2018年3月、スポーツ庁の有識者会議は、運動部活動の総合的なガイドラインを作成した。部活動のやりすぎを防ぐため義務教育の中学校を対象に作成したが、原則として高校生にも適用される。
問題となっているブラック部活とは?
部活動は生徒の自主的・自発的な参加により行われるものである。しかし、部活動への入部を強制したり、勉強をする時間がないほど長時間拘束をする部活動などがある。また、教師にも授業準備の時間が取れない、休みが取れないなど負担となっている。
ブラック部活(ブラックぶかつ)もしくはブラック部活動(ブラックぶかつどう)とは、生徒の意思を無視して部活動に入部を強制させたり、生徒の人格を否定するような暴言や、体調を崩すほどの長時間拘束をするクラブ活動ことである。
作成されたガイドラインの内容は?
ガイドラインには、適切に休養を取ることが必要であることを理解することや、女子の成長期における体と心の状態等に関する正しい知識を得た上で指導することなどが明記されている。また、成長期である生徒がバランスの取れた生活を送ることができるよう適切な休養日の設定について明記されている。
適切な休養日等の設定
○ 学期中は、週当たり2日以上の休養日を設ける。(平日は少なくとも1日、土曜日及び日曜日(以下「週末」という。)は少なくとも1日以上を休養日とする。週末に大会参加等で活動した場合は、休養日を他の日に振り替える。)
○ 長期休業中の休養日の設定は、学期中に準じた扱いを行う。また、生徒が十分な休養を取ることができるとともに、運動部活動以外にも多様な活動を行うことができるよう、ある程度長期の休養期間(オフシーズン)を設ける。
○ 1日の活動時間は、長くとも平日では2時間程度、学校の休業日(学期中の週末を含む)は3時間程度とし、できるだけ短時間に、合理的でかつ効率的・効果的な活動を行う。
教員の働き方改革が必要とされている
部活動は時間外労働として行われるため、部活動時間の見直しは生徒の勉強時間の確保以外に教員の働き方改革にもなる。6割の教員が過労死ラインを超えて時間外労働を行っており、教員の働き方改革が求められている。
東京都教育委員会が9日に公表した都内公立学校の「教員勤務実態調査」で、「過労死ライン」に達する週20時間以上の残業をしていた中学校教諭が7割近くに達したことが分かった。土日の部活動指導に多くの時間を割いているのが主な原因とみられる。都教委は来年度の予算編成で、部活動指導員の活用などを要求した。
自民党教育再生実行本部は主幹教諭の配置を検討
自民党の教育再生実行本部は、学校の働き方改革に向けた取り組みを安倍総理大臣に申し入れる。全公立小中高校などへ主幹教諭の配置を行い、管理職の負担軽減や学校運営への効率化を目指す。
教員の束ね役として、校長や教頭らをサポートする主幹教諭の全公立小中高校などへの配置が盛り込まれる方向だ。学校組織のマネジメント力を強化し、校務の効率化を進めるよう求める。
自民党教育再生実行本部とは
教育再生実行本部(きょういくさいせいじっこうほんぶ)は自由民主党内にある組織のひとつである。