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齋藤農水大臣 就任後初の佐賀県を訪問 諫早湾干拓問題とは?

 

13日、齋藤健農水大臣は就任後初めて佐賀県を訪れ、干拓地や有明海を視察した。

 

www.nikkei.com

 

 

 

 

齋藤農水大臣は開門しない方針

 

齋藤農水大臣は長崎県の諫早湾干拓事業を視察した際、「開門によらない基金による和解で、多くの皆さんの理解を得たい」と述べた。大臣は、佐賀県や漁業者が求める開門には応じない姿勢を崩さず「基金による解決」を目指すとした。

 

国営諫早湾干拓事業の開門問題を巡り、斎藤健農相は14日の閣議後会見で、就任後初めて佐賀、長崎両県を視察した感想を問われ、「開門によらない基金での解決がやはり最良の方法ではないかと思った次第だ」と述べた。

斎藤農相「基金案が最良」 有明海再生 諫早干拓視察で感想|行政・社会|佐賀新聞ニュース|佐賀新聞LiVE

 

諫早湾干拓事業とは

 

1952年の戦後の食糧難対策として農地拡大のため構想され、1989年に諫早湾を干拓する工事が開始された。しかし、干拓により漁獲量が減少し、赤潮の発生やムツゴロウの消滅など環境も変わってしまった。そこで、漁業者は開門することを国に要求した。佐賀地裁は開門することを認めたが、2008年には農業が開始されていたため、農業者は開門に反対し長崎地裁に提訴。長崎地裁は、開門差し止めの判決を出した。それぞれが訴訟を繰り返し、2016年に長崎地裁は和解を勧告をしたが、2017年3月には和解協議を打ち切られた。同年4月に長崎地裁より開門差し止め訴訟の判決を出した。

 

諫早湾干拓事業(いさはやわんかんたくじぎょう)とは、有明海内の諫早湾における干拓事業。諫早湾での干拓は古くから行われてきたが、本項目では主に1989年(平成元年)に着工した農林水産省による国営干拓事業とそれを巡る論争について記載する。

諫早湾干拓事業 - Wikipedia

 

開門をめぐり裁判が幾度となく行われている

 

漁獲量が減った漁業者から、開門を求める訴えに対し、農業者は塩害などの被害があると開門に反対した。

 

事業の目的は高潮などの災害防止と干拓地での大規模な営農。1997年に有明海内の諫早湾の奥を潮受け堤防で閉め切り、農地と農業用水に使う淡水の調整池を整備した。直後から湾内や有明海で赤潮の発生が多発し、漁獲量が減少。漁業者は、潮受け堤防の南北2カ所にある排水門の開放などを求めて訴訟を続けてきた。

諫早湾干拓、二審も5年の開門命令 福岡高裁 :日本経済新聞

 

同小法廷は、2件の高裁決定について「当事者が異なり、別個に審理された場合、その判断が分かれることは制度上あり得る」と指摘して、いずれの決定も法律の要件を満たしていることから、高裁判断を支持した。
 さらに、開門の是非については「間接強制の申し立てに対する判断である以上、審理する立場にはない」と言及。「紛争を解決する十分な努力が期待される」と国に促した。

諫早湾干拓事業 国板挟みの間接強制、最高裁で確定 開門しても、しなくても制裁金支払い - 産経ニュース

 

2017年4月 開門しないよう命じる判決

 

2016年、長崎地裁は和解を勧告したが、2017年3月に和解協議が打ち切りになった。2017年4月、長崎地裁は国に開門しないよう命じる判決を言い渡した。

 

政府が国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門の開門をめぐる一連の訴訟について、和解する方針を固めたことが21日、分かった。政府は開門しないことを条件に来月以降、開門を求める漁業者らに解決金の支払いや漁場環境の改善策を提示する。今秋までの和解合意を目指し、地元住民の長年の対立に終止符を打ちたい考えだ。
 政府は漁業者の要望を聴取した上で、有明海再生事業など地域振興策を平成29年度予算案に盛り込むことも検討する。諫早干拓をめぐる訴訟は現在計6件あるが、政府、漁業者、営農者の3者が和解すれば、訴訟は全て取り下げられる。

政府、諫早湾干拓事業訴訟で和解の方針を固める 開門せず漁業者に解決金で調整へ(1/2ページ) - 産経ニュース

 

裁判は、開門を命じた2010年の福岡高裁判決を国が受け入れたことに反発した営農者らが、11年に起こした。営農者らは裁判と並んで仮処分を申し立て、地裁は13年に開門を差し止める仮処分を決定。判決は仮処分決定に続いて営農者らの主張を認めるもので、通常の裁判で開門差し止めを命じる判断は今回が初めて。国は引き続き、開門と開門禁止の相反する義務を負う。

諫早湾訴訟、国に開門しないよう命じる判決 長崎地裁:朝日新聞デジタル

 

大串博志議員が齋藤農水大臣の佐賀県の訪問した際の対応を批判

 

希望の党の大串博志議員は、齋藤農水大臣が佐賀県を訪問した際、「諫早湾干拓の開門」という言葉が出なかったことと、開門を求める原告団・弁護団との面会がなかったことを批判した。

 

斎藤農水大臣が、就任後初めて佐賀県を訪問。漁協関係者、県等の関係者との意見交換を行いました。

私が驚いたのは、少なくとも私が同席したその場で、誰も「諫早湾干拓の開門」ということをはっきりと言わなかったこと。「有明海の再生」とは言うけれど、「開門」とは言わない。

安倍政権は、今年に入って、これまで「開門」であった政府の基本的方針を「開門しない」ということに、180度転換してしまいました。それと今日の佐賀側の各代表者の発言は何か呼応するのでしょうか?。

「佐賀県側としては開門を求める」という強いスタンスを貫くべきだと思います。

しかも、斎藤大臣は今回の来佐に当たって、開門を求める原告団・弁護団との会合は持ちませんでした。これは農水大臣として初めてのことだと思います。

私としては、原告団・弁護団の皆さんとともに、彼らと農水大臣の面会を求めていきたいと思います。何せ、今裁判上確定しているのは「開門判決」であり、それを保持しているのは原告団・弁護団ですから。彼らと農水大臣が面会しないということはあってはなりません。

有明原告・弁護団と会わない斎藤農水大臣の訪佐に異議あり : 衆議院議員 大串ひろしブログ