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もう安倍総理は国会開会に耐えられないのか?

野党の臨時国会召集要求に応じず

 6月に閉会した通常国会。その後、閉会中審査は行われており、国会が完全に止まっているわけではないが、審議は不十分であるとして野党は臨時国会の召集を求めている。

 7月31日には、立憲民主、国民民主、共産、社民の野党4党が憲法53条に基づき臨時国会の速やかな召集を政府に要求した。

www.jiji.com

 

 この要求に対して、与党は応じる考えがないことを野党に伝えた。応じない理由として、自民党の森山裕国対委員長は「本会議に付託すべき案件がまだ定かでない」と説明したと報じられている。

www.tokyo-np.co.jp

 

 この説明は明らかに詭弁であって、付託すべき案件は明らかだ。

現在の日本の状況で、新型コロナウイルス感染症対策について付託すべき案件がないと考えている国会議員などいるのだろうか。もし、そのように考えている国会議員がいるとしたら、もはや議員失格だろう。感染症に関する現状に対する評価の差はあったとしても、何らかの対策が一切不要などという判断に至ろうはずがなく、対策が必要であるのであれば、当然に付託すべき案件も存在することになる。

 国会で十分な時間をかけて審議すべき事項があるにもかかわらず、与党は臨時国会の開会から逃げている。

安倍首相の健康不安?

 6月の通常国会の閉会後、安倍総理は会見を1ヶ月以上実施していなかった。その間に開かれていた国会の閉会中審査にも出席はしていない。

https://mainichi.jp/articles/20200721/k00/00m/010/222000c

 

 新型コロナウイルス感染症の感染者数が再度増加する中で、さながら雲隠れをしてしまった安倍総理だが、どうやらその理由に体調不良があるようだ。

 

 FLASHが報じたことのため信憑性には疑問符のつく情報ではあるが、7月6日に安倍総理が首相執務室で吐血したとのこと。

smart-flash.jp

 

 この件が報じられた後の8月4日の会見で、安倍総理の体調不安説を菅官房長官は否定している。

www.jiji.com

 

 安倍総理は自身の健康不安で前回の政権を投げ出している。その後、治療のかいもあって、今回政権に復帰してからは、ここまでの大きな健康不安を報じられることはなかった。安倍総理自身も体調には十分に配慮をしているはずで、吐血と言われても俄かに信じがたいところもあるが、その後の動向を見ると、健康不安もあながち間違いではなさそうだ。

早過ぎる会見打ち切りとコピペ挨拶文で深まる健康不安説

 安倍総理の健康不安を裏付けるのではないかと思わせる出来事はまず8月6日に起きた。

 この日、安倍総理は広島で行われた平和記念式典に出席した。その後、記者会見が行われたが、その場で記者からの質問は手短に打ち切られた。そこで、朝日新聞の記者が質問を続けようとしたところ、首相官邸報道室の職員が記者の腕を掴んで制止したとされている。

www.jiji.com

 

 さらに、9日には、安倍総理は長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に出席した。そこで安倍総理の読み上げた挨拶文が広島の式典でのものと酷似していると指摘された。

mainichi.jp

 

 この二つの出来事から透けて見えるのは、出来るだけ安倍総理の負担を小さくしたいとすると首相官邸側の意向である。

 唯一の被爆国である日本の総理大臣として、広島と長崎の式典を欠席するという選択肢は、ほぼ存在しない。欠席となれば、それは余程のことである。欠席出来ない以上、出来るだけ負担は軽くしたい。

記者会見を早々に打ち切ったり、挨拶文がコピペであったりすれば、それを批判されることくらい官邸も承知のはずだ。それでも強行せざるを得なかった。それだけ安倍総理の状態が良くないということなのだろう。

健康不安説を打ち消すためのジム訪問か

 健康不安説が広がり始めるなか、8月10日に、安倍総理は7ヶ月ぶりに「グランドハイアット東京」併設のジムに訪れた。

 健康不安を払拭するための訪問のようにも見えるが、ジム訪問はブラフで、実際には診療を受けているとの話もある。

www.nikkan-gendai.com

 

 前回訪れたのは1月3日で、以後は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて訪問を控えていたとも報じられている。

www.jiji.com

 

 新型コロナウイルス感染症が理由だとしたら、この段階でも訪問は控えるべきのような気もするが、どうしてもこの時期に行っておきたい何かがあったのだと考えれば平仄も合う。

 少し遡るが、そう言えば、8月1日に、安倍総理はそれまで頑なに着用していた「アベノマスク」を止めて、顔面を覆う面積の大きいマスクの着用を始めていた。邪推かもしれないが、これも顔色を隠すための苦肉の策なのではないかとすら思えてくる。

news.tv-asahi.co.jp

 

 総理の仕事は元々激務であり、なおかつ、思うに任せない新型コロナウイルス感染症対策に気が参ってしまっているのかもしれないが、現在の安倍総理は国会開会に耐えられないような状態にあるのかもしれない。

 そういう状態が続くようなら、その座を次の人物に譲る時が来ているということにもなる。