8月15日は終戦記念日である。内閣改造後の主要閣僚の靖国神社参拝はあるのか!?また、辞任した前防衛相稲田朋美氏は昨年に引き続き参拝するのか注目していきたい。
そもそも靖国神社とは
靖國神社は、東京都千代田区九段北にある神社である。
九段坂の坂上に東面して鎮座し、日本の軍人、軍属等を主な祭神として祀る。勅祭社で旧別格官幣社。元来は東京招魂社という名称であったが、後に現社名靖國神社に改称された。
主要閣僚の靖国神社参拝はしばしば問題となる
国家神道の代表的施設であり、日本の内閣総理大臣や国務大臣の公式参拝が、しばしば中華人民共和国や大韓民国から非難され国際問題化する。
靖国神社に参拝する国会議員の会も存在
「靖国神社に祀られている過去に行われた戦争(戊辰戦争・日清戦争・日露戦争・大東亜戦争など)の英霊の御霊達を、国会議員みんなで参拝しよう」という趣旨で1981年(昭和56年)に結成された。
終戦60年には日本会議主催で様々な催しが行われた
戦後60年の節目にあたる2005年(平成17年)8月15日、靖国神社境内では様々な催しが行われた。神社外苑では、午前10時30分より「戦後60年国民の集い」(主催みんなで靖国神社に参拝する国民の会・日本会議・英霊にこたえる会)が行われた。
何故問題視されるのか
戦争被害を受けた中国や韓国は、靖国神社にA級戦犯が合祀されていることを理由として、日本の政治家による参拝が行われる度に批判反発している。もっとも、1979年4月にA級戦犯の合祀が公になってから1985年7月までの6年4月間、大平正芳、鈴木善幸、中曽根康弘が首相就任中に計21回参拝をしているが、1985年8月に中曽根首相が参拝するまでは、非難はされていなかった。
A級戦犯合祀問題とは
A級戦犯合祀問題とは、第二次世界大戦後の連合国による極東国際軍事裁判において、拘置中に死亡、ないし刑の執行ないし刑期中に死亡した者について、靖国神社の祭神として合祀されていることに関する論争。
靖国神社の主な問題:政教分離
靖国神社を国家による公的な慰霊施設として位置づけようとする運動があり、及びそれに付随して玉串奉納等の祭祀に関する寄付・奉納を政府・地方自治体が公的な支出によって行うことなどに関し、日本国憲法が定める政教分離原則と抵触しないかとする問題。これを問題とする人々は、内閣総理大臣・国会議員・都道府県知事など公職にある者が公的に靖国神社に参拝することが、第20条第1項において禁止されている宗教団体に対する国家による特別の特権であると主張している。
靖国神社の主な問題:歴史認識
靖国神社は、戦死者を英霊としてあがめ戦争自体を肯定的にとらえているのだから、同社の第二次世界大戦に対する歴史観を公的に追認することになる為、日本の閣僚は同戦争における対戦国に配慮し靖国神社に対する参拝を禁止・制限あるいは自粛すべきとする主張がある。特に極東国際軍事裁判で戦争犯罪人として裁かれた人々の合祀が適切か否かの議論がある。
小泉内閣以降の主要閣僚および議員の靖国参拝者を振り返る
2006年
小泉首相が靖国神社を参拝することは2001年就任以後、毎年一度ずつ行われ、6度目だ。しかし終戦記念日の参拝は周辺国の反発を考慮して避けて来たため、今回が初めてだ。また現職首相が終戦記念日に靖国神社を参拝したのは1985年中曽根康弘当時首相以後21年ぶりのことだ。
2012年
2009年の民主党政権発足後初めて閣僚が参拝。松原仁国家公安委員長、羽田雄一郎国土交通相。
7回目の終戦記念日を迎えた15日、松原仁国家公安委員長と羽田雄一郎国土交通相が都内の靖国神社を参拝した。2009年の民主党政権発足後、閣僚の靖国参拝は初めて。
2013年
安倍内閣閣僚は稲田朋美行政改革担当大臣、新藤義孝総務大臣、古屋圭司国家公安委員長、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」は自民党の高市早苗政調会長など合計で190名が参拝。
終戦から68年目を迎えた15日午前、東京都千代田区の靖国神社に、新藤義孝総務大臣、古屋圭司国家公安委員長がこれに参加し、午後には稲田朋美行政改革担当大臣も参拝するなど、3名の閣僚が相次いで参拝した。
超党派議員90名が靖国参拝、安倍内閣閣僚の姿も ~「みんなで靖國神社に参拝する国会議員の会」の靖国神社昇殿参拝と記者会見 | IWJ Independent Web Journal
2014年
稲田朋美行政改革相、新藤義孝総務相、古屋圭司国家公安委員長、自民党の野田聖子総務会長、高市早苗政調会長「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」は高市早苗政調会長や岸信夫外務副大臣を含む84人が参加。
稲田朋美行政改革相は15日午後、東京・九段北の靖国神社を参拝した。玉串料は有志議員でつくる「伝統と創造の会」として納め、「伝統と創造の会会長 衆議院議員」と記帳した。
2015年
萩生田光一・党総裁特別補佐(首相代理)、高市早苗総務相、古屋圭司前拉致問題担当相、有村治子女性活躍担当相、自民党の稲田朋美政調会長、山谷えり子国家公安委員長「みんなで靖国神社で参拝する会」は67人が参拝した。
2016年
山本有二農相(6日)、今村雅弘復興相(11日)、高市早苗総務相、丸川珠代五輪担当相、西村康稔・自民党総裁特別補佐(首相代理)、萩生田光一官房副長官、民進党の長島昭久元防衛副大臣、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」は67人が集団参拝。
高市早苗総務相と丸川珠代五輪相は15日午後、終戦の日にあわせて東京・九段北の靖国神社を参拝