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和泉首相補佐官に不倫疑惑報道 公費の不正執行、公私混同が政権中枢に蔓延している

 

 

 

和泉首相補佐官に不倫疑惑報道

 

 和泉洋人首相補佐官と厚生労働省大臣官房審議官の大坪寛子氏との不倫疑惑が報じられた。

 

bunshun.jp

 

 

 8月に、京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長に面会するため京都に出張し、そのまま二人で観光していたという。

 

 早速この件について記者から質問を浴びた菅官房長官は火消しに追われるかたちとなった。菅官房長官のお得意の台詞「適切に対応したと聞いている」でお茶を濁そうとしたようだが、この件を報じた週刊文春は二人の京都観光だけではなく、その他の場面での親密な様子も写真で伝えている。
 京都の件だけであれば、その日は二人で出張を行い、空いた時間に有給休暇をとって観光をしたという説明も成り立つのかもしれない。実際、菅官房長官はその線で説明をしようとしている。

 

mainichi.jp

 

 

 だが、週刊文春は二人の関係を以前から把握している。その情報をもとに、二人の京都出張を察知して、現地で写真を撮影していることは間違いない。報道している以外にも、第二弾・第三弾と二人の親密な様子を捕らえた写真を繰り出してくる可能性も十分にあるだろう。一回限りの京都でのちょっとした観光を見咎められたと思っているようであれば、それは見通しが甘いと言える。

 

 

公費の不正執行ではないか?

 

 ところで、和泉補佐官と大坪審議官の京都での日程につき、事務手続き上、不透明な点がある。
 菅官房長官による説明では、京都市内での和泉補佐官の移動については私費負担であったとのことである。
 週刊文春の記事でも、和泉補佐官は、自身は特別職であることから勤務時間は設定されておらず、午前で業務を終え、午後の移動のハイヤーはポケットマネーで支払いを行ったという趣旨の回答をしている。大坪審議官は午後に有給休暇を取ったとしている。

 

 

 山中所長との面会は時間が明確に設定されていたはずで、その開始と終了の時刻は事前に確定していた。そして、それに基づき出張申請を行い、公費で出張を行っていることは間違いない。二人とも公費での出張で京都に行ったこと自体は認めている。
 問題は、事前に午後の予定について、どのような申請を行っていたのかである。

 

 予め午後有給申請していたのなら、当初から、午前中に短時間で済む出張を入れて、それを口実に午後は観光をしようと目論んでいたのではないだろうか。
 昨今、どこでもこの種の出張申請については、その処理が厳しくなされている。会社組織であれば、午前中で用務が終わる場合、当然に午後には帰社をする。もし、ついでに観光しようとするのであれば、有給休暇を消化して、少なくとも帰りの交通費は自費負担にするといったことが行われている。
 役所であれば税金をもとにした公費で、企業であれば「会社のお金」で、それぞれ構成する人間が私的な観光をするなどということは、およそ許されることではない。

 

 山中所長との面談で大坪審議官は研究助成を打ち切ると恫喝したとの疑惑まで出ている。その裏では、山中所長との面会をだしにして、公費を使って二人で京都での観光旅行を画策したのではないだろうか。

 

 

安倍総理の公私混同は官僚にも伝播している

 

 午前中で山中所長の面談が終わるのであれば、午後に京都で観光をするのではなく、東京に戻る。これが公費の執行を受ける者としての最低限のたしなみではないだろうか。
 京都に二人で観光するために、ノーベル賞受賞者の山中所長との面談を午前中に設定させた。そして、往復の交通費は公費で賄った。これを公費の不正執行、そして、公私混同と言わずして何と言えようか。

 

 思えば、「桜を見る会」の疑惑についても、安倍総理の公私混同が疑われている。公費で実施する「桜を見る会」に、自身の後援者を招待していたというのである。
 公費を使って、自分に利益になることを行う。そういう公私混同を総理がするものだから、その傍にいる者たちも公私混同に走る。そして、それが発覚しても、総理への忠誠を誓っていれば揉み消してもらえる。

 

 もはや、日本はどこぞの独裁国会を笑えないほどに、ひどい公私混同が政権中枢に蔓延してしまっているようだ。