霞が関から見た永田町

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玉木代表の胆力、将棋の盤面を一気にひっくり返した小沢氏合流劇

 

 

 

28日召集の通常国会を目前に、永田町が動き始めた。玉置代表率いる国民民主党と、小沢代表率いる自由党の合流である。合流となるのか、それともまずは統一会派結成となるかは、まだ予断を許さないところではあるが、一部には小沢一郎氏の幹事長就任説が流れるなど、相当具体的な話が進んでいると見ていいだろう。今回の合流劇は国民民主党にとって、大きなターニングポイントになりそうだ。場合によっては夏の参院選で、台風の目になるかもしれない。
まず、今回の合流報道を受けての国民民主党の対応は、かつての民主党時代には見られない大人な対応だった。それは総務会で玉置代表一任を取り付けたことだ。通常、どの政党でも総務会の意思決定は重い。ここの意思が全てと言ってもいいほどで、様々な意見はあったとしても、「代表一任」ということはすべての判断を玉木氏に委ねたということで、民主党時代に色々なところに司令塔がいて、意思決定が右往左往した時代から失敗を学んだ姿が垣間見えた。

 

 

局面が一気に変わった


小沢代表に対する永田町のアレルギーはもちろん、あるだろう。特に民主党時代に共にした代議士はその思いが強い。しかし、一方で所属議員がわずか6人しかいない自由党との合流劇がこのようにかくも連日、報道されるインパクトは大きい。
これは賛否両論あろうが、小沢氏が持つネームバリューと、これまでの永田町での実績があるからに他ならない。社民党が立憲民主党に合流すると言われても、これほどには騒がれないのと非常に対照的である。つまり、小沢代表率いる自由党の、国民民主党への合流は参議院における野党第一会派というポジションの話以上に、インパクトが大きいのである。
小沢氏の合流によって、国民民主党は最大の広告塔を得たと言ってもよい。永田町の裏も表も知り尽くす小沢氏が合流することで、常に国民民主党の一挙手一投足が注目されることになり、これはどんな対策よりも国民民主党の存在、政策を有権者に広めていく武器となるだろう。

 

 

合流劇で俄然注目集まる国民民主


本ブログでも何度も取り上げてきたが、国民民主党の政策は基本的には非常にバランスがいい。いわゆる中道保守路線を取り、かつ、日本がこれから直面する少子化・高齢化、人口減少社会における様々まひずみに対して、有効な政策を打ち出している政党だ。なんでも反対の戦術を取っている立憲民主党とは大きく異なる。問題は政局にしか関心がないテレビ、新聞の政治部によって国民民主党の政策はほとんど報道されず、結果、政党支持率が1%と低空飛行していたことにある。小沢代表を仲間に引き込むことで、俄然、メディアの注目は国民民主党に集まり始める。夏の参院選までの大ドンデン返しがあってもおかしくない。
それにしても今回の合流劇の面白さは、一瞬にして将棋の盤面が変わったところにある。誰もが小沢氏は終わった政治家だと思っていたし、メディアもそう思っていただろう。ましてや民主党政権時代に苦い思いをした議員からすれば、そんな政治家を一緒に手を組もうとは思わなかったはずだ。言葉は悪いが、人は使いようということなのだろう。玉木氏の胆力があっての決断だろう。落ち目と思われていた政治家がもつエネルギーを見極めて、それを手に入れることで一瞬にして局面を打開しつつある。

 

 

橋下徹氏が合流したら?


まだ紆余曲折はあるだろう。党内の様々な声を抑えつつ、小沢氏を招くことができれば、国民民主党は台風の目になっていくだろう。一部野合という声もあるが、そんなものは気にする必要もない。自民党そのものが野合であるし、立憲民主党も今回、社民党を取り込もうとしている。一気に永田町が流動化してきた。ここに橋下徹氏が合流したら、と妄想するのは、妄想し過ぎだろうか。