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トランプ米大統領 アメリカ経済の成長を目指し税制改革 「米国史上最大の減税」とは?

 

12月20日、トランプ米大統領が公約に掲げた大規模な税制改革の法案が上下両院で可決された。レーガン政権以来およそ30年ぶりの税制改革である。

 

www3.nhk.or.jp

 

 

 

 

トランプ米大統領の法案 「米国史上最大の減税」

 

税制改革の内容とは?


連邦法人税を引き下げる

 

企業の収益が高いほど、法人税は高くなり現在の最高値は35%であったが、それを20%まで引き下げる。法人税を減税することにより、企業にお金が残り、賃金の引き上げや雇用の拡大につなげることができる。

 

海外利益に対する税を廃止する

 

アメリカの企業が海外で得た利益をアメリカに戻す際、税金がかかる。そのため利益を戻さず海外に貯め込む企業が多い。貯め込まれている海外利益は約2.4兆ドルで、アメリカ政府は約6,950億ドルの法人税が徴収できていない。


個人所得税の所得による税率の区分の簡素化

 

アメリカでは、所得ごとに10%、15%、25%、28%、33%、35%、39%の7段階にわけられている。この税率を3段階に簡素化する。


所得税の最高税率を引き下げる

 

現在、アメリカの所得税の最高値は39%である。5687万円以上の所得を得た際に39%の税金が課税されるが、この最高値を35%に引き下げる。


基礎控除額を2倍にする

 

所得税を計算をする際に、一律で差し引かれる控除額を2倍に増やす。2倍にすることで個人が負担すべき税金を減らすことができる。


遺産税の廃止

 
亡くなった人の財産に対し、課税される遺産税を廃止する。しかし、基礎控除が543万ドル(約6億円)であるため、6億円以上の財産がなければ課税されることはない。

 

税制改革の目的は?

 

企業の税金を減らし成長を促進させることで、雇用を創出する。賃金も上がり、労働者やその家族が恩恵を受けることができる。このようにアメリカ経済が大きく成長することを目的としている。

 

 

日本との所得税の違いは?

 

アメリカの所得税率(独身者の場合)
税率 所得額
10% $0~$9,325
15% $9,326~$37,950
25% $37,951~$91,900
28% $91,901~$191,650
33% $191,651~$416,700
35% $416,701~$418,400
40% $418,401以上

 

日本の所得税率
税率 所得額
5% 103万~195万円
10% 195万円~330万円
20% 330万円~695万円
23% 695万円~900万円
33% 900万円~1,800万円
40% 1,800万円~4,000万円
45% 4,000万円以上

 

 

日本は現在のアメリカと同じ所得に応じて税率は7段階になっている。所得が高いほど所得税は増え、5%、10%、20%、23%、32%、40%、最高で45%になる。アメリカの最高所得税率は39%なので日本のより6%低いが、最低所得税率は10%と日本の2倍である。日本は103万以上の所得で所得税を支払う義務があるが、アメリカでは80万円以上の所得があると所得税が課税される。所得が低くても10%の所得税を支払う必要があり、所得の高い富裕層が得をするようになっている。またアメリカでは、毎年確定申告の必要があり、日本より税金のシステムが複雑である。

 

 

大規模な税制改革への米国民の反応は?

 

税制改革の法案は20日、アメリカ議会の上下両院で可決された。減税の規模は1.5兆ドル(170兆円)である。この大規模な減税より今後10年間で財政赤字が1兆ドル(113兆円)に拡大される見通しで、効果を疑問視する声も上がっている。また、富裕層に優しい減税であることから、反対している国民が多い。