霞が関から見た永田町

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執筆記事から振り返る2018年、「アレもコレも全部、今年の出来事でした」

 

 

 

早いもので2018年も終わろうとしている。この一年間、執筆してきたコラムをざっと振り返ってみると、改めて、この1年に多くの事件、ニュースがあったことに驚く。

 

そこで明らかになってくるのは、「政策で国民の共感を作るチャンスが結構あった」ということだ。ただ、残念ながら、そのチャンスを野党が上手につかめたとは言い難い。一年を締めくくりとして、今回と次回の2回にわたって、一年を振り返りつつ、2019年を展望しようと思う。

 

まず、この一年に寄稿してきたコラムのタイトルをご覧頂きたい。

 

 

今年も不祥事の多い一年

 

「キャッシュレス化社会への対応遅れる日本」
「受動喫煙と東京オリンピック」
「泰明小の8万円制服問題」
「都市のスポンジ化」
「IoT時代の産業政策」
「デジタル教科書で子供の学びはどう変わるか」
「専業主婦vs共働きに見るPTA問題」
「オリンピックと日本経済」
「カジノと野党の国会戦略」
「公文書改ざんと野党の国家ビジョン」
「経済の二毛作としてのナイトタイム・エコノミー」
「レアアースと資源外交」
「福田事務次官のセクハラ問題と働き方」
「国民民主のイノベーションニューディール政策」
「深センとデジタルファースト」
「デジタルカンブリア爆発への備え」
「地方議員年金、イエスかノーか」
「文科省現役官僚逮捕の衝撃」
「豪雨対応への初動の遅さ」
「小学校エアコン問題」
「シャイニングマンデー」
「イタリア高速道路落下問題と老朽化するインフラ」
「GAFAとデジタル課税」
「障害者雇用水増し問題」
「大阪万博とカジノ」。

 

ざっと、振り返っただけでも、本当に色々な出来事のあった2018年だった。この中から拾うだけでも、教育分野では公立小学校における高額制服、遅々として進まない学校へのエアコン設置、デジタル教科書など、野党が自らの政策とその先に見据える子供たちの未来をPRできる場面は多かった。

 

「教育は票にならない」は永田町の常識だが、こうして振り返ると、1つひとつのニュース、事件に対して野党が明確なビジョン、政策を伝えてきたら、少なくとも「教育政策」を通じて、野党は有権者の信頼を獲得できたのではないだろうか。

 

 

ニュースが消費されない仕組みが必要

 

もちろん、このご時世、何かを発信してもニュースはあっという間に消費されてしまう。こうして振り返ってみても、「これらのニュースがまだ一年前の出来事なのか」と驚くくらいだ。だからこそ、実は政党はオウンドメディアを持つなどして、情報発信のアーカイブの仕組みを持った方がいいだろう。

 

そして、不祥事という視点でみると、やはり、なんといっても、福田財務事務次官のセクハラ問題だろう。あれだけの問題を起こしてながら、野党は攻めきれなかった。

 

ほかにも公文書改ざん事件や、広島県を襲った記録的豪雨における初動の遅さなど、その一つひとつが、本来であれば、政権が吹っ飛んでもおかしくない事件も数多かった。残念ながら、野党は政権を攻めきれなかった。どころか、政権にダメージを与えることもできなかったというのが、率直な評価ということになろう。

 

 

野党は情報発信を磨くべし

 

こうして一年を振り返ってみると、やはり、問われているのは野党の国家ビジョンであり、都市ビジョンであり、そこに根ざす国民の生活をどう示せるか、だろう。示していないわけではないと思うものの、そこが分かりやすく伝わっていない。情報発信や編集の専門家をアドバイザーに迎えるなど、必要な気がする。

 

さて、こうして一年を振り返って、もう一つの特徴があることにお気づきだろうか。社会のデジタル化への備えの話題が多かったのも、特徴だ。そして、それは2020年の東京オリンピックが一つの契機になるだろう。来年はいよいよデジタルファースト法案の上程される。次回は、この辺のテクノロジー周りの振り返りをしようと思う。