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「政党との相性診断(Yahoo!)」で主要政党の方針の違いが丸分かり。自民、公明、立憲、国民民主党などの違いは?

 

新聞各紙で主要政党の公約が掲載

7月2日に毎日新聞、産経新聞、日経新聞で参議院選2019に向けた主要政党の公約が掲載された。経済や暮らし、外交、憲法などについての各党の意見がまとめられている。しかし、共通のフォーマットがあるわけではないため、なかなか比較しにくいと感じる人も少なくないだろう。

そこで、多くのメディアは主だった項目についての比較表を作成している。例えば時事通信の以下の記事などは比較的簡潔にまとめられているが、もっとコンパクトな比較票があったので紹介したい。 

 

www.jiji.com

 

Yhaoo!参議院選挙特設の「政党との相性診断」

主な項目 自民 公明 立憲 国民 共産 維新 社民
憲法9条改正 中立 やや反対 やや反対 反対 中立 反対
高校無償化 賛成 賛成 やや賛成 賛成 賛成 賛成 賛成
年金支給開始68歳 反対 反対 中立 反対 反対 やや賛成 反対
消費税10%増税 賛成 賛成 反対 反対 反対 反対 反対
アベノミクス評価 賛成 賛成 反対 やや反対 反対 中立 反対
外国人労働者増加 やや賛成 賛成 中立 やや賛成 中立 中立 賛成
トランプ政権と親密 賛成 賛成 中立 中立 反対 賛成 中立
北朝鮮と無条件会談 賛成 賛成 やや反対 やや反対 賛成 中立 賛成
議員定数削減 反対 中立 やや賛成 賛成 反対 賛成 反対
夫婦別姓 反対 賛成 賛成 賛成 賛成 やや賛成 賛成

 

上記はYahoo!が提供している「政党との相性診断」の結果をまとめたものだ。5段階だけで表現しきれない部分もあろうかと思うが、各政党の考えの違いを分かりやすくまとめている。「政党との相性診断」は「早稲田大学マニフェスト研究所」が監修しているサービスで、10問の質問に答えることで、自分と近しい考えの政党が表示される。

 

seiji.yahoo.co.jp

 

与野党で比較的同じ考え①「高校無償化

自民党|消費税増税で財源確保し、高等教育を無償化

所得の低い世帯の若者の進学率が依然として低いことを踏まえ、真に支援が必要な若者に対する高等教育の無償化に賛成します。子供たちにツケを残さないよう消費税の引上げでしっかりと財源を確保しつつ、来年4月から給付型奨学金と授業料減免を大幅に拡充します。

高等教育無償化に伴う財源として、10月に予定されている消費税の引き上げを主張している。

 

公明党|希望すれば誰もが大学等へ進学できる社会をめざす

今後は、低所得世帯に限らず、教育費の負担が大きい多子世帯や中間所得世帯にも必要な支援ができるよう取り組んでいきます。

公明党の推進によって、「大学等における修学の支援に関する法律案」が成立したとして、本活動に対して前向きであることを伝えている。

 

国民民主党|返済不要の給付型奨学金を拡充

大学や専門学校等に進学を希望する若者が、親の収入など家庭の状況によらず安心して進学でき、奨学金による借金を背負わずに卒業できるようにするため、返済のいらない給付型奨学金を拡充します。

国民民主党も、本項については賛成の立場をとっている。

※立憲民主党は「やや賛成」となっていたので、本項では割愛。

 

与野党で比較的同じ考え②「年金支給開始68歳

自民党|人生100年時代に対応した年金制度の構築

現在60歳から70歳まで自分で選択可能となっている年金受給開始時期の選択肢の拡大等を進めます。なお、現在65歳からとなっている年金支給開始年齢の引上げは考えておりません。

年金支給開始年の引き上げについては考えず、人生100年時代に対応した年金制度の構築を目指す。

 

公明党|被用者年金のさらなる適用拡大を

本人の希望による年金支給開始年齢の多様化や、高齢者の就労を促進しつつ年金額を調整する在職老齢年金制度の見直し、被用者年金のさらなる適用拡大を進めます。

公明党も、年金支給開始年齢の引き上げは考えておらず、受け取り年齢の多様化などを検討する。

 

