霞が関から見た永田町

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解散風はどっちに吹いているのか?衆参同時解散はあるか

 

 

 

2019年、年が明け、通常国会も始まった。当初、噂レベルではあったが、永田町に一時期「春の統一地方選挙に合わせて解散があるかも」という話が一部ではあったが、まことしやかに囁かれた。

 

一方で夏の参議院選挙に衆議院選挙を重ねるダブル選挙の話は昨年末以来、吹き続けている。それは言ってみれば、微風である。4月の統一地方選挙後には改元が控えている。これだけでも、なかなか大変な作業である上に、首相の外交日程など諸々、スケジュールを埋めていくと、夏の衆院解散・総選挙はいささか、タイトではないか、というのが一般的な見方だ。

 

 

吹き続ける微風


それでも、解散風が微風ながら吹き続けているのはなぜかといえば、キーパーソンがことごとく、解散総選挙の可能性に言及しているからだ。それも政権与党内で真っ向反対のことを言っているから、余計に衆参ダブル選挙の可能性が信憑性を増していくのだ。

 

その代表格はなんといっても、安倍首相である。1月7日、新年互礼会で安倍首相は「ダブル選挙は頭の片隅にもない。この6年間ずっと頭の片隅にもないと言いながら2回も総選挙をやっていると指摘する声もありますが、今回は全くどこにもないのであります」と挨拶している。自民党のカウンターパートである公明党はもとよりダブル選挙には反対だ。山口代表は「同日選は複雑になり、エネルギーも分散するため、自公の協力体制が十分に築けない」と発言している。

 

ところが自民党選対委員長を務める甘利氏の発言は憶測を呼ぶ。概ね、次のように発言している。「首相は現時点で、衆参ダブル選挙のことは微塵も考えていない。ただ、野党が選挙のために野合をするなら、勝つためには首相への提案は厭わない。勝つためにはあらゆる手段を取る。首相が採用するかは分からないが、私には提案する責務があり、躊躇はしない」。

 

 

頭の片隅に解散総選挙が登場する日


ここでポイントになるのは、「私には提案する責務があり、躊躇はしない」のくだりだ。甘利氏が自身の責務に従って進言したものを安倍首相が採用するとき、「頭の片隅にまったくない」という自身の発言は矛盾しない。政治は阿吽の呼吸であることを考えると、やはり夏の衆参同日はあり得るのではないかと思う。ましてや安倍氏と甘利氏の仲、である。お互いの腹の内は理解しているだろう。

 

一方、二階幹事長も「衆参同日は私が決めることではないが、あるとすれば、誰か相談してくるはずだ。今のところ、そういう憶測が飛んでいるに過ぎない」とこちらもダブル選挙を否定している。

 

本当にないのかもしれないし、本当はあるのかもしれないが、永田町はいったん、解散風が吹くと一気に動き出すところがある。4月に統一地方選挙を控えて、与野党ともにこの年末年始は国会議員は地元の県議、市議と一緒になって丁寧に地元を回っている姿が全国でもよく見られた。野党第一党の立憲民主党も全国幹事長会議で、衆議院選挙の候補者発掘も勢力に進めてほしい」と枝野代表は挨拶している。

 

 

野党の足並みの乱れはお家芸


野党の情勢を見ていると、立憲民主党は「数合わせの合流はしない」と言い続け、参院選でも野党共闘には消極的だ。一方、国民民主党は小沢氏との合流は一里塚で、参議院選挙や来たる衆議院選挙に向けて野党共闘は必須だと考えており、野党の足並みはそろっていない。

 

この足並みの乱れを政権与党は今、見定めているのだろう。相手が弱いと思えば解散し、仮にそれがトリガーとなって野党共闘が実現したならば、「野合はしないと言っていたのに、選挙となれば、くっつく。こんな政党、信じられますか?」と自民党は批判してくるだろう。

 

逆に微風だけふかし続けて、選挙にならないなら、ならないで自民党も都合がいい。なぜなら、立憲民主党が焦って候補者を立てれば立てるほど、活動費が飛んでいくからだ。どこかで息切れする時がやってくる。しかも候補者の擁立が進めば進むほど、他の野党との選挙区調整が困難になる。

 

果たして、どんな結末を迎えるだろうか。