理由やデザインは?

 

目的は最新の偽造防止技術の反映

 

日本の貨幣の偽造防止技術は世界トップクラスと言われている。新紙幣には、さらに発達した偽造防止技術を施す。

 

現在施されている偽造防止技術とは?

 

「さわって」
わかる偽造防止技術
・深凹版印刷
・識別マーク(深凹版印刷)
「すかして」
わかる偽造防止技術
・すきいれ(白黒すかし)
・すき入れバーパターン
「傾けて」
わかる偽造防止技術
・ホログラム
・潜像模様
・潜像パール模様
・パールインキ
・光学的変化インキ
「道具で」
わかる偽造防止技術
・マイクロ文字
・特殊発光インキ
その他

・コピー機やスキャナでの

 読み取りに対し有効な技術

・機械処理における真偽判断

参考:独立行政法人 国立印刷局 - お札の偽造防止技術~現在発行されているお札~

 

新紙幣に施される予定の偽造防止技術

 

・現行の「すきいれ」をより高精細なものにする

・一万円札、五千円札に導入されているホログラムを大きくする

・千円札にもホログラムを新たに使用する

 

 

新紙幣のデザインは?

 

新紙幣のデザインは以下のとおり。

これまでは漢数字が大きく表記されていたが、新紙幣では洋数字の方が大きく表記されており、外国人が使用する際にもわかりやすいようになっている。

 

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新紙幣の肖像画は?

 

新紙幣の肖像画は、一万円札が渋沢栄一、五千円札が津田梅子、千円札が北里柴三郎となり、二千円札は流通が少ないことから変更は行わないこととなった。

麻生財務大臣は肖像画となった3人について「新たな産業の育成、女性活躍、科学技術の発展など現代にも通ずる諸課題に尽力されており、新元号のもとで新しい日本銀行券にふさわしい人物だと考えている」と語った。

 

一万円札「渋沢栄一」

 

一万円札の表は、「資本主義の父」と呼ばれた実業家の渋沢栄一。

ウラは東京駅丸の内駅舎。

渋沢 栄一(しぶさわ えいいち、天保11年2月13日(1840年3月16日) - 昭和6年(1931年)11月11日)は江戸時代の武士、官僚、実業家。第一国立銀行や東京証券取引所、一橋大学、東京経済大学などといった多種多様な企業、学校の設立・経営に関わり、「日本資本主義の父」ともいわれる。武蔵国榛沢郡血洗島村(現埼玉県深谷市血洗島)出身。

渋沢栄一 - Wikipedia

 

五千円札「津田梅子」

 

五千円札の表は、日本初の女子留学生で、近代的な女子高等教育の先駆者である津田梅子。

ウラは藤の花。

津田 梅子(つだ うめこ、元治元年12月3日(1864年12月31日) - 昭和4年(1929年)8月16日)は、日本の教育者。日本における女子教育の先駆者と評価される。女子英学塾(のちの津田塾大学)創立者。

津田梅子 - Wikipedia

 

千円札「北里柴三郎」

 

「近代日本医学の父」といわれる医学博士の北里柴三郎。

ウラは葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」

北里 柴三郎(きたざと しばさぶろう、1853年1月29日(嘉永5年12月20日) - 1931年(昭和6年)6月13日)は、日本の医学者・細菌学者である。貴族院議員・従二位・勲一等・男爵・医学博士。

北里柴三郎 - Wikipedia

 

 

五百円硬貨も新デザインに 

 

新紙幣発行の2年後の2021年には五百円硬貨も新デザインになる。こちらも、偽造防止を目的に素材を変更し、2色の色を使ったものになる。

 

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キャッシュレスを推進している中で新紙幣の発行

 

キャッシュレス決済を推進している中で、5年後に新紙幣が発行される。日本のキャッシュレス決済比率は18%で、海外に比べ遅れているが、政府はキャッシュレス比率を高める目標を掲げているため、今回が最後の紙幣刷新となる可能性もある。

 

国民民主党・玉木代表はTwitterで「そろそろ紙の話もいいが、本当にキャッシュレスやデジタルエコノミーを革新的に進めるなら、法定通貨「円」そのものの電子化の議論こそ聞きたい。」と述べた。

 

みずほ総合研究所の高田創氏は「今後20年を考えると世界的に現金の保有や利用が減り、日本でも紙幣が使われなくなるだろう」とみる。経産省は時期を明示していないが、将来的にはキャッシュレス比率を80%まで高める目標を掲げている。紙幣の需要が減っていくなかで、今回が実質的に最後の紙幣刷新になる可能性は否定できない。

お金の未来どこへ キャッシュレス時代の新紙幣 :日本経済新聞

 

 

渋沢栄一の採用に韓国メディアからは批判の声も

日本政府が新1万円札に実業家渋沢栄一の肖像画を採用すると発表したことを受け、韓国メディアは9日、渋沢が「日本の帝国主義時代に朝鮮半島の経済を奪い取った主役だった」と強調した。

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