2日、自民党員がまとめたコンサートチケットなどの高額転売を規制するための新法の概要がわかった。
チケットの高額転売を規制
2020年、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、チケット転売規制が行われてきた。これまでのチケットを転売していた「ダフ屋」とは異なり、今では一般の人が定価で手に入れたチケットをオークションサイトなどで転売している。定価数千円のチケットが数万円以上で取引されることもあり、ビジネスのようになっている。
規制対象となるチケットは?
1.日時、場所、座席が指定されている。
2.主催者側が転売を禁止している。
3.主催者側が本人確認などの防止策を行っている。
この条件を満たすチケットを転売目的で入手したり、定価以上の価格で販売することを禁じる。
チケット転売のトラブル
転売されていたチケットを購入したが、代金を支払ってもチケットが届かないなどの詐欺や、入場時の本人確認により入場が出来ないなどのチケット転売に関するトラブルが増えている。中学生や高校生でも高額な値段で転売する目的でチケットを入手し、利益を得ている。また、転売防止に導入された電子チケットも、高額で取引されている。電子チケットは、第三者に転送ができないため、開演前に身分証と引き換えにスマートフォンを貸し出していた。
電子チケットの転売でスマートフォンを貸し出す
男が扱ったチケットには、紙に比べて不正が難しいとされる電子チケットもあった。購入者のスマートフォン(スマホ)に届き、第三者に転送できない仕組みだが、男はインターネットで買い手を募り、コンサート会場周辺でスマホを貸し出すという単純な方法で転売しようとした。販売会社側は「スマホの手渡しとは想定外だった」と驚きを隠さない。
転売目的で購入し逮捕
人気アイドルグループ「嵐」などのコンサートチケットを転売目的で他人に成り済まして購入したとして、京都府警は5日、電子計算機使用詐欺容疑で、陸上自衛隊の関東補給処用賀支処の防衛技官、永井博容疑者(43)=東京都中野区=を逮捕した。
チケット転売詐欺で女子中学生を逮捕
人気アイドルグループのコンサートチケットの売却を持ちかけ、代金を振り込ませたとして、徳島県警は11日、京都市に住む中学生の女子生徒(15)を詐欺の疑いで書類送検し、発表した。この事件をめぐっては、女子生徒が愛知県豊田市の専門学校生の女性(21)になりすまし、県警が当初、誤って女性を同容疑で逮捕し、19日間にわたって勾留していた。
オークションサイトや、チケット売買サイトでも規制強化
チケットの取引の場であるオークションサイトやチケット売買サイトでも、本人確認の徹底や、高額な値段で取引されているチケットなどを取り締まり、規制を強化している。
チケットキャンプ
出品枚数を制限するほか、本人確認を徹底することで、高額転売を繰り返す出品者を締め出す。
ヤフオク!
同社広報部によると、転売の判断基準を公開してしまうと、それを回避するための行為を誘発してしまうため、基準については非公開としている。また、今回の規約改定はヤフオク!単体での取り組みであり、ヤフーとメルカリが2017年9月に設立した「EC事業者協議会」とは関係ない動きだとしている。
政府は今まで取り締まりが困難だったインターネット上のダフ屋行為も規制対象とし、来月召集予定の通常国会に法案を提出する。