IR事業をめぐり秋元司衆議院議員が逮捕
秋元司衆議院議員が東京地検特捜部に逮捕された。中国企業の「500ドットコム」側から現金300万円などを賄賂として受け取った収賄の容疑がかけられている。
さらに、自民党・白須賀貴樹衆院議員と勝沼栄明前衆院議員の事務所などにも東京地検特捜部は家宅捜索に入った。
カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐり、中国企業が日本の国会議員に接近するために、賄賂を贈っていたのではないかとの疑惑が生じている。
秋元議員が金銭を受領していたとなると、秋元議員は元IR担当の副大臣であったこともあり、贈収賄の際に争点となる「職務に関して」という点につき明確であるため、自身が担当する職務に関わり金銭を授受したということで収賄となるのは不可避だろう。
秋元議員は調べに対して一切の否定をしているようだ。
しかし、賄賂を渡した側が金銭の授受を認めてしまうと、何とも厳しい立場に追い込まれてしまう。
金銭の授受が本当にあったのか否か。この点につき、東京地検特捜部がどこまで明確な証拠を握っているのかは不明だが、現職国会議員を逮捕するという重大な決断をする以上、かなり確度の高い証拠を握っているはずで、秋元議員や関係している可能性の高い他の議員たちも気が気ではないだろう。
今回名前が出てきた秋元議員や白須賀議員、勝沼元議員はまだまだ若手であり、本丸はこの先、さらに有力な自民党議員にも疑惑は波及していくのではないかとの観測もあるだろう。ただ、有力どころの議員となれば、もしも金銭を受け取っていたとしても、そう簡単に証拠を握られるようなやり方をしてはいないはず。そう簡単に誰も知るような有力議員がこの件で逮捕されるような事態になることは少々予想しにくいところだ。
「桜を見る会」の招待者にIR関係者がいたのでは？
むしろ、疑惑が波及していくとすれば、ここまで問題視されてきた「桜を見る会」との関係においてであろう。
再三指摘してきたが、「桜を見る会」の招待名簿はこの段になっても「公表」されない。
廃棄したの一点張りで、捜索したり復元したりする気配は微塵も感じられないが、そこまで頑なに公表を渋るということは相応の理由があるのだろう。すると、今回の秋元議員の逮捕を受けて、当然このような疑問が浮かぶ。
「IRに関係する事業者らも桜を見る会に招待されていたのではないか」と。
そもそも、中国企業は秋元議員ら今回名前が上がっている議員らとだけ交流があったわけではない。例えば、安倍総理の実弟である岸信夫衆議院議員とのつながりも取り沙汰されている。
「桜を見る会」には、マルチ商法の首謀者にまで官邸・与党枠で招待状が送られていた。
となれば、安倍総理の実弟ともつながりのある人物が招かれていたとしても、何ら驚くことではない。
マルチ商法の首謀者がそうしていたように、「桜を見る会」の招待状を相手先に見せて、何らかの交渉を行うといったことがIRに関係する中国企業の関係者によってもなされていたのではないだろうか。
「桜を見る会」の招待名簿を公表しなければ、このような疑念が次から次へと湧いてくることになるのだ。今回逮捕された面々がどこかの年度の「桜を見る会」に招待されていたとなれば、それは直ちに安倍総理の疑惑の目が向かうことになり、そうなれば流石に政権はもたないだろう。
年末にかけて、安倍内閣の存亡にすらかかわる重大な疑惑が東京地検特捜部によって追及されようとしている。
