霞が関から見た永田町

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「もう一度、信を問う」 大阪ダブル選挙はどうなるか?

 

 

 

「もう一度、信を問う」。こう語り、松井大阪府知事と吉村大阪市長はそれぞれの職を辞した。松井氏は大阪市長選へ、吉村氏は大阪府知事選へ立候補し、両者が入れ替わることで統一地方選挙と同日選挙に持ち込み、もう一度、民意を問う考えだ。

 

 

紙一重の差だった

 

振り返れば、大阪維新の会が「都構想」を掲げて住民投票を実施したのが2015年4月。4年前の統一地方選挙の数週間後のことだった。あの時の投票率は66.83%、賛成が49.62%の69万4844票、反対が50.38%の70万5585票と、その差はわずかに0.76ポイント、1万741票だった。

 

大阪市の北部で賛成が上回り、南部では反対が上回り、大阪市が抱えている都市課題が投票行動にもはっきりと現れた住民投票だった。この住民投票の結果を受けて、橋下市長(当時)は同年12月の任期満了をもって「政治家を引退する」ことを表明した。

 

東京のメディア、なかんずくテレビ局は歯切れのいい橋下市長vs議会勢力、という構図で報道し続けたが、事の本質はそこではなかった。大阪の府市統合は日本の都市が抱えている問題が象徴に現れていた問題だった。それは都市の生産性の低さ、である。

 

 

問われているのは都市の生産性

 

2020年に東京オリンピック・パラリンピックを控えている今、都市の生産性に光は当たっていないが、それももう時間の問題で、2020年以降、急速にそこにスポットが当たり始めるだろう。大阪の都構想はまさに時代の先鞭をつけたものだった。

 

ただ、残念ながら橋下市長という政治家のパーソナリティもあって、分かりやすく敵をつくり、かつ、その敵を徹底的に叩き潰すというスタイル、発言を取ったために、いたずらに敵も多く作りすぎた嫌いもあった。

 

 

住民投票後の大阪の動きを知っているか?

 

メディアの注目は都構想が示す本質的課題ではなく、橋下徹という稀代の政治家が作り出す政局にこそ興味があった。したがって橋下徹氏引退後の大阪政界は東京のメディアに取り上げられることはめっきり少なくなった。少なくなったというよりは皆無になったといっていいだろう。

 

しかし、である。ここは万人が認めなければならないところだが、大阪維新の会は2015年の住民投票を結果を受けてからも、その後、コツコツと都構想の実現に向けて大阪府議会、大阪市議会で活動を進めてきた。松井知事は現職として止まったものの、橋下徹という大きなエンジンを、片腕をもがれながら、世論をレバレッジに議論を進めることができなかった状況にあっても、都構想の実現に向けて努力を重ねてきた事実を私たちは知らないといけない。

 

在京テレビ局はもちろんのこと、永田町在住の多くの国会議員でそこのことを正確に把握している人がどれだけいるか、というと実態として殆どいないといっていいだろう。

 

 

自民+立憲+共産という気持ち悪さ

 

さて、こういう状況の中で、自民党、公明党に加えて立憲民主党、社民党、共産党と永田町は口を揃えて、「大義がない」という。それを言うなら、ここ数回の、これまでの国政選挙は大義のないものばかりだった。これまでの野党を「野合」と罵っていた自民党も今回はその野合をやろうとしている。自民党の支援する候補を立憲民主党はおろか、共産党まで支援するというのは、それこそ歪な姿だ。

 

 

維新+国民民主を見てみたい

 

国民民主党はどうだろう?今のところ、その他の野党と同様、ダブル選挙を否定している。筆者はここで国民民主党が大阪維新の会と手を組むと面白いと思う。大阪が今、抱えているのは都市の生産性なのだ。それを問うているのである。手法は確かに若干、乱暴かもしれない。

 

しかし、そこには正義はある。中道保守を掲げる国民民主党が大阪維新の会と手を携えて、大阪の選挙を戦い抜く、そこに大きな活路があると考えるのは筆者だけだろうか。