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「桜を見る会」の疑惑は続くよ、どこまでも

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菅官房長官、違法を認める

 1月9日の会見で、菅官房長官は「桜を見る会」の招待者名簿をめぐって、それを管理する内閣府が2013~17年度分について「行政文書ファイル管理簿」に記載していなかったことを明らかにした。
 公文書管理法では、管理簿への記載を義務付けており、内閣府が違法状態を続けていたことになる。しかし、会見で、違法ではないのかとの問いかけに対して菅官房長官は正面から回答をしなかった。
 いずれにしても、記載していなかったことを認めた以上、違法な状態であったことを認めたのとほぼ同義だ。

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 そして、「桜を見る会」をめぐる違法に関する話は続く。
 1月10日の会見で、菅官房長官は「桜を見る会」の2013~17年度分の招待者名簿を廃棄する際に、法律が定める首相による事前同意を得ていなかったことを明らかにした。

www.jiji.com

 

 この廃棄の件については、違法であったことを菅官房長官は認めている。
 対象は同じ2013~17年度分の招待者名簿であり、管理も廃棄も違法なやり方をしていたことになる。
 もちろん、きちんと管理せず廃棄してしまったと言われたところで、それは俄かには信じがたい。
 今回、「桜を見る会」に関する疑惑に注目が集まったので、管理簿への記載を取りやめ、そして廃棄してしまったのではないかとの疑念が当然に浮かぶところだ。

 

 

掘れば掘るだけ疑惑が出てくる

 さかのぼって1月7日には、「桜を見る会」での飲食物提供や設営の業務を2018年に請け負った二つの企業の関係者と内閣府の職員が入札公告前の2019年1月に打ち合わせをしていたことも明らかになっている。

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 一部では、総理の昭恵夫人と近しい関係にある企業であるとも報じられている。

www.nikkan-gendai.com

 

 昭恵夫人と企業の関係はさておき、入札前に役所と企業の関係者が打ち合わせを行い、その企業が落札してしまう。そこに不正の疑いが当然に生じる。

 

 もちろん、入札案件について、その応募要項を練るために企業と役所の担当者が事前に接触することはないわけではない。ただ、そういう場合は、事前に接触する企業は募集要項を練るための業務を受けるかたちにする。事前にそのような業務を請け負った企業は当然に入札には参加出来ない。実際には応札はせずに、落札するのは別の企業ということになるようにしているのだ。
 そうせずに、募集方法の検討にも関わった企業が入札にも参加できるとなれば、その企業が圧倒的に有利になってしまう。
 しかし、今回はまさに「事前相談をした会社=落札した会社」だったのだから、何とも質が悪い。公共入札で圧倒的に有利な立場にある企業が存在したとなれば、それは当然、その周囲に様々な不正の影がちらつくというものだ。

 

 

通常国会は疑惑の追及で冒頭から波乱必死?

 年明け早々明るみに出ることになった「桜を見る会」に関する新たな疑惑。それらは、根底ではつながっていないのではないだろうか。
 総理や自民党の支援者などが「桜を見る会」に招待される。その招待された人たちの中には、公共入札で優先的な地位を与えられている人もいる。だから、後ほど精査されると困るので、違法であっても名簿は破棄する。そんなところなのではないだろうか。
 止まるところを知らない「桜を見る会」の疑惑。20日から通常国会が始まることが予定されているが、さらに新たな疑惑が泥縄式に出てくるのではないだろうか。
 IRに関する疑惑を含めて、今年の通常国会は冒頭から波乱必死である。