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日本はG7で最下位 日本の労働生産性が低い理由とは?高い国の特徴は?


20日、日本生産性本部は2016年の労働生産性の国際比較を発表した。日本はOECD加盟国(経済協力開発機構加盟国)の35ヵ国中20位、先進国7ヵ国中最下位だった。

 

www.nikkei.com

 

 

 

 

日本の生産性はなぜ低いのか?

 

労働生産性とは?


労働者1人が1時間で生み出す成果のこと。生み出された生産額を投入した労働量で割ったもので、投入した労働量に対し、産出の割合が大きいほど生産性が高くなる。生産額を生産物の量で示したものを物的生産性、価格で示したものを価値生産性という。労働生産性を上げるためには、労働者の技能・技術や業務の効率を向上させる必要がある。

 

2016年の労働生産性国際比較は?

 

OECD加盟国の時間当たり労働生産性(2016年/35ヵ国比較)

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(参考:http://www.jpc-net.jp/intl_comparison/intl_comparison_2017.pdf

 

2016年の日本の就業1時間当たりの労働生産性は、4,694円であった。これはOECD加盟国35ヵ国中20位で、1980年代後半から大きく変わっていない。OECD加盟国の35ヵ国中、最も就業1時間当たりの労働生産量が高いのは、アイルランドで9,778円である。2位はルクセンブルクの9,734円である。日本は、先進国7ヵ国のG7の中でも最下位が続いている。

 

なぜ日本の労働生産性は低いのか?

 

サービスが多い

 

日本では海外にないサービスが多い。例えば、宅配便の再配達はほとんどの海外で行われていないサービスで、受取人が不在の場合は玄関に置いて行ってしまう。再配達は有料のオプションである。日本には海外にはない無料のサービスが多いため、一人当たりの労働量が増えてしまい、効率が下がることになる。

 

価格に対して高品質なモノを提供している

 

海外では、価格相応のモノやサービスを提供することが普通である。これに対し、日本では、価格設定が提供するモノの品質に見合っておらず、価格以上のものに仕上げようとする。その分、労働力が必要になるため、生産性が下がってしまう。

 

労働時間が長い

 

残業により労働時間が長くなると、それだけ時間当たりの生産量が減ってしまう。日本では、1人が残業時間を見込んだ量の仕事を抱えていたり、すぐに終わる仕事を定時まで時間をかけて行うため労働時間が長くなる。海外には、労働時間に対する規則が厳しい国が多い。ドイツの労働時間法では平日は1日8時間以上働いてはいけない規則があり、法定労働時間を超えて労働させた場合、罰金が発生する。

 

労働生産性が高い国の特徴とは?

 


1時間当たりの労働生産性がOECD加盟国35ヵ国の中で一番高いアイルランドは、1990年代後半から法人税率を主要国の中でも極めて低い水準に抑えた。これにより、英語圏である利点を活かしつつ、米国企業を中心に欧州本部や本社機能をアイルランドに呼び込むことに成功した。多くのグローバル企業が欧州連合域内で展開した事業に関わる付加価値などの計上をアイルランドに移動させたことで、経済成長と労働生産性の急上昇を実現した。
2位のルクセンブルクも法人税率などを低く抑え、グローバル企業を迎え入れることに成功している。また、生産性が高くなりやすい金融業、不動産業、鉄鋼業がGDPの大半を占めている。

 

 

労働生産性を上げるには?

 

2016年の日本の労働生産量は、OECD加盟国で20位、G7で最下位でも過去最高であった。正社員の残業時間が減らされ、労働時間が減少したことが影響している。労働時間を減少させた上で、サービスや技術に適正な値段をつけることが必要である。また、AIやIoTなどを活用し各生産活動を効率化、自動化することで生産性の向上を期待することができる。

 

日本生産性本部は「働き方改革や人手不足で生産性の向上が課題となる中、日本の労働生産性は1970年以降、G7で最下位が続いている。AI=人工知能を活用した自動化などによる生産性向上を期待したい」と話しています。

日本の労働生産性 主要7か国で最下位 | NHKニュース