8日、学校法人「日本航空学園」が長年無断で使用していた国有地を、財務省関東財務局が評価額を大幅に下回る価格で売却したとする報道を受け記者会見を行った。日本航空学園理事長の梅沢茂雄氏は、交渉の際の「政治家の関与は一切ない」と述べた。
日本航空学園とは?
学校法人日本航空学園(がっこうほうじんにほんこうくうがくえん)は、山梨県甲斐市に法人本部を置く学校法人。山梨在郷軍人航空研究会に端を発する。航空会社の日本航空(JAL)とは無関係。
現在の理事長は?
現在の日本航空学園の理事長は梅沢重雄氏である。
梅沢 重雄(うめざわ しげお、1952年10月10日 - )は、日本の教育者、実業家。
梅沢重雄氏は、2013年7月 第23回参議院議員通常選挙比例区にみんなの党から立候補し、9位で落選した。
問題となっている国有地とは?
山梨県甲斐市の旧農道などの約6500平方メートルの国有地である。約50年前に整備された滑走路などの敷地の一部でパイロット養成用に使用されている。
平成24年に会計検査院が国有地の処理促進を求めた。その後、26年に学園側が国有地の存在の申告を行ったため交渉が再開された。日本航空学園は、民法で認められた使用から20年以上の「時効取得」や教育目的で使用されていることを理由に無償取得を要求した。最終的に、財務局が28年5月に提示した1008万円で合意、契約をした。当初の相続税評価額は約7180万円であった。
財務省は「妥協するしかなかった」と釈明
日本航空学園側は、50年に渡り土地を占有しており「時効取得」を主張できる。そのため財務省幹部は「妥協するしかなかった」と釈明しているが、無断使用を把握しておきながら時効を中断させる手続きを行っていなかった。また、日本航空学園理事長の梅沢重雄氏は「法律に基づき手続きを進めており、落ち度はない」と述べている。森友学園同様の国有地売却問題に、財務省や政府を疑問視する声が上がっている。
立憲民主党の枝野幸男代表は、学校法人「森友学園」の国有地売却問題の質疑の際、「政府の国会での説明がおかしかったと会計検査院が結論を出した。おかしな説明をしていた人が長官をやっている」と指摘。財務省理財局長として政府答弁を行った佐川宣寿国税庁長官の辞任を求めた。