国民民主党|若い世代の将来不安を拡大懸念

高齢期の生活が立ち行かなくなってしまいます。また、若い世代の将来不安を拡大することにもなります。したがって、公的年金の支給開始開始年齢を引き上げるべきではありません。

高齢期の生活に対する不安や、若い世代の将来不安をいただかさないためにも引き上げには反対のスタンス。

※立憲民主党は「中立」となっていたので、本項では割愛。

 

与野党で比較的違う考え「憲法9条改正

自民党|早期の憲法改正を目指す

自民党は改正の条文イメージとして、1自衛隊の明記、2緊急事態対応、3合区解消・地方公共団体、4教育充実の4項目を提示しています。1自衛隊の明記については、現行憲法の第9条第1項・第2項を維持し、第9条の2で「自衛隊」を明記する案を示しています。

憲法改正(現行憲法の自主的改正)は自民党結党以来の党是であるが、本サービス上では中立となっている。

※公明党は本項についての無回答と表示されたため割愛

 

立憲民主党|必要であれば改正も!

日本国憲法を一切改定しないという立場は採らない。立憲主義に基づき権力を制約し、国民の権利の拡大に寄与するとの観点から、憲法に限らず、関連法も含め、国民にとって真に必要な改定があるならば、積極的に議論、検討する。

立憲民主党は「やや反対」の立場。ただし、一切改定しないという立場ではなく、必要であるのであれば、積極的に議論・検討する。

 

国民民主党|CM規制等を行う、国民投票法改正案の成立を!

国が行使できる自衛権を曖昧にしたまま、憲法9条に自衛隊を明記することには、反対します。(中略)公正な国民投票の環境を醸成するための、CM規制等を行う、国民投票法改正案の成立を目指します。

国民民主党も「やや反対」の立場。憲法9条については、国が行使できる自衛権を曖昧にしたままでの自衛隊明記には反対。また、公正な国民投票の環境を醸成するため、民投票法改正案の成立を目指す。

 

与野党で比較的違う考え「消費税10%増税

自民党|消費税率10%への引き上げは必要

消費税率10%への引き上げは、全世代型社会保障の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するとともに、社会保障の充実と財政健全化のためもの必要

少子化対策や社会保障の安定財源確保などのためにも消費税率引き上げは必要。引き上げの対策として軽減税率制度の導入、キャッシュレス化推進に向けたポイント還元の実施も実施する。

 

公明党|「全世代型社会保障制度」を前進させるために重要

引き上げを延期するような経済状況ではないと考えます。仮に、海外経済の動向による影響が顕著になれば躊躇なく対策を実行します。

「全世代型社会保障制度」を前進させるために重要。また、日本経済への影響を考慮し、「軽減税率」の実施に加え、「プレミアム付き商品券」や「住宅や自動車の購入支援策」といった需要の平準化策を実施する。

 

立憲民主党|消費税率の10%引き上げは凍結

今、消費税をあげれば、消費さらに落ち込み、日本経済はますます停滞します

消費税率の引き上げは、国内消費の落ち込みを助長する。消費税率の10%引き上げは凍結すべき。

 

国民民主党|一部の人だけが得をする形での引き上げ反対

約束した議員定数削減も果たされていません。高所得者が得をする軽減税率や、一部の人だけが得をするポイント還元を伴う、今回の消費税引き上げには反対します。

社会保障財源の確保が必要なことは認めるものの、消費拡大による景気回復を十分に果たさなければ、消費税引き上げを行うべきではない。高所得者が得をする軽減税率や、一部の人だけが得をするポイント還元を伴う形も受け入れがたい。

 

まとめ

与野党で比較的考えが同じものと、違うものを紹介した。消費税率引き上げについては、国民民主党が言うように、約束した議員定数削減も実施されていないかったり、クレジットカードなどによるポイント還元など、一部の人だけが得をする形は望ましくないかもしれない。