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民進党の最大の支持母体である「日本労働組合総連合会」と民進党との関係に注目

 

9月1日、民進党は臨時党大会を開き、新代表に前原誠司元外相を選出した。

民進党新代表に前原誠司氏 | 2017/9/1(金) 14:21 - Yahoo!ニュース

 

 民進党の最大の支持母体とされる連合。その正式名称は、「日本労働組合総連合会」である。日本の労働組合の全国中央組織であり、社会党系の日本労働組合総評議会(総評)、民社党系の全日本労働総同盟(同盟)、全国産業別労働組合連合(新産別)、中間派の中立労働組合連絡会議(中立労連)の労働4団体が統一することによって結成された組織である。

 

「日本労働組合総連合会」とは

「働くことを軸とする安心社会」という理想を実現すべく、日々、活動している連合ですが、その活動範囲は非常に広範囲に及びます。連合の行動指針のひとつとしても策定されていますが、「平和・人権・福祉・環境・教育・安全に関する分野での社会貢献活動」にも、積極的に取り組んでいるのです。

支え合い、助け合う社会づくり|連合について


 組合員数を見ると、全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟(UAゼンセン)が100万人を超える最大勢力であり、以下、全日本自治団体労働組合(自治労)、全日本自動車産業労働組合総連合会(自動車総連)、全日本電機・電子・情報関連産業労働組合連合会(電機連合)、機械金属産業のJAM(JAM)と続く。民進党の参議院全国区選出の議員は、いずれかの組織の支援を受けた「組織内候補」である。


 現在、連合の会長は新日本製鐵の労働組合出身である神津里季生氏であり、蓮舫代表が辞任した次の日には、前原誠司氏が連合本部に訪れ、代表選出馬の意欲を神津代表に伝えたと報じられている。今回の民進党の代表選において投票権を持つ党員やサポーターには、連合の組合員も数多いとされており、その投票行動は選挙結果にも大きな影響を及ぼしそうだ。

 

日本労働組合総連合会の主な構成組合と出身議員

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https://mainichi.jp/articles/20160326/ddm/005/010/037000c

 

「日本労働組合総連合会」と民進党の関係

 連合は、その来歴から、社会党を支援してきたが、民主党結成以後は民主党を主に支援している。ただし、前原氏が前に民主党代表を務めた際には、前原氏が官公労との関係を見直すとの姿勢を示したため、連合との関係も冷え込んだとされている。その後、前原氏が代表を辞任し、小沢一郎氏が代表に就任した際に関係が修復された。そして、民主党が政権を奪取した際には、政権を積極的に支持する意向を示している。


 以後、連合は民進党になった後にも支持する姿勢を見せ、民進党の最大の支持母体と目されている。しかし、先の東京都議選では、連合東京が小池百合子知事の率いる「都民ファーストの会」の候補者を支援するなど、無条件に連合が民進党を支持している訳ではないようである。


 その擦れ違いは、原子力政策や共産党との野党共闘への考え方の違いに起因すると言える。連合には電力系労組も含まれており、「原発ゼロ」への反発がある。また、連合は共産党系の労働組合と闘争してきた経緯もあり、共産党との共闘には否定的である。

 

 代表選に出馬した際の前原氏の発言は、その連合の立場へ配慮したものになっていた。つまり、一日も早い「原発ゼロ」を目指すとする枝野氏に対して、「2030年代の原発ゼロを目指してあらゆる政策資源を投入する」と原発ゼロの前倒しには慎重な発言をし、さらに野党共闘についても、民進党が掲げる理念や政策を第一とするとし、野党共闘にも慎重な姿勢を見せた。

 

民進党最大の支持団体である連合の神津里季生会長が、党代表選(9月1日投開票)を機に共産党との共闘路線を見直すよう牽制(けんせい)している。30日の講演では、10月に行われる3つの衆院補欠選挙をめぐり、民進、共産両党による選挙協力に否定的な見解を示した。

【民進代表選】連合・神津里季生会長、民共共闘路線の修正要求 「労働運動は共産主義革命のためにあるわけではない」と強い忌避感(1/2ページ) - 産経ニュース


 
 支持母体の連合に対して、どのような関係を築いていくのか。次の民進党の代表に課された重要な課題である。