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安倍総理主催 「桜を見る会」の問題の追及は終わらない 誰が招待されたのかが焦点に

 

 

 

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事態の泥沼化で逃げ切りを図ろうとする安倍政権

 

 「桜を見る会」に関して日々深まる疑惑。その真相究明のために、異例とも言える野党からの国会会期の延長提案まであった。

 

this.kiji.is

 

 

 会期の延長はなされずに、少なくとも今国会では、安倍総理らによる説明はこれ以上なされないことになる。
 困ったときには逃げるのが安倍総理のいつもやり方で、丁寧に説明すると言いながら、一方で国会の場での説明からは逃げる。ここ数年、何か疑惑があれば繰り返されてきた安倍総理の得意の方法と言ってもよく、今回もそうやって逃げおおせようと考えておられるのかもしれない。
 一方で、菅官房長官は連日の記者とのやりとりで、破綻が目立つ応答を繰り返している。例えば、「バックアップデータは行政文書ではない」といった発言など、もはや常軌を完全に逸しているとしか思えず、屁理屈にもならない理屈を無理やりに強弁しているような状況に陥ってきた。

 

www.jiji.com

 

 

 あちらを立てればこちらが立たず。こちらを立てればあちらが立たず。最初に、野党の求めに応じて招待者名簿を公表することはしないと決めてしまった手前、その後は嘘に嘘を重ね、相反するような理屈を無理やり並び立てて開き直る。官僚はその対応に追われる。これまでも何度も繰り返し見てきた光景だ。
 例えば、森友学園や加計学園の問題でそうであった。重要な資料はないと答える。そもそも記録すら取っていないと言い、あげくは公文書を改竄までさせる。当然、野党は追及をするものの、嘘が誠になるとばかりに、安倍総理らは嘘に嘘を重ね、その嘘を裏付けるように官僚に様々な弥縫策を練らせ、いつのまにか追及している野党の方が問題であると言わんばかりの状況にまで事態を泥沼化させる。こうなってしまえば、政権の思うつぼで、実際にあとは有耶無耶になって、「追及している野党がだらしない」と言った意見まで出るような、そんな倒錯した状況を作ることにまで安倍政権は成功してきたのだ。

 

 

招待者に問題が隠れている

 

 今回の「桜を見る会」の問題でも、これまでの方法を踏襲して逃げ切りを図ろうとする様子が随所に垣間見える。臨時国会を閉じてしまえば、この後は年末年始の行事も挟み、年明けの通常国会開会までは1か月以上の間が空く。国会さえ閉じてしまえば、そのうち話題にもならなくなるだろうと踏んでいる節が安倍総理に周辺から透けて見えるのだ。

 

 ただ、その見立ては、おそらく少し甘い。というのも、「桜を見る会」の問題については、招待者の選定や当日のイベント実施に関わり、数々の派生する疑惑が生じているからである。
 例えば、マルチ商法で多数の被害者を出した「ジャパンライフ」の元会長に招待状が送られて、その招待状を使って勧誘がなされていたという疑惑があるが、その他のマルチ商法でも「桜を見る会」が利用されていたことが報じられている。

 

bunshun.jp

 

 

 この疑惑を報じた週刊文春の同じ号には、「「桜を見る会」飲食受注業者は昭恵夫人の親友だった 安倍政権になってから1.2億円を独占受注」という記事も掲載されている。

 

headlines.yahoo.co.jp

 

 

 毎週の「文春砲」炸裂といったところだが、まだまだこの種の疑惑が続いて出てきそうな予感がある。
 なぜならば、招待者名簿の公開を何としても避けたいという一身での言動が菅官房長官に目立つからだ。おそらく大半の招待者は安倍総理をはじめとした政治家による推薦であったということ自体が問題視されることがあったとしても、その人物に何か大きな問題があるというわけではないはずだ。それこそ、大半は自民党国会議員を支援している地元の名士たちといったところで、氏名が公表されたところで、大半の人は困りもしないだろう。
 それでも公表しないのは、ごく一部とは言え、精査をすると問題がある人物が紛れ込んでいたからであるという説明が一番合理的である。当然、菅官房長官は招待者名簿を確認しているはずで、だからこそ、説明にもならない説明を無理に行ってまでも、招待者名簿の公表を避けようとするのだ。

 

 

招待者名簿にある問題人物を探せ

 

 招待者名簿が明らかとなれば、その中から問題人物を探す作業が始まってしまい、それは場合によっては政権の存亡にも関わるスキャンダルに発展しかねない。既に、マルチ商法の関係者や反社会的人物を招待していた可能性があることをもって、安倍総理らの責任が追及される事態に発展しているが、さらに新たな招待者が明確になれば、別のスキャンダルに発展してしまうかもしれない。そんな危惧を抱いているからこその招待者名簿の秘匿ということなのだろう。
 招待者名簿を何としても公開しろと迫っても、廃棄したとか、バックアップデータもないとか、バックアップデータは行政文書ではないので公表できないとか、色々と理由をつけてくるだろう。そうであるから、この際、野党は地道に誰が招待者だったのか洗い出す作業をしてはどうだろうか。
 特に、ジャパンライフの件ではないが、「桜を見る会」を悪事に利用した人物はその痕跡をどこかに残しているはずである。あるいは、一瞬かもしれないが、「桜を見る会」当日の映像などに、そういう人物が写っていないとも限らない。
 官僚を呼んで説明をさせても、およそまともなやりとりすら不能な状況にまで陥っている。

 

buzzap.jp

 

 

 国会が閉じることから、野党議員にも時間が出来ることだろうから、その時間を利用して独自の調査を行い、そこで発見した新事実をもって、「桜を見る会」の真相に迫ってもらいたいものである。