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被選挙権の年齢 引き下げを検討 若者の政治参加促進に必要なこととは?

 

13日、自民党は党・政治制度改革実行本部の役員会を開催した。選挙に立候補できる被選挙権の年齢引き下げについて検討することが決定し、来年の5月にも提言をまとめる。若者の政治参加促進を狙いとしている。

 

www.jiji.com

 

 

 

 

狙いは若者の政治参加促進 被選挙権の引き下げを検討

 

選挙権、被選挙権とは?

いずれも参政権のうちの1つであり、選挙に参加できる資格のこと。

 

選挙権

選挙で投票することが可能な権利。公職選挙法が制定されてから、20歳以上の男女に選挙権が与えられた。平成28年6月から、公職選挙法の改正により満18歳以上に選挙権が与えられるようになった。

 

被選挙権

選挙に立候補することができる権利。地方議会議員に立候補するには、その立候補地で選挙権を持つ必要がある。

 

 

現在の選挙権年齢は?

 

衆議院、参議院の現在の選挙権年齢

  衆議院 参議院
選挙権 満18歳以上 満18歳以上
被選挙権 満25歳以上 満30歳以上

※いずれも日本国民であること。

 

平成27年6月、公職選挙法等の一部を改正する法律が成立し公布された。平成28年6月選挙権年齢が「満20歳以上」から「満18歳以上」に引き下げられた。

 

選挙権、被選挙権を失う条件

日本国民であり、一定の年齢以上でも選挙権、被選挙権を失う条件がある。1つでも当てはまると選挙権、被選挙権が認められない。

 

1.禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者
2.禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く)
3.公職にある間に犯した収賄罪により刑に処せられ、実刑期間経過後5年間(被選挙権は10年間)を経過しない者。または刑の執行猶予中の者
4.選挙に関する犯罪で禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行猶予中の者
5.公職選挙法等に定める選挙に関する犯罪により、選挙権、被選挙権が停止されている者
6.政治資金規正法に定める犯罪により選挙権、 被選挙権が停止されている者

(参考:総務省|選挙権と被選挙権

 

衆議院、参議院以外の議員の被選挙権年齢

 

地方議員の被選挙権年齢

  備えていなければならない条件
都道府県知事 日本国民で満30歳以上であること。
都道府県議会議員 日本国民で満25歳以上であること。
その都道府県議会議員の選挙権を持っていること。
市区町村長 日本国民で満25歳以上であること。
市区町村議会議員 日本国民で満25歳以上であること。
その都道府県議会議員の選挙権を持っていること。

 

権利を失う条件は衆議院、参議院の選挙権と同様。地方議員の被選挙権の資格年齢は、投票日に達していればよいため、立候補の時点では表の年齢に達していなくてもいい。

 

 

海外の選挙権年齢は?

 

海外の選挙権

 

海外の選挙権

16歳   オーストリア
17歳   インドネシア、北朝鮮
18歳   アメリカ、イギリス、イタリア、オーストラリア、カナダ、スペイン、フランス
19歳   韓国
20歳  台湾、チュニジア、モロッコ
21歳   シンガポール、パキスタン、マレーシア
25歳   アラブ首長国連邦


現在90%以上の国が18歳以上に選挙権が与えられている。最も低い年齢はオーストリアの16歳で、2007年に18歳から引き下げられた。最も高い年齢はアラブ首長国連邦で、25歳以上である。また、アラブ首長国連邦では全国民に選挙権与えられていない。

 

海外の被選挙権

 

海外の被選挙権

17歳   北朝鮮
18歳  イギリス(下院)、オーストラリア(下院、上院)、オーストリア(下院)、カナダ(下院)
20歳  ナウル、バーレーン
21歳  イギリス(上院)、オーストリア(上院)、マレーシア(下院)、メキシコ(下院)
23歳  台湾、チュニジア、モロッコ
24歳  カタール、フランス(上院)
25歳  アメリカ(下院)、イタリア(下院)、韓国
26歳  イラン
28歳  ガボン(下院)、パレスチナ
30歳  アメリカ(上院)、カナダ(上院)、パキスタン(上院)、マレーシア(上院)
33歳  ルーマニア(上院)
35歳  ナイジェリア(上院)、フィリピン(上院)、ブラジル(下院)
40歳  アルジェリア(上院)、イタリア(上院)、オマーン(上院)、カンボジア(上院)
45歳  コンゴ共和国(上院)

 

最も年齢が低いのは北朝鮮の17歳である。最も年齢が高いのはコンゴ共和国の45歳である。選挙権より、被選挙権の方が17歳~45歳と年齢の条件が幅広くなっている。

 

 

30代の国会議員が若者の政治参加について検討

 

毎月1、2回「若者の政治参加検討チーム」を開催し、若者が政治に参加するための課題についての対策を議論している。スマホを活用し投票が可能なネット投票の導入や、コンビニなどに投票所を設置し若者が選挙に行きやすい環境を作るなどの提言を行っている。

 

ネット投票に関し、総務省は導入を検討するため、年内にも有識者研究会を設ける方針だ。出席者によると、野田氏はネット投票の導入に前向きな姿勢で、なりすまし投票を防ぐためにマイナンバーカードを活用する案を示した。

ネット投票解禁を 自民若手、総務相に提言 :日本経済新聞

 

若者の政治参加検討チームとは

 

国会議員の中で若い世代である、30代の有志で結成されたチーム。

 

現在の国会議員の平均年齢は?

 

2017年衆議院選挙の当選者の平均年齢は54.7歳であった。候補者の中には20代が18人いたが、当選者はいなかった。現状、若者の投票率は低く、年齢が上がるごとに投票率も上がっている。被選挙権の年齢を引き下げれば、同年代が選挙活動を行ったり、議員として活躍している姿を見ることができ、若者の投票率の向上や政治への関心につながるといえる。

 

